こんにちは。19期の遠藤孔仁です。
暑い日が続いていたと思ったら、急に寒くなりました。想定を超えた寒さとなり、体調を崩さないようにしないといけないですね。
皆さまも体調を崩さないようお気を付けください。
さて、先日ある集まりで会話しているときに、記号接地について話題があがりました。記号接地問題とは、記号(言葉やシンボル)が具体的な対象や経験とどのように結びつくかという問題です。この問題は、人工知能(AI)の研究において長い間議論されてきました。AIが扱うものは、一見人間の言語を理解しているように見えますが、実際には記号を扱っているだけで、記号自体の意味を理解しているわけではないのです。言葉の意味を体験や感覚に結びつけることなく、記号を記号として扱っているだけなのです。
この話は、AIという文脈の話だけれども、自分たちの周りにも同じように、言葉として掲げ得られているけど、言葉が意味していることと自分の感覚知が一致しないケースがあると思います。先日の会話で、自社の行動指針の一つの言葉について、頭では理解していたけれど、自分の感覚知として理解できていなかったものが、ある出来事を通じて急に腹にストンと落ちたというエピソードを話して、それって記号接地じゃないという話で盛り上がりました。
このような会話を振り返ると、企業のミッション・ビジョン・バリュー(MBV)も、単なる言葉として終わってしまうことが多いのではないかと思うのです。MBVが社員にとって腹落ちし、実際の行動に結びつくためには、これを具体的な体験や価値観と結びつけることが重要です。例えば、「顧客第一」というミッションがある企業では、これを社員が具体的に理解し、日々の業務で体現することが求められます。これが記号接地のプロセスであり、社員が言葉の意味の体験を通じて理解することなのかなと考えました。
文書で社内に向けて発信することは重要であるが、それに加えて、言葉をいかに自分の感覚と一致させるか、そのような体験を積み重ねて、MBVを自分たちのMBVとして共有することが大事なのではないかと感じています。
プレゼンでも、相手に接地させるというイメージで言葉を選ぶと、理解度が高まりそうな気がします。
自分も所属する会社のMBVの理解はしているものの、自分の感覚知として理解できていないと感じます。これは記号接地問題だったのだと腑に落ちました。