照る日曇る日第1513回
新約聖書の最後にこの黙示録が置かれているのは何か理由があるのだろうか?
ともかくヨハネが実際に見たという恐ろしい地獄のような光景が次から次にかなり写実的に書き連ねてあるのでぞっとする。
小羊が7つの封印を解き放つごとにイスラエルの12部族以外の民草が殺されたり、海や山がひっくり返ったり太陽や月に異変が起こるので恐ろしい。
例えば、第7の封印が解かれ第5の天使がラッパを吹くとヘブライ語でアバドン、ギリシア語でアポリオンという名のばったが登場する。
そいつは馬の姿をしており、さそりのような尾と針と毒を持ち、頭には金の冠、顔は人間で獅子の歯で5か月の間人間に災いをなすのだという。
旧約聖書には何度かばったが出現して悪さをするが、この武装したばったは最悪最凶だ。勘弁してほしい。
また第7のラッパが鳴り響くと、「太陽を身にまとい、月を足の下にし、頭には12の星の冠をかぶった妊婦」と「7つの頭と10本の角を持ち頭には7つの王冠をかぶった巨大な赤い龍」が出現し、凶暴な龍は天上で戦いを挑んだミカエルと天使たちを打ち負かす。
さらに海から「10本の角と7つの頭、熊のような足と獅子の口を持つ豹に似た獣」が上がってきたので、全地は驚いてこの獣に服従するのである。
ともかくこの黙示録は、聖なる書物というよりは、あらゆるホラーと怪獣映画のエッセンスのような天地創造ならぬ天地大破壊のスペクタクルなので、ここで書かれているすべてを精確に映像化してもらいたいものである。
さて本日をもって新訳旧約聖書の全篇を読了したわけだが、その内容が終末に近い私の人世航路の帰趨に決定的な影響を及ぼすことはない、と改めて確認することができたのは、喜ぶべきか悲しむべきか。
銀髪のリズ・テーラーに変身し美容院から帰還せし妻 蝶人