あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

エーリッヒ・ケストナー著・池内紀訳「飛ぶ教室」を読んで

2022-11-12 12:59:46 | Weblog

エーリッヒ・ケストナー著・池内紀訳「飛ぶ教室」を読んで

 

照る日曇る日第1813回

 

以前読んだ本書の訳者が、かつてのヒトラー礼賛者で、悪名高き大日本翼賛会宣伝部長のファシストだったと知って、俄かに吐き気を催したので焼き捨て、池内選手の2014年の新訳で読み直したが、とても爽やかな気持ちで俗了されました。

 

真夏に真冬の物語を書く物語作家のプロローグも面白いし、「飛ぶ教室」という小説に「飛ぶ教室」というお芝居が出てくるのも、ジェーン・オースティンの「マンスフィールド・パーク」の趣があってなかなか興味深い。

 

読む度に思い出されるのは、巨匠アベル・ガンスの1927年の超大作映画「ナポレオン」の有名な雪合戦のシーンだが、いちばん印象的なくだりは、かの「道理さん」と「禁煙さん」2人のオールドボーイの少年時代の友情で、何回読んでも涙が出るのはなんでやろうね。

 

   家じゅうの時計がそれぞれに好きな時間を指すも楽しや 蝶人

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