音楽千夜一夜 第495回
おらっちはフルベンとかクライバー、チェリビダッケ、ミュンシュ、ベーム、クレンペラー、カラヤン、バーンスタインの棒が生み出す音楽の魅力については多少は分かるつもりでいるのだが、いくらしこたま録音を耳にしても、いまいち、いまに、いまさん分からないのが、セルとドダメルとこのシューリヒトという指揮者である。
昔から欧州で活動を続け、名門ウィーンフイルからも愛されて高齢に及んでさらに名声に輝きを放つに到った、それはそれはの大指揮者なのだろうが、同曲異演の出来栄えにむらがあり、いったいどこが彼の美質なのか、軽々に語れない謎の指揮者のひとりだ。
伊太利メモリー盤で、彼が得意としたブルックナーの4番、5番、7番、8番、9番の50年代から60年代のライヴ録音を聴いてみようか。
劇伴オケは、順番にスイス・ロマンド、シュッツガルト放響、デンマーク放響、シュッツガルト放響、フランクフル放響で、曲の中身のせいか5番、8番がとりわけ聴きごたえがあるが、やはりその全体的な印象は、変わらない。
我が民を救うと称してとつ国を攻めるは戦の常套手段 蝶人