照る日曇る日 第924回
作者が交通事故に遭う4年前に主婦と生活社の漫画雑誌に連載された13歳の少女の精神的漂流記で、映画やテレビにすれば素晴らしく面白い物語になると思う。
まあ今更ながら家族とか家庭というものはこの1990年代から崩壊しはじめていたこと、ガールの時代が雄々しく始まっていたことが、4半世紀の今日になって改めて確認できる記念碑的な作品である。
いつものことながら岡崎の作品では漫画の背骨に当たる時代精神の新しさや勁さに打たれるが、肝心の絵のデッサンや細部の詰めがいささか甘いので物足りなさを覚える。
この世の中に奇跡というものがあるならば、それが彼女と旧友孝壽聡の上に訪れて、また新作と出会える日がくることを切に願う。
またしてもヤオフクの入札に敗れてしまったくやしいグヤジイ 蝶人