照る日曇る日第1808回
鈴木正文選手の編集長時代に自動車雑誌の「engine」に連載されていたハードボイルドアクションなり。
2011年現在の日中露の国際環境を背景に、主人公の刑事と一匹女狼のスーパー美女が激烈に戦い、愛し合う御噺だが、いま話題になっている「汚い爆弾」や「敵基地攻撃」などの挿話も登場して、まあ興味深い。
ラストでは刑事が、自分よりの百倍も強いスーパーウーマンが油断した隙に、卑劣にも射殺してしまい、「自分の中の何かがすっかり失われたことに気づいた」と独白するのだが、それはないよね。
建国のケも思わずに過ぎにけり22年2月11日 蝶人