あまでうす日記

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ドストエフスキー作・江川卓訳「地下室の手記」を読んで

2022-05-17 11:08:29 | Weblog

照る日曇る日第1744回

 

あの「ドストエフスキー伝」をあらわしたアンドレ・ジッドが、「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と高く評価した重要作品らしいが、晦渋にして暗鬱、読んでいて面白くもおかしくもない内面精神世界暴露追及の極私小説である。

 

これ以前の彼の小説が、安っぽい人情小説とは思わないが、この自虐的な内省を経ずして「罪と罰」以降の深刻な大思想小説が生まれなかっと考えれば、それなりの価値と意義がある作品なのには違いない。

 

      自らは血を汚さない戦ゆえ尤もらしく云々している 蝶人

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