山口仲美著「日本語の歴史」
照る日曇る日第1819回
古代から現代までの日本語の歴史を生き生きと躍動する魅力的な日本語でしゃべるように書き尽くした、面白くて為になる新書です。
この「喋るように書く」というくだりは最終Ⅳ章の「言文一致をもとめる 明治時代以後」で詳しく解説されているので、良い子のみなさんはまだ生きているうちに軽く目を通して見ませう。
明治20年前後に物集高見、山田美妙や嵯峨に屋おむろ、二葉亭四迷&坪内逍遥、などが例の「言文一致」を実現する為に、いうに言われぬ大苦心をしたことが改めて確認出来るでしょう。
さうしてその過程で、圓朝の「怪談牡丹燈篭」の口述筆記本や、尾崎紅葉の「である体」の「多情多恨」が重要な役割を果たし、言文一致派は大勝利を獲得した屋に見えたけれど、対抗するように幸田露伴の「風流仏」、森鴎外の「舞姫」などが大ヒットし暗礁に乗り上げたとはとは迂闊にも存じあげませんでした。
やはり偶には母国語の来し方も丁寧に振り返ってみなければ、と反省させられたことでした。
「オレたちが死んだらあとはどうなるの」「そんなこたあどうでもええやん」