あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2020年師走蝶人映画劇場その6

2020-12-29 11:12:03 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2443~52

1)柳町光男監督の「十九歳の地図」
中上健次の原作を1979年に映画化。公園で立ち小便する沖山秀子の存在感が圧倒的。今ではこんなショットを誰一人撮らないし撮れないだろう。
2)前田陽一監督の「神様のくれた赤ん坊」
1979年の喜劇邦画。渡瀬恒彦、桃井かおりが赤ん坊ならぬ少年を預けられその引き取り先を探しまわるロードムービでもあるが、あまり面白くないうえに桃井かおりがひっきりなしに煙草を吸うのが気になる。
3)小津安二郎監督の「大人の見る絵本 生まれてはみたけれど」
1932年の無声映画。上役に忖度する父親とその上下関係が逆転している彼らの子どもたちの世界の対比が面白くて物悲しい。
4)柳町光男監督の「さらば愛しき大地」
1982年のどうしようもない男と女の傑作。根津甚八と秋吉久美子が素晴らしい!
5)黒澤明監督の「まあだだよ」
作家内田百間の随筆と生涯に材を得た黒澤の1993年の遺作。ノラが行方不明になって泣き崩れるあたりは松村達雄の演技もいいが、教え子相手に面白くもない冗句を連発するのはしらける。
6)福田清一監督の「二等兵物語」
伴惇、アチャコの二等兵コンビが巻き起こす涙と笑いの軍隊物語。私はこの映画を1955年の公開当時にみているのだが、アチャコが柱に攀じ登って蝉鳴きを強いられるところと便所に匿われた少年が文字通りくさい飯を食うところを覚えていたので驚いた。
7)佐藤純彌監督の「桜田門外ノ変」
吉村昭の原作を2010年に映画化。桜田門外の襲撃とその後の志士たちの動向は生々しく描かれている。されど時系列をバラバラにするのは良くないずら。
8)大林宣彦監督の「ねらわれた学園」
眉村卓の原作を薬師丸ひろ子主演で映画化した1981年のアイドル・ホラー。敵役の長谷川眞砂美が怖い。
9)大林宣彦監督の「転校生」
山中恒の原作を1982年に映画化したものを2007年に再度リメイク。男女が入れ換わるが耕君が大好きな連佛美沙子を死なせてしまわなくても良かったのでは。
10)大林宣彦監督の「時をかける少女」
筒井康隆の原作を1983年に原田知世の初主演で映画化。初めは学生のアマチュア映画見たいで心配になるが、だんだん引き込まれていく。ヒロインが可愛い。上原謙と入江たか子、若菜親子も出演している。


「イージスを新たに二隻つくるそうだ」「それって平和に役立つのかしら」 蝶人
コメント
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