あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

鎌倉文学館で「鎌倉時代黎明」展をみて

2022-05-24 09:42:20 | Weblog

蝶人物見遊山記第344回&鎌倉ちょっと不思議な物語第431回

 

「文学で読むはじめてのはじまり」と題して、「平家物語」「吾妻鏡」などの擬古典から坪内逍遥、太宰治、永井路子など鎌倉時代に因んだ、というより「鎌倉殿の13人」に便乗したあれやこれやの文芸的題材を、鋭い問題意識もフォーカスもなく、アトランダムに放り出したテッテ的に無意味で、無内容な展示である。

 

どうもこの文学館は、館長の偏向した脳味噌の意向を反映してか、保守的で閉鎖的で詰まらない企画が多い。文学館というても純文芸ばっかりやる必要はないのであって、例えば前橋の萩原朔美館長などをお手本に、もっと自由で、多種多様で、異種横断型で、創造性に富む企画を打ち出して、時代閉塞の現状を超克してもらいたいものだ。

 

毎年お楽しみの初夏の薔薇園も大風の打撃をいささか蒙り、ちょっと盛りを過ぎていて、がっかりの長谷探訪の一日でした。なお退屈な本展は来る7月3日までずるずる開催ちう。

 

「ちょっと来い、ちょっと来い」と呼ぶコジュケイ君の方こそこっちへ来いよ 蝶人

 

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