あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

シュエ・シャオルー監督の「海洋天堂」をみて

2016-03-28 13:00:23 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.996


成人した自閉症児とその父親の苦闘を描く2011年製作の香港・中国映画。うちは妻が健在だから助かっているが、この映画の主人公は妻に死なれ、自分も癌に侵されて余命いくばくもない。

にも関わらず父亡きあとの子の将来を少しでも明るいものにしようと全力を尽くす姿に深く胸を衝かれた。

自閉症に限らず子に障ぐあい者を持つ親は、自分亡きあとの子を誰に安心してゆだねることができるかと日夜頭を悩ますのだが、この映画のような好意的な見守りがいつまでも周囲にあれば死んだ親も浮かばれるというものだ。

我が国ではそういう課題に対応するための「成年後見制度」というものがあるのだが、こいつを悪用してなけなしの遺産を盗み取る悪徳後見人が跡を絶たない。よしんば委託した後見人が悪者であると分かってもいったん契約を解除できない悪しき現行制度を一日も早く改正すべきである。


 オーケストラが唄い出すまで喉を枯らして歌いまくるブルーノ・ワルター 蝶人
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