講座開発の進捗その2です。今日はコンクリート。「土木」という言葉、土と木だが、現在は、土とコンクリートだ。そのくらいコンクリートは重要だ。私の業界のお客さんは、土はある程度理解できるが、コンクリートは苦手だ。そこで、今日は、コンクリートの基本事項を書く。
セメントと水を混ぜたものを「セメントペースト」という。これに細骨材を入れると、「モルタル」になる。さらに粗骨材を混ぜると「コンクリート」になる。土木施工では主にまだ固まらないコンクリートの問題が出題される。
また、コンクリートの強さは、「水セメント比」がキーだ。W/C(ダブルバイシーとも読む)とも書く。水とセメントの比率のことだ。この数字が小さいと、乾くと強いコンクリートになる。ただし、あまりに水が少ないと、パサパサになってしまって、ちゃんと混ぜられないし、コンクリートの打ち込みがうまくいかない。また、練ってしばらくそのまま置いておくと、乾いてくる。そこで水を混ぜてしまうと、強いコンクリートができない。
その加減が難しい。その加減のことを「ワーカビリティ」という。「ワーカ」というだけあって、作業のしやすさのことだ。まだ固まらないコンクリートのワーカビリティを測定するのが「スランプ試験」だ。落ち込んだ状態のスランプとは違う。この試験、両側が開いたコーンにコンクリートを流し、突き固めた後、コーンを上に抜く。するとズルズルとコンクリートが流れ出す。この下がった高さを測定するのである。この結果を「スランプ値」という。小さいと固練り、大きいと軟ねりとなる。生コンなどの注文には、このスランプ値も含まれる。
コンクリートは固まる段階で、熱を出す。「水和熱」という。これが悪くすると「乾燥収縮」してひび割れの原因にもなる。ほかに打ち込むときには、水は骨材の比重が違うため、せっかく練った材料が「分離」してしまわないように機械を使う。あと、混和剤を入れると、早く固まるコンクリートや逆に遅く固まるコンクリート、暑い中や寒い中で作業をする際の注意点、コンクリートの劣化などなど。今日はこのくらいで。