あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

松浦理英子著「ヒカリ文集」を読んで

2022-05-11 11:12:29 | Weblog

照る日曇る日第1742回

 

さながら「マノン・レスコー」のヒロインのような魅女、ヒカリを巡って、元劇団員たちが書き綴る思い出草ずら。

 

確かにこのように誘蛾灯に誘われる蛾のように、皆から愛される超絶的な磁力を備えた女性だったことは分かるし、分からせるために、作者が周到に張り巡らせた伏線や、構成の巧みさは、理解できる。

 

もちろん読んで面白い小説ではあるが、どうしても読んでいる最中にも、太宰がいう「トカトントン」的な、ある種の虚しさ、が残る。

 

しゃあけんど、なんで苦労してこんな小説を書くのだろう?

 

  • 生計のため。
  • 自分自身の芸術的必然性のため。
  • 読者へのサービスのため。
  • その他。

 

1番なら1番よく分かるんだけど。

 

 トカトントン トカトカトントン トカトントン 朝から晩まで トカトントン 蝶人

 

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