音楽千夜一夜第389回
偉大なる指揮者がストラビンスキーやクルトワイルやヒンデミットを新旧2つのフィルハーモニア管弦楽団を振って今は亡きEMIに収録した4枚組のクラシックな現代音楽物CDである。
クレンペラーもフルトヴェングラーと同様彼と同時代の音楽を演奏したけれど、現代の若手指揮者は一部を除いて消極的。そういう意味では昔よりよほど保守的になっているようだ。
このセットでは、自作の交響曲や弦楽四重奏曲も聴くことができるが、フルヴェンと同様誰かの作品の剽窃のようで、意外にも強烈な個性が感じられず、やっぱり天性の指揮者だったんだなあと思わせられてしまう。
4枚目は、彼の生涯と作品を振りかえるインタビューを交えたドキュメンタリーで、クレンペラーファンなら泣いて喜ぶだろう。
御威光を損得で忖度する平目ども現われいでて首領に媚びる 蝶人