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「正体」

2024-12-04 | 2024映画評

「正体」 PG12 藤井道人監督 ✘ ☆☆

 染井為人(そめい ためひと)原作のサスペンス小説を実写映画化しました。

 一家殺人事件を起こし無実を訴えつつも、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)は脱走し変装しながら逃げ続けます。建設現場では怪我をした仲間を救い、オンラインライターの仕事でも出版関係者から重宝され担当者の安藤(吉岡里帆)はネットカフェを利用する鏑木を部屋に泊めます。一方、彼を追う刑事又貫(山田孝之)は追い詰めますがあと一歩で逃げられてしまいます。又貫は鏑木がなぜ命がけで逃げるのか、本当は冤罪なのか、と考え始めるのでした。

 原作も面白かったのですが、映画はそれを超えました。鏑木に関わる人が自分自身を顧みて生き方を考え直したりより充実させたりする姿は髪の色や表情など、映画ならではわかりやすく演出されました。以下少々ネタバレですが、原作のラストには納得しない読者がいたとか、娯楽作品ではやっぱり「希望」とか「昇華」とか前向きになりたいですね。その点ではこの作品は大成功です。

 なお、刑事の山田がかっこよすぎ、また、地味ですが出版社の宇野祥平、痴漢冤罪被害者役田中哲司、鏑木が生活していた施設長役の木野花、らが好演しています。悪役の松重豊も本当に憎らしかった。悪役がうまいと作品が締まりますね。

 タバコは、建設現場の労働者が休憩時何人か喫煙していました。

 

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