照る日曇る日第1742回
さながら「マノン・レスコー」のヒロインのような魅女、ヒカリを巡って、元劇団員たちが書き綴る思い出草ずら。
確かにこのように誘蛾灯に誘われる蛾のように、皆から愛される超絶的な磁力を備えた女性だったことは分かるし、分からせるために、作者が周到に張り巡らせた伏線や、構成の巧みさは、理解できる。
もちろん読んで面白い小説ではあるが、どうしても読んでいる最中にも、太宰がいう「トカトントン」的な、ある種の虚しさ、が残る。
しゃあけんど、なんで苦労してこんな小説を書くのだろう?
- 生計のため。
- 自分自身の芸術的必然性のため。
- 読者へのサービスのため。
- その他。
1番なら1番よく分かるんだけど。
トカトントン トカトカトントン トカトントン 朝から晩まで トカトントン 蝶人