kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

役割

2019-02-05 | 陸上競技
思うことを。

若い指導者が練習に来てくれました。ここに大きな意味があると思っています。県内の指導者の育成というのはこれから先の大きな課題だと思っています。別に私のような「趣味で陸上競技について考えてる人間」があれこれ言う話ではないのですが。少し話がそれますが今は何かをすればネット上でたたかれる時代です。過剰なまでに。一言でも「気に入らない」と感じたら必要以上に叩きます。それで誰かが幸せになるのか。「時代だから」で済まされるのか。逆に心配です。こうやってblogで何かを書くというのは不特定多数の目につきます。それにより気分を害される人も存在する。私自身も考えながら書きたい。それでも炎上する日は来るのでしょうが。

10年以上前、私は縁あって師匠と一緒に練習をさせてもらいました。当時、師匠は恩師から「後世を育てる必要性」について言われていたと話されていました。そのタイミングで出会えてしつこく聞き続けた。ある程度指導できると思い込んでいた時代でした。20代後半から30代前半。勘違い甚だしいレベルですね。今考えると恥ずかしくて人前に立てないくらいのレベルでした。それでも「競技について」考えることを続けていました。

若いころは現役時代の感覚があります。「自分が指導しているから選手が強くなった」という思い込みもあったと思います。これは比較対象がありませんから難しい部分もありますが、実際「きちんと指導できる指導者」のもとで当時の選手が指導を受けていたらもっと強くなっていたと思います。今考える・・・。それでも若いころは「勢い」で自分の指導をします。尋常ではない練習量だったり、合理的ではない練習であったり。細かい精度に欠ける練習であったり。自省する時間もなかったと思います。「自分の指導スタイルは正しい」と思い込む。そんな時代でした。

が、本当にそれでいいのか。選手に恵まれて結果を出していたら10人のうち1人だけが強いという感じになってしまう。その選手が強いからチームが保たれているだけであって実際はそうでもない。選手がいなくなったら走りもめちゃくちゃなチームになってします。「狙い」がある練習ができるのかどうかというのは大きな問題だと思います。うちは今の3年生が強かった。しかし、時間をかけて走りを作ってきました。普通の選手がそれなりに走れるようになる。走りのフォームが大きく変わってくる。これは「指導者の影響」だと思います。

今、私がやるべきは何か。目の前の選手を育てることは必須だと思います。しかし、若い指導者に対して何かしらのアプローチをすることも必要だと思います。師匠が我々を育ててくれたように若い指導者に刺激を与えていく必要があると思っています。もちろん、強制するものではないと思っています。「自分は指導ができる」と思っている若い指導者がいるのであればそれはそれでいいんじゃないかと。しかし、「もっと何かを学びたい」と思う若い指導者がいるのであればやはり何かするべきだと思います。それが私の今の役割だと。

技術的な話をして盛り上がるというのはなかなかありません。表面的な動きについてではなく「根本的な話」を突き詰めて話せるかどうか。電話で師匠と「スタブロの前足について」の話をしました。この一点だけで30分以上話せる。スタートの一歩目について、重心移動について、方向性について。この手の話を真剣にできるというのは本当に幸せな時間です。周りから見たら「なんだ?」と思われるかもしれませんが。「スプリント理論」というものが存在するかどうかわかりません。今は目の前で起きている現象に対してどうアプローチするのかです。選手の動きをどう効率よく変えていくか。無駄なエネルギーを使わずに走れるようになるのか。

まー我々の生き方自体がかなり「エネルギーの浪費」の部分があります(笑)。もっと効率よく生活できるだろうと思う部分。だからこそスプリントに関しては「無駄なエネルギーを使いたくない」という話になるのかもしれませんね。

結局は「必要としているかどうか」だと思います。現状に満足しているのかどうか。1度だけののIH出場は可能だと思います。しかし、タイプが全く異なる選手が同じように走れるようになっていくというのとは全く違う。そこには理由があると思っています。良い選手を預かっても成長を促せないパターンもあります。それは勿体ないと思う。選手の責任というよりは「指導者が学ぶ必要があるのではないか」と思っています。預かった選手に対して最大限のことをやっているかどうか。そこは指導者自身の資質かもしれません。

今回、こうやって県内の若い指導者が来てくれました。本当にありがたいですね。県外から何人か来てくれていましたが県内からというのはレア。来るのは棒高跳びの指導者くらいでしたから。うちの練習に多少なりと興味を持ってくれる。そこから何か「ヒント」を得ることができればプラスだと思います。やっていることの意味を細かく説明します。それに対して興味を持たない指導者もいるでしょう。しかし、何がキッカケになるのかわからない世の中。そうであれば見聞を広めるというのは必須だと思います。

もちろん、それは私自身の価値観であって正解かどうかは分からない。指導するにあたって何が必要なのか考えたら「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」だと思います。プラスになるかもしれない。そう思って一緒に練習をするというのは大きい。私は県外に行く時には「ここに行きたい!」と思った所に行くようにしています。コスパの問題です(笑)。行ったら元を取るために必死に聞く。近いとまた聞けば良いやと思って先延ばしにしますが、遠方だと次はないかもしれません。だとすればその一回を大切にします。

「〜セミナー」があったとする。これが「無料」だったら「まー聞いておくか」くらいの軽い気持ちで終わります。だから聞き逃すことも出てくる。しかし、同じ内容でも「1回2万円」で自己負担となると必死になります(笑)。これと同じかもしれません。近くであれば時間とタイミングが合えば何度でも聞けば良い。見れば良い。そこから分かってくることが出てくるので。

私は利用してもらえればと思います。それなりに陸上競技に関しては勉強しました。様々な場所に行って多くのことを見聞きしてきました。その中で何が必要かを選択しています。他校で学んだ事から自分なりの練習を組み立てるようになりました。補強などは他校で実践されている内容が多く取り入れられています。が、練習自体の組み立てに関してはほぼオリジナルではないかと思っています。マニア受けする練習(笑)。

kbi先生から言われていた「なぜその練習をするのか」に関しても全ての種目で説明できます。意味のない練習はしたくない。そして自分自身が必要だと考えて組み立てた練習なので「とりあえずやっておくか」というメニューは存在しないのです。そこに対するこだわりを持って練習できるかどうか。こういう部分も見てもらいたと思っています。絶対的な練習というのは存在しない。それでも信じた練習を意味を考えながらやるというのは必須だと思います。

私に何ができるか。ここは分かりません。それでも若い指導者に対して何か提供できればとは思います。それほど敷居が高いとも思っていません。中学でも高校でも必要があれば情報は提供します。どれだけ熱意を持ってやっているか。強くなる選手は正直放っておいても速くなります。普通の選手を育てるためにどうするのか。特に女子は中学時代のベストを高校で更新できないというパターンが数多く存在します。そこに対して我々が何をするか。役割を果たすという感覚を持ち続けたい。

まとまりがありませんが。思うことを記しておく。飾る必要はないと思っています。自分が正しいかどうかではなく考えと信念を持ってやっているか。まだまだ私自身学ばなければいけないと思います。役割を果たすためにも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合同練習をする

2019-02-05 | 陸上競技
月曜日。前日の雨がかなり酷かったのでグランド状況は劣悪。土曜日に一緒に練習したいという依頼があったのでこの日に。月曜日は7時間授業なので練習開始が17時前になります。市外から移動して来てもらうので丁度いいタイミングとなります。可能な限りグランドで走りたいと思っていました。時々グランド状態を見に行きながら。かなり気温が上がっていたので乾いてきてはいました。朝の段階で水たまりがかなりありました。昼くらいにはなくなり夕方には何とかグランドで走れる状況になる。若干ゆるいですが走れる環境にあるというだけでも大きな意味があると思います。

思った以上に早く到着してくれたので練習が予定通り実施できました。今回はnd学園のtnk先生が選手と連れてきてくれました。うちとしては人数が少ないので一人でも練習に来てくれるとありがたいと思います。それが大きな刺激になります。少人数故かなり練習効率が悪くなるところも出てきます。元気も違ってくる。こうやって「一緒に練習をしてくれる」ということにうちの選手がどれだけ感謝しているのか。ここも考えてもらいたいと思いますね。

練習の課題は「加速段階から中間へのつなぎ」でした。若い指導者が「どうしたらいいのか」と言われたらこちらもそれに合わせます。実際に練習に参加してもらいさらに見てもらうことで少しでも何かを感じてもらえたらと思います。隠す部分はないので全てオープン。まー特別な練習は一切やっていないので面白くはないかもしれませんが。通常と少し変えて実施。といっても「補強が少なくなる」という部分以外はほぼ同じなのですが。

バランス系から始めてDM∞。バランス系は普段からやっていると全く違います。身体のコントロールができるようになるかどうか。自分の身体のポジションがどうなっているのか。ここを常に考えてもらいたい。慣れだと思います。倒立系も実施。軸を作る、身体をうまく使うという練習。少しだけ補強ということでDM投げを少し。通常よりも回数を少なくしておきました。ここに時間をとるために来てもらったわけではないので。

動きの確認は少しだけ。その場縄跳びと台ドロップ、縄跳び走を予定していました。思ったよりも早く進む気がしたのでハードルドリルを少しだけ。OSHを。最近略すのにハマっています(笑)。ワンステップハードルです(笑)。メニュー表を作成する際にスペースがなくなってきたので頭文字だけをとっています。練習メニュー表だけをみると意味の分からない記号の羅列のようになっています。自分たちが分かればいいのでそれで十分対応できます。思った以上にOSHができない。これも段階を追ってやっていたのですが。慣れもあると思いますが「ポイントを理解しているかどうか」というのも大きいと思いますね。初めてやる種目は難しい。

そのままスピードスキップとスピードシザースを。これはポイントになる部分を説明しながら。やっているうちに前に進むようになる動きではあります。それでもどのような順番でやっているのか、その意味はどこにあるのかを説明しました。適当に組み合わせているように思われがちですが結構気を使っています。どのような順番でどのような位置づけてその練習をしているのか。

練習の最初の段階で「直線的な脚運び」を意識しています。ドリル的な動きというよりは「アップの代わり」という感じでしょうか。そこに意味がある。そこで作った動きがそれ以降の練習に繋がっていくからです。スキップをしてもシザースをしても前に運ぶときに「円運動」をしてしまう。現象としては絶対に円運動になるのですがそれを意識しているのか、結果的にそうなるのかの違い。意識的に「回転運動」をさせるのは絶対に避けたい。だからこそ練習の最初の段階で脚運びをやっています。台ドロップも同じ。意図があって組み込んでいます。

そのまま先週に引き続き「加速段階」の練習を「重心移動」と「脚運び」に分類してAとBの組み合わせ。何が必要かをそれぞれが分かっていないといけません。これを5回繰り返そうと思っていましたが時間的に無理(笑)。当然です(笑)。「中間へのつなぎ」がうまくいかないといっていた理由は明確でした。そこの部分は参加してくれた選手全員に共通していたので明らかだと思います。どうすればそこを改善できるのか。いくつかの方法があります。うちの練習は「やりたいこと」があってそこに対してどのようにアプローチしていくのかを重視しています。1つだけではなく複数の方法で対応する。この形で練習をしていたことで「課題を浮き彫りにしやすい」というのがあるかもしれません。

見ながらどのような意識で練習をしているのか、組み立てているのか、課題とする動きを改善するためにどうするのか。この手の話をしながら。お客さんが来てくれているので一応最大限のことを。個別に選手にも話をしました。どうすることが必要なのかも含めて。感覚の変化を重視しています。なんとなくやるのではなく「明確な狙い」を持って練習をしたい。どうすればそこに立取り付くのかを含めて。30分くらいはかかったのではないかと思います。メインとしていたので十分だと思います。

最後にBDMSを。加速段階だけの練習ではなく中間での動きもしておきたい。身体の前側で動かす感覚です。これも最近心掛けていること。部分的に特化した練習をしないようにしています。加速段階だけの練習をしても結果的に走りに繋がらないことがある。トータルバランスでどうするのかは重要だと思います。加速段階だけではなく中間の動きもして「走り」としてどうするのかを考える。必要なことだと思っています。

満足してもらえたかどうかは分かりませんが。2時間という限られた時間の中で多少なりの変化はありました。目に見える変化も幾つか。意図を理解してそれがどのように定着してくれるかという部分ですね。機会があればまた来てくださいと伝えています。社交辞令ではなく(笑)。

もう少し思うことがあります。これは別に。長くなるので。一緒に練習をしてくれたことに感謝したいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする