kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

衝撃的なアクシデント

2011-05-22 | 陸上競技
土曜日、練習開始をしてバトンまでは全く問題なく消火できました。これまでになくバトンがスムーズに渡る感じがありました。何とか戦えるなという手応えを感じていました。

少し時間をおいて専門練習へ。バックストレートに強いと向風が吹いていました。それでもしっかりと走っておく必要があります。前日にこの日の練習がかなり大切になると話していました。ハードルはなかなか走りづらいと思いますが流れを作っておかなければいけませんから。

最初に短長。250m+α。条件の割にはまずまずのタイムで走ってきました。ここ数日間総体を前に動きが良くなっているのを感じていました。最低ラインはクリアです。
続いて400mH組。最初に男子が1人でスタート。向風が吹くので歩数の調整が難しくなります。それでも8台目まで15歩で走ってきました。着地後に視線があちこちにずれてしまうのできちんと次のハードルを見ておくように指示。視線の持って行き方はかなり大切だと思います。そのまま短いレストの後120m。疲れてくると腕を抱え込みますからそこだけ指示。走り終わって次の女子のためにハードルの高さを下げるように選手に指示を出しました。

が、次の組がなかなかスタートしません。おかしいなと思っているとフィニッシュ付近に短長と400mH組が集まっています。近づいてみると先程走った者が座り込んでいます。フィニッシュ後につまづいて転倒したようです。左腕が変形をしていました。明らかに普通の状態ではありません。一瞬頭が真っ白になり、何が起きたか把握できませんでした。確認すると止まるときにスパイクのピンが地面に引っ掛かって転倒したということでした。痛いと言っていましたが本人は冷静でした。痛みを感じないくらいの状態だったのだと思います。

すぐに近くの総合病院の救急へ。なかなか診察してもらえません。診察してもらえたのですが明らかな変形があるにも関わらず「手を動かしてみて」「痛いの?」と聞かれていました。本人よりもこちらがイライラしました。この状態でレントゲンを撮らない理由が分かりません。リアルすぎて書けませんが素人の私が見ても一目瞭然の状態でしたから。

レントゲン撮影の結果前腕部の骨折でした。2本ある大きな骨が2本とも折れてずれていました。最初は何とか総体に出て6位を確保しようという話でしたがそれどころではなくなりました。すぐに入院、手術となりました。あまりの衝撃に呆然としてしまいました。このような形でインターハイへのチャレンジが終わってしまうとは…。本人の気持ちを考えると何と声をかけていいのか分からない状態でした。話をしている時は本人はまだあまり実感がわいていないようでした。
不器用ですが純粋に競技に取り組む事ができる選手です。今年に入ってからは110mHと400mHの2種目にチャレンジしていました。まだ荒削りながら400mHで56秒台に入り54、55秒台が視野に入ってきているところでした。それがこのような形で…。悔しい、苦しい。どんな言葉も本人の気持ちを表現することはできないと思います。一生懸命やってきたからこそ込み上げてくる感情があると思います。

戦えないのではない。勝負する舞台に立つことが出来なかったのです。戦って負けたのであれば納得できる部分があるかもしれませんが消化できないもどかしさが残ると思います。保護者とは色々と話をしました。これから1年後に向けてしっかりと取り組んでいこうと。保護者もショックを感じておられると思います。それでも冷静に対応して頂きました。

出来るだけ感情を込めずに淡々と事実を書いたつもりです。もちろん感情移入している部分はあります。本人の気持ちを考えるとやり切れません。だからこそ総体に出場出来る者は想いを感じて戦わないといけません。冷静に熱くなるのです。冷静さを失って何かをしても結果は悪くなるばかりです。自分の役割と責任を忘れずに全力で戦うことがこの子の想いを背負って走ることにつながるのです。

この内容、うちの選手に見て欲しいと思います。話はしました。もう一度、blogを見て何が起きているのかを感じ取ってもらいたいと。相応しくない内容なのかもしれません。本人・保護者の気持ちを考えると公開しないほうが良いかもしれないと感じています。しかし、前に進みたいと思います。チームとして仲間として「想い」を感じ取れる人間になって欲しい。強く思います。

私はかなり飲みましたが全く酔いませんでした。行き場のない「想い」を心に刻んでおきたいと思います。
コメント
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