あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2020年霜月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2020-12-01 11:47:08 | Weblog

ある晴れた日に第628回


「自分では逃げたつもりで感染してる」「新型コロナの怖いところだ」
「皆さまに5つの小を守って頂きます」「ほんとは6つだろ小池の小を入れて」
「引越は人力引越社で決まりやね」「ネーミングが最高やなあ」
「国民のために働くというとるね」「自民のための間違いだろうよ」
「君なんで両手にパンを持ってるの」「1枚3円の袋が惜しい」
「なにゆえにどの電車も満員なのか」「コロナはもう終わったのか」
「なんでまた朝晩満員電車なの?」「コロナなんてもう終わったのよ」
「感染などなかったことにしてたんだ」「だから東京で強盗続ける」
「国が出す金で旅行し飯を喰う」「どこか間違っているのではないか?」
「死亡率が外国よりも低いから政府はたかをくくってるんだ」
パスタ屋でパスタを食べただけなのに従業員を採点せよと迫られている
高田屋はマイルスのペットをBGMに天ぷらそばを供すなり
口全部マスクでぴったり覆えいなさいと中止されたり能楽堂で
急速に衰えるという75を通り過ぎ本日我76になりたり
一六のかの日も感慨なかりしが七六とても感慨なかりき
時事詠は豆腐のように腐りたりそれでもめげずに詠もうとするが
お金ではお茶を売らない自販機をはじめて見たり千駄ヶ谷にて
なにゆえに両手にパンを持っている1枚2円のレジ袋が惜しい
世界中を征服したるコロナ菌に学ばぬ国と学ぶ国あり
家庭科の授業で学んだはずだけど取れたボタンを取りつけられない
考えてみればボタンの一つも付けられない哀れな老人である私は
旅行より命が大事強盗キャンペーンを即中止せよ
あれからもずっと言い続けてきたのかよ「君の瞳に乾杯!」なんて
業績とは無関係に公的マネーが株価を押し上げる異様な経済 
300万を40億にしたという憎たらしいやらうらやましいやら
感染の危険がなおもあるなかを観光旅行に出る人の勇
満天の豊旗雲に夕陽差し今日一日が無事に過ぎゆく
今頃はどこでどうしているのだろう空港でピアノを弾いていた人
「人間の後の天下は俺たちだ」さも言いたげにハシブトカラス
最近のハシブトカラスは生意気だ「人間の後は俺たちだ」と鳴く
天空の世界遺産マチュピチュの映像見つつ抜かれる臼歯
真っ白なサントリニーニ島の映像が流れる歯科で大臼歯を抜かれる
障害の子さえなければ我と妻いつ死んだとて構いはせぬが 
もう二度と会うことはないと知るゆえに長くて熱い我らの握手


  親よりも気高い魂を持っている自閉症なれど我らの息子は 蝶人
コメント
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