照る日曇る日第1815回
30年以上の奮闘努力の結果、「現生人類とネアンデルタール人は主に中東で出会って性交し、その結果ネアンデルタール人のDNAの何パーセントかは、我々のDNAに内蔵されている」ことを、科学的に証明した男の、嘘のような、ほんとの物語である。
だから、あの荒くれ男のような、西洋なまはげのようなネアンデルタール人は、おらっちの中にもしたたかに生きていることになるのだが、そんな実感は、あんまりないなあ。
それよりも生々しい実感があったのは、悪戦苦闘の苦労話のなかに、バイセクシュアルの著者が、突然女性と結婚式を挙げて、ハワイ島の秘密の隠れ家で「愛の8日間」を過ごした、なーんて私事を漏らしたりしているところ。
かつてこんなノーベル賞受賞者が、おったかいな?
三白眼のお多福男が俯いて世界苦について考えながら歩いていくよ 蝶人