無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

沈黙 ーサイレンスー

2017-01-26 | 2017外国語映画評


「沈黙 ーサイレンスー」 PG12 マーチン スコセッシ監督 米 ◯ ☆☆

 遠藤周作の同題名の小説が原作です。17世紀キリスト教が禁止されていた時代、棄教したという情報が入ったフェレイラ神父の真実を探るため、ポルトガル人ロドリゴ(アンドリュー ガーフィールド)とガルペ(アダム ドライバー)の宣教師が命がけで日本に渡ろうとします。案内にはマカオにいた唯一の日本人キチジロー(窪塚洋介)を雇いました。キチジローの案内で小さな海辺の村にたどり着き粗末な炭小屋に隠れ、それでも彼らを待っていた虐げられた教徒たちに祈りを捧げるのでした。しかし、厳しいキリシタン弾圧政策のもと二人は精神的にも追い詰められていくのでした。
 雲仙地獄の熱湯かけ、逆さ吊りや火あぶりなど目を覆いたくなるような拷問シーンだけでなく、貧しい農民の姿もリアルに再現し重厚な作品となりました。(☆)小松菜奈、加瀬亮、塚本晋也といった名優たちが顔だけでなく爪の間まで泥まみれになって熱演し、奉行役(イッセー尾形)通辞役(浅野忠信)が原作のイメージ通りの好演をしています。(☆)さすが名監督の作品です。
 今では、キリスト教も迫害されず、昔の話になりました。しかし、権力の言いなりにならないとさまざまなかたちでいやがらせを受けたり政治的に抹殺されたりする現実は今も進行中であることを私たちは忘れてはならないと思います。
 タバコは、なし。無煙です。


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