國は大都市集中化解消対策と都市部の社会保障費分散策として、高齢者医療・介護施設
の地方移設政策を打ち上げて居ます。
確かにこれ以上働かない高齢者を大都市が抱える事は、医療や介護等社会保障の面で
大きな負担となります。
そこで高齢者に遠くても自然溢れる田舎住まいはどうかと云うのが政府の狙いです。
是に目をつけた人口減少に悩む地方と、入所待ちの高齢者を多く抱える都会地と連携し
介護移住の取り組みが動き出した様です。
今回東京都杉並区と200キロ離れた静岡県伊豆町が連携し特別養護老人ホームの
整備計画を進める事となった。
是までは地方に養護老人ホームを建てて都会地から入所を募る事は普通にあった事
ですが、都市が他県の地方自治体と連携を組むのは初めての事です。
この話は今に始まった事ではないみたい。
杉並区は、風光明媚な伊豆町に杉並区立全寮制特別支援学校を所有して居たが、
此処が廃止決定し跡地利用として特別老人ホーム建設を伊豆町の持ちかけて居た。
自治体に特別老人ホームが出来ると云う事は人口減少の歯止めになるがその分自治体
が社会保障費に負担が増える事になるので、そう簡単な事ではない。
しかし伊豆町の基幹産業の観光が奮わず深刻な人口減少に直面して居るので、これに
飛びついたと云う事です。
計画では2018年入所開始で、床数90の内50床は杉並区として、残りは伊豆町を
含む地元高齢者を受け容れる事として居ます。
町としても地元若者に介護の仕事が増え入所者の家族が保養を兼ねて押し寄せて来る
事が期待できるとソロバンを弾いて居ます。
ただ津浪対策等で建設地は5キロ程内陸部に入り風光明媚な保養地型特別養護施設
と云う訳に行かなくなりました。
現在杉並区の特別養護施設は高齢者で埋まり、空きがなく1300人もの待機者が居る。
杉並区は学校統合で廃校になった跡地を利用し1000床を増やす予定。
他の区でも千葉県や埼玉県の自治体と特別養護施設の建設の話は出て居る。
ただ距離等が問題で、特別養護施設待機者の6割は入所を希望しないと回答したそう
です。
劃期的計画と云うが、國や自治体の都合と、入所待機者の希望とは、些かズレがある
様ですね。