あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第42回

2017-01-03 11:20:27 | Weblog


西暦2016年師走蝶人狂言畸語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 247


Stingって、どの曲を聴いても基本的にみな同じだな。The Rolling Stonesでも同じような既聴感に襲われる。ロック音楽のクリシェも、演歌のそれに迫っているということだろう。
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1966年ごろに当時の構造改革派が「欲望の開発」路線を唱えたので、私は関心と違和を感じた。その頃までの学生(大衆)は、欲望を恣にすることに対してある種の禁忌を懐いていたのではなかろうか。12/1

欲望の大きさは、人によって、また環境や時代の風潮によって異なる。しかしそれをむやみに内部に抑圧縮小するのと同様、夜郎自大に外部に向かって開発拡大することが、人間にとって善であり正しいと断言することはできない。12/2

「カジノ法案」って何? こんな愚劣な法律をやすやすと強行採決する政権って何? 
いまやこの国ではどんな法案でも内容抜きに通ってしまうのではないか。そんな非常事態にも黙して安倍蚤糞を支持している民衆って糞?12/3

「文春砲」とは大げさだが、この1週刊誌が次々にスキャンダルを暴露して世間に大きなインパクトを与えたことは間違いない。ライバルの「週刊新潮」「週刊現代」「週刊ポスト」はいったい何をしているのか。12/3

なるほどオバマの広島訪問と安倍蚤糞の真珠湾訪問はセット販売だったのか。おそらくトランプとはもはやこういう取引は出来なくなるだろう。12/6

元KGBのプーチンが、どのように卑劣な手段を弄してロシア帝国の独裁者に成りあがったかを知らなければ、この専制君主国の動向について見誤ることになるだろう。12/7

安倍蚤糞に続いて孫なんとかいう商売人が、両手もみもみトランプに胡麻スリに行く姿は醜い。日本人から巻きあげた金で米国人に仕事を与える前に、もっと日本人に利益を還元したらどうなんだ。12/8

当たり前のことであるが、どんな熟練の日本人奏者も、ベルリンやフィルではドイツ語を、スカラ座ではイタリア語、パリ管ではフランス語をちゃんと聴きとり、喋ることが必要とされる。12/9

判決文を書くのが裁判官で判決理由を書くのがその下っぱ、小説を書くのが小説家でその解釈を書くのが批評家、キャッチフレーズを書くのがコピーライターで、ボディコピーを書くのが文案作成者。おのずと軽重の差というものがある。12/10

ベルリン・フィルの次期首席指揮者のキリル・ペトレンコが、手兵のバイエルン国立管を率いてRシュトラウスの「家庭交響曲」を演奏した最新のビデオをみた。音楽の本質を徹底的に追求しようというその真摯な姿勢は、どこかカルロス・クライバーに似ていて、彼らが彼を選んだ理由が分かったような気がした。12/11

トランプのスタッフ指名の出鱈目ぶりを見物していると、政治や歴史というものの本質が何でもありの三文芝居ではないかという気がしてくる。12/12

「シ」と「ド」の中間にも音が存在する。私はそれを「微分音」と名付けて、新しいゆらぎの音楽を作ろうと思った。白岩優拓12/13

シリアの反政府軍の拠点アレッポが陥落した朝、私は葡萄パンとリンゴを食べ、コーヒーを飲んでいた。どうやら歴史は私とは無関係に進行しているようだ。12/14

「この歌はいったいどういう意味?」と尋ねられたら、歌人は答えようと思えば答えることができなくてはならない。12/15

共同経済活動でお茶を濁しているものの肝心の領土問題ではなんら進展なし。経費削減でお茶を濁しているものの、結局五輪会場ではなんら進展なし。ま、世の中そんなもの。12/17

私たちは唄いたくなれば歌を唄う。唄いたくなければ歌わないが、しかし唄わない時もじつは唄っているのである。12/18

柴崎の怒涛の2発に痛く感動。この国の政治も経済もメチャクチャだが、サッカーだけは別だ。12/19

バイトや派遣を転々としながら、28歳で短歌に出会った。短歌で食えるわかでもなく、短歌で出会った嫁に家賃を払ってもらいつつなんとか食いつないでいる。結婚していると時々「子どもは?」と聞かれる。斎藤斉藤「人の道死ぬと町」12/20

「まだです」、「いやあ、お金が」で話題は終わらせられるのだけれど、ときどき妙に食い下がってくるのは、決まってひとつ上の世代だ。
  子どもなんて産んでしまえばなんとかするものでしょうか言っちゃえる世代
 斎藤斉藤「人の道死ぬと町」

「月収が14万なんですよ」と言ったら、黙られた。黙るなよ。黙るなら、粘るなよ。でもたしかに、本気で子どもがほしければどうにかなんとかするのかもしれない。短歌をやめて、朝から晩までがむしゃらに働き、わたしの時間を売ったお金を1人娘につぎ込んでも大学の費用はだせないだろう。斎藤斉藤「人の道死ぬと町」

そうして育てたわたしの娘がわたしより出来が悪かったら、わたしは娘を憎んでしまうかもしれない。わたしが死んでしまえばわたくしの心の父(になることがなかった私は人としての責任を果たすことなく死んでしまうのだろうかとおもう気持ち)はどうなるのだろう。斎藤斉藤「人の道死ぬと町」

篠山紀信はスタジオで立派な肖像写真をあっというまに撮影してしまうが、蜷川実花は背景にお飾りをもってこないとまともに撮影できないようだ。「アエラ」の表紙写真を見ての感想。12/21

やまゆり園のイカレポンチの元職員が障がい者を殺傷したお蔭で、私の息子が通所しホームステイしている施設の職員さんの、それでなくても少なかった求職がぱったりとまり、新規採用はもちろん、補充すらままならない状態に陥ってしまった。糞ったれ。12/22

朝日新聞夕刊に連載されていた綿矢りさの「私をくいとめて」という小説がやっと終わった。馬鹿げたタイトルだと思ったが、内容もまるで中学生の悪戯書きのような他愛のないもの。毎回全紙を使って、どうしてこんな下らないものを載せるのか理解できない。12/23

月並みな生活を送り迎えしている凡人も、その月並みと平凡に徹し切れば、稀に非凡な一首をものすることもあるのであるのである。12/25

詩や俳句や短歌の世界の内部に甲羅を巡らせて閉じこもるのではなく、この暗鬱な世界と立ち向かい、生き延びる、したたかで、しなやかな道具として、それらを活用してみたいのです。12/27

それほど「慰霊」したいなら、まずはかつて侵略した東アジアからだろう。トランプ時代の到来を前に対米「同盟」関係を徹底的に見直し、対アジア、対西欧、対ロシアとの平和条約締結を含めた等距離外交関係を樹立するのが先決である。12/28

「和解」や「不戦」や「寛容」の精神などの美辞麗句をいくら連ねても、ご主人様への安倍蚤糞隷従の度が深まるだけの話だ。12/29

今年はわりあい元気だったのだが、年の瀬になって1年の疲れが出てしまったようで、風邪のために一日中寝ていた。12/30


  3月の「魔笛」公演を予約したので3月までは死なないつもり 蝶人

コメント
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