ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

冨田酒造有限会社 @滋賀県長浜市

2019年04月18日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の湖東・彦根に続いて、湖北の木之本~湖西へ遠征。朝早くに家を出て21号ではなく303号を使ってスイスイと到着。以前に訪れた近代建築を再訪し、風情ある古い街並みをウロウロ。まだ開いている店は少ない時間帯だが、この日は車だったので酒も買って帰ろうと、街道沿いにある「冨田酒造」へ。格子があり杉玉がぶら下がっている江戸時代の建物を訪れた。こちらの代表銘酒は「七本槍」。最近の酒造は若返りが進んでいて、こちら「冨田酒造」も立派なHPを用意し、様々なグッズを販売している。店に入ると酒は綺麗にディスプレイされ、それらグッズも並んでいた。何か面白い酒はないかなと吟味していると”精米歩合80%”という酒があった。通常酒は精米歩合が低いほど米を磨いているという事なので、綺麗で呑み易い酒が出来ると言われている(例えば吟醸酒は60%以下)。削れば削るほど出来る量も減るので値段は高くなることが多い。なので競って精米歩合を声高に宣伝することも。自分は以前はそういう酒も沢山呑んだけれど、いわゆる”吟醸香”はそこそこで、しっかりとした吞み口の酒が好きなので、店ではいただくが自宅ではほとんどが通常の純米酒。最近は好んで本醸造酒も呑んでいる。本醸造酒でも70%以下なので80%ってほとんど味わったことがない。これだ、という訳で「七本槍・純米八十%精米火入れ」というのの4合瓶を購入してみた。

訪れた先では時間の許す限り地元のスーパーに入って”地元ならでは”の品を買って帰るようにしているが、近くに彦根に本社のあるスーパー「平和堂」があったので、食品コーナーから「鮒ずし」「さば姿寿司」を買って一緒に持ち帰った。「七本槍・純米八十%精米火入れ」はしっかりとした色付き。きっと炭濾過も少なめなんだろう。店のポップに「米本来の風味」と書いてあった気がするが、なるほどしっかりと発酵の香りや酸味が残っていて、グッとくるボディ。でも決して呑みにくい訳ではなく、今の自分の好みにはぴったり。80%でこんなにキレのいい酒が出来るのならあまり磨く必要ないんじゃないかなとさえ思ってしまう。「鮒ずし」の強い酸味と発酵臭にも渡り合える旨さがあった(スーパーで作っていると思われる「さば姿寿司」は頭もヒレもそのままで目玉の穴にまで酢飯が詰まっているので家族には不評だった・笑)。もちろん燗をつけてもいい。これなら1升瓶で買えば良かったかな。(勘定は¥1,566)

 

↓ 「冨田酒造」の敷地内には木造3階建ての建物も。板で塞がれているが酒造りに関係する建物だろうか。

 


 

↓ 以前この通りにあった「旧・滋賀相互銀行木之本支店」は残念ながら取り壊され、更地になっていた。他の建物はそのまま。下は2階外壁と窓廻りの装飾が素晴らしい「たばこや呉服店」(建築詳細不明)

 

↓ 観光案内所の役割もしている「きのもと交遊館(旧・湖北銀行木之本支店)」(昭和10年・1935・建造)。横から建物の奥を眺めると道路際の建物以外は完全にリファインされているのが分かる。

 

↓ 以前に見た時よりも更に風化が進んでいるように見えて心配な木之本駅前の「江北図書館(旧・杉野文庫)」(建築詳細不明・伊香農業協同組合事務所移設?)。2階の割れたガラス窓はそのままのようだし傷みも激しい。図書館としてちゃんと稼働しているのだろうか。

 

↓ 北国街道沿いの木之本牛馬市跡の建物(写真下左・建築詳細不明))と、清酒「北国街道」を醸す「山路酒造有限会社」(写真下右・建築詳細不明)。こちらでは次回に酒を買ってみよう。こういう古い建物も当たり前のように点在するのがこの辺りのすごいところ。

 

 


 

 

冨田酒造有限会社

滋賀県長浜市木之本町木之本1107

 

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寿命そば @滋賀県犬上郡多賀町

2019年04月03日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の「多賀大社」近辺を散策。お参りをした後、おやつ代わりに境内にある蕎麦屋「寿命そば」に入ってみた。とても風情ある年季の入った建物に、これまた趣のある書体の暖簾が掛かっている。多賀大社のHPにもしっかり”そば舎”と記されていて”福井の有名そば店の味を伝授され”と書かれているのだが、古い店なのか新しい店なのか、直営なのかテナントなのか、後から調べてみても分からないことが多い。どういう歴史のある店なんだろう。通しで営業していて、中に入ると券売機があった。こんな場所なので品書きは多くないだろうと思いきや、色々な種物が揃っている。甘味なども扱っているようだ。寒かったので(訪問2月末)熱い蕎麦をと選んだのは「長寿海苔そば」。券を手に奥へ行くと「お好きな場所へどうぞ。」と指示される。セルフではなくちゃんと運んできてくれるようだ。

給仕女性がお茶と引き換えに券を下げ、しばらくたって「長寿海苔そば」が運ばれた。濃いめの色をしたつゆの上には丼ぶりからはみ出るほど大きな海苔が1枚そのままのっている。いわゆる”花巻そば”のような感じ。海苔が崩れる前に早速つゆをいただく。匙は用意されていないので直接丼ぶりに口をつけた。しっかりとした出汁感がありやや甘めのつゆ。そして蕎麦を手繰る。麺の茹で加減はやや軟らかめ。他の具材は切った青ネギのみ。特に香り高い海苔という訳ではないが、だんだんつゆに溶けて風味が変わっていくのが旨い。するするっといただき、崩れた海苔で黒くなったつゆも多めに啜って箸を置いた。(勘定は¥650)

 


 

↓ 「多賀大社」境内。境内に置かれていた献酒された酒造の菰樽の数々。「どんな銘柄があるのかな」と気になってしまうのが呑兵衛の情けないところ(笑)。なぜか真ん中にはサントリーのウイスキー樽も。

 

↓ 国登録有形文化財に指定されている料理旅館「かぎ楼」(明治10年・1877・建造、のち増築)。べんがらに塗られた壁が目を引く主屋+三層(客室)の建物。現役の建物だと聞いていたがこの日はひっそりとしていた。

 

↓ 「かぎ楼」の向かいにある江戸創業の料理旅館「亀屋(かめや旅館本館)」(大正13年・1924・建造)。こちらも有形文化財に指定されている。色褪せた看板も渋い。広い2階の広間が往時の隆盛を物語る。

 

 

↓ 絵馬通りにあった古そうな家屋(建築詳細不明)。軒下が銅板で処理されていて緑青が吹いている。この通りの両脇の建物もかなり古いものが多く、往時の風情を残している。

 

↓ 少し路地を入った所にあった建物(建築詳細不明)。木枠の窓や引き戸に加えて、1階壁面はモザイクタイルでびっちり装飾されている。2階壁面はブリキ板かな。

 

↓ 絵馬通りの端にあった日本家屋に洋館(洋間)がくっついた建物(建築詳細不明)

 

 


 

 

お多賀名物 寿命そば (寿命蕎麦)

滋賀県犬上郡多賀町多賀604 多賀大社境内

 

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ひしや @滋賀県犬上郡多賀町

2019年03月30日 | 滋賀県(老舗)

彦根から車で移動し多賀方面へ。途中で素晴らしい近代建築と、アニメのコスプレ連中に度胆を抜かれながら「多賀大社」に着いた。駐車場に車を入れ、ここでも自転車を取り出してゆっくりと参道「絵馬通り」近辺を散策。さすがに多賀大社入口辺りの店は商売っ気が強いが、少し外れるとすぐにのんびりとした旧街道沿いといった雰囲気になる。こちら多賀で有名な菓子は「糸切餅」。いくつか店舗があるようで、どこも”元祖”や”本家”を名乗っているので出自はよく分からないが、賑わいのある場所から外れて一番遠く、一番素朴な感じの店、こちら「ひしや」に入ってみた。創業は明治23年(1891)で現在4代目だとか。店の裏にひっそりと置かれた看板には”多賀大社御用達”の文字も。店に入り、彦根市内でもお土産の和菓子を買っているので女将さんに一番小さい包み(10個入)をお願いした。

いくつかある「糸切餅」の店でも実際に糸切りをしているのは現在こちらだけだとか(未確認)。起源は”蒙古襲来”にまで遡るというこの「糸切餅」は米粉の餅であんこをくるんでいる菓子。白い餅に鮮やかな赤1本、青2本の線が入っているが、これは後から書いているのではなく、色付けした餅を金太郎飴のように挟んで伸ばしているらしい。切る時には三味線の弦を使って切るのだそう。綺麗に箱に小さい餅が並んだ姿は艶があり、まるで飴のよう。手で持つと崩れてしまいそうな軟らかさで、箱から出すのも難儀なほど。ほんのりとした甘さで、餅と餡が馴染んでいて旨い。作っている所を見てみたかったナ。(勘定は¥700程)

 

 


 

↓ 彦根市日夏町にある「旧・日夏村役場・産業組合合同庁舎」(昭和10年・1935・建造)。改修され、一部がカフェとして利用されているようだ。設計はヴォーリズ建築建築事務所で登録有形文化財に指定されている。メインの建物は何かに使われているのかな。中には役場のカウンターがそのまま残されていた。

 

 

 

↓ 豊郷町にある「旧・豊郷小学校校舎」(昭和12年・1937・建造、平成21年改修)。設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)。綺麗に改修され公開されている。それにしても小学校とは思えない大きなスケールの建物だ。階段の手摺りにある有名な真鍮のウサギとカメの像が楽しい。国の登録有形文化財に指定されている。詳しくないので来てビックリしたのだが、建物がアニメの設定モデルとなったらしく、そこかしこがコスプレイヤー、フィギュアを持った人、痛(イタ)車などで溢れている。教室の一部ではアニソンのライヴ、講堂でも歌の大会か何かが開催されていた。それだけなら地域振興に寄与してめでたい事だろうが、セーラー服姿のオッサン、オニイサンが何人もウロウロしているのを見るとさすがに気持ちが悪い…。

 

 

 

 

 

 

 

↓ 校舎の向かって右側にある「旧・豊郷小学校講堂」。建物のデザインはシンプル。にしてもこれが小学校かと思うくらい立派な講堂。

 

↓ 向かって左側に講堂と対に建つ「旧・豊郷小学校酬徳記念図書館」。外観は講堂と同様にシンプルだが、内装はグッとデコラティヴ。現在はかつて受付だったろう場所に売店や、カフェなどもあり、写真では分かり辛いがそこかしこがアニメ関係のパネル等で埋め尽くされていた…。

 

  

 

 

↓ 上の校舎群のすぐ近くに残る「旧・豊郷尋常高等小学校本館」(明治20年・1887・建造、のち改修)。校舎群の先代に当たる建物。こちらも登録有形文化財に指定はされているが、相当傷みが激しかったのか全面改修中。年代を感じさせる風情はほとんど消えてしまっていた。これが近代建築保存の難しいところ。

 

↓ 上の校舎のすぐ近くで見つけた板張りの建物「四十九院公民館」(建築詳細不明)。現役の公民館だろうが、予備知識が無かったので、こちらの方が感動した。

 

 


 

本家 ひしや

滋賀県犬上郡多賀町多賀711

 

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いと重菓舗 @滋賀県彦根市

2019年03月20日 | 滋賀県(老舗)

前回の彦根訪問時に「あとで買って帰ろ」と思っていたのに忘れて帰ってしまった和菓子屋「いと重菓舗」へ。創業は何と文化6年(1807)という凄い歴史の店だ。隣の近代建築を愛でた後に店に入る。キリッと整った店内のガラスショーケースを覗く。初訪の老舗和菓子屋の時には目新しいものよりも”銘菓”とか”名物”と冠のついた昔からありそうな菓子を選ぶことが多い。こちらでいうと…、と店に置いてあったパンフを参考にいくつかを選択。まずひとつは「埋れ木」。そして「湖上の月」と「柳のしずく」の3種を嫁の分もお願いした。

家に持ち帰って包みを開け、お茶と一緒にいただく。「埋れ木」は抹茶粉がまぶしてある菓子で、餡が求肥で包んである。口当たりが軟らかく、口に入れた時に香る抹茶の風味が美味しい。しっかりと甘めなので抹茶を点てればなお良かったかな。「湖上の月」は焼き饅頭。玉子を使った乾いた感じの皮。「柳のしずく」も同様の皮の焼饅頭でこちらは白餡。上下面とも綺麗な模様と焼き色がついていた。この柳の模様は井伊直弼が落雁の型を自ら彫ったものを模しているのだとか。どちらも取り立てて珍しい味ではないが、口に含んでからお茶で崩すとちょうどいい感じ。まだまだ色々な菓子があったのでまた機会があれば寄ってみよう。(勘定は¥1,000程)

  

 


 

↓ 店のすぐ隣は存在感のある「旧・本町郵便局」(大正13年・1924・建造)。前の通りは狭いが、カーブしている道から和菓子屋と並ぶ姿が見えるととてもいい雰囲気(その隣の赤い屋根は現在の郵便局)。

 

 

↓ 登録有形文化財に指定されている「本町宿(旧・志賀谷家住宅主屋)」(文政~慶應年代建造)。町屋を宿に改造していて宿泊することが出来る。文化財に泊まってみたいなァ。

 

↓ 「瀬戸製茶(旧・第百三十三銀行彦根西支店)」(大正13年・1924・建造)。創業明治36年(1903)。建物は昭和34年に土地と交換したという元銀行の建物。

↓ 本町近辺の通りには江戸時代辺りと思われる歴史ある建物が軒を連ねていて特別な雰囲気がある。他所の土地にあったら1棟だけでも貴重だが、彦根の街並みはこういう建物が目白押しなので、感覚が麻痺して通り過ぎてしまうこともしばしば。

 

↓ 城町で見つけた洋館のある住宅(建築詳細不明)

 

 


 

いと重菓舗

滋賀県彦根市本町1-3-37

 

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ヤマキ醤油 (2) @滋賀県米原市

2018年11月15日 | 滋賀県(老舗)

中山道の宿場町、醒井(さめがい)宿は初めてという嫁を連れて風情の残る街道沿いを散歩する。もう咲いていないかもと思った梅花藻(ばいかも・写真下左)はまだたくさん花が残っていてなんとか水中花の景色を楽しめた(訪問10月)。一度梅花藻が満開の時に来てみたいなァ。距離は長くないが透き通った水が滔々と流れる水路沿いを歩くととても気持ちがいい。

 

街道沿いに残る古い醤油屋「ヤマキ醸造」に寄る。以前1人で来た時に濃口醤油は買ったことがあった。この日はクーラーバッグもあったので冷蔵庫の中の特産品を物色。「鮒寿し」があったので購入する。製造は隣の近江八幡市の「奥村佃煮(近江佃煮庵 遠久邑)」。

家へ帰ってから長浜で購入した酒「湖濱」(佐藤酒造)のお伴にしてみた。スライスされた”ふなすし”が5枚程入っている。崩さないように慎重に取り出し皿の上へ。輪切りの鮒の中に発酵した米が詰まっている。米の粒は崩れているが、それを箸の先にちょこんとのせて味わう。舌先でまだ粒が少し分かる程度。そのままだとかなり酸っぱい。ただ酒を口に含むとマイルドに感じられ、ほんの少しの量でも酒が進む。身の部分は薄いのでほぼ皮という感じ。箸で切ろうとしても切れない。こちらは口に含むとかなり塩っ辛く、容易にちぎれないこともあって口に放り込むと永久酒肴に(笑)。これは酒のつまみにする以外に食べる方法があるのだろうか。酒と共にいいお土産になった。出かけた先の名産を、そこの酒と共に味わう幸せ。(勘定失念)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 以前にも訪れた「旧・醒井公会堂」(昭和11年・1936・建造)。国の登録有形文化財に指定されている。今は何にも使用されていないかな。

 

 ↓「醒井宿資料館(旧・醒井郵便局舎) 」(大正4年・1914・建造)。滋賀県ゆかりのヴォーリズ(William Merrell Vories)の設計。こちらも国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 ↓ 醒井宿の街道沿いには、その他にも丸窓のある格子の素敵な建物や、軒の形が特徴的な立派な建物など、広くない地域に魅力的な建物が集中していて軽く歩くのにちょうどいい。

 

 


 

有限会社 醤油屋喜代治商店 (ヤマキ醤油)

滋賀県米原市醒井370

 

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親玉本店 @滋賀県長浜市

2018年11月13日 | 滋賀県(老舗)

大混雑の長浜市・黒壁スクエア近辺を嫁と散策。和菓子を買って帰ろうと寄ったのは創業天保年間という歴史のある「親玉本店」。こちらの店の前の細い路地もマルシェ(市場)開催とあってテントが立ち並び、立ち止まれない程の人出。逃げ込むように店に入った。購入するのはもちろん「親玉饅頭」。紅白で作られた薄皮の饅頭。面白い名前の由来は、味、風味が「饅頭の親玉なり」と評されて名付けられたのだとか。味が変わらないだろうことは承知で紅白それぞれ購入。もうひとつは名前を失念したが栗を使った饅頭。

家に帰ってから抹茶を点てていただく。「親玉饅頭」は餡がうっすらと透けて見える位の薄皮。滑らかな口当たりのこし餡が入っていて甘さはやや控えめ。酒元種だが”らしい”香りがもっとあると思っていたがかなり控えめな感じ。シンプルだが旨い。酒饅頭でもバランスひとつで違うものだ。もうひとつは羽二重餅(求肥)に白餡が詰められた菓子。中にやや硬めに歯応えを残した栗が一粒入っている。軟らかめの皮と硬めの栗のコントラストが楽しい。(勘定失念)

 

 


 

↓ 長浜駅の南にある「長浜鉄道スクエア(旧・長浜駅舎)」(明治15年・1882・建造)。現存する最古の鉄道駅舎だそうで、綺麗に整備され展示公開されている。前回訪問時は時間切れで中を見学出来なかったので入ってみた。中の展示はいまひとつだったが、前庭に並べられた旧北陸本線のトンネルに掲げられていた扁額(石額)の数々が素敵。

 

 

 

 


 

親玉本店

滋賀県長浜市元浜町22-33

 

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もち安、魚三 @滋賀県長浜市

2018年11月06日 | 滋賀県(老舗)

秋晴れの下、嫁と滋賀県長浜市の黒壁スクエア近辺を散歩。この日は”マルシェ”開催とあって狭い路地にもテントの露店が出て大賑わい。すれ違うのも大変な程の人出だ。すごい集客力だなァ。大通寺近くで店先のいい匂いにつられて創業明治19年(1886)という団子の「もち安」へ。店先から「だんご2本下さい。」とお願いした。焼いているのは若い人で、勘定はお婆さん。焼きあがった「ゆうちゃんだんご」は小さな塗りの盆の上に直接置かれて手渡された。店先のベンチに座って嫁と1本づついただく。みたらしだけれど、写真と違っていわゆる茶色でなくて白っぽい色のたれ。食べてみるとふわっとした舌触りで甘い。焼きも上々でとても美味しい。もっと欲しいなァと思うくらいでちょうどいい(本当は熱いお茶でもあるとなお良かったんだけれど…)。(勘定は¥80/本)

 

次は琵琶湖の魚を扱う創業明治38年(1905)の「魚三」。店頭で揚げている「小鮎天ぷら」に引き寄せられた。小鮎が次々と揚げられ小さな紙袋に入れられている。熱々のところをもらった。紙袋には5匹ほどの稚鮎。サクッと軽く揚がっており、めっぽう旨い。特有の苦味もしっかりある。”ワタ”があまり好きではない嫁も「コレ、美味しいね。」と気に入った様子。車の運転があるので叶わないが、これは日本酒だなァ…。はす向かいの酒屋では店頭で試飲実施中。本当はそこへ行くのが正解だろう(笑)。無念(けど結局酒は買って帰った)。(勘定は¥100/袋)

 


 

↓ 人混みの多いエリアの南側は少し落ち着いた雰囲気の町並みがある。そんな朝日町の路地にあった漆喰塗りの大邸宅(建築詳細不明)。玄関先の吊り灯篭が凄い。

 

 


 

 

もち安

滋賀県長浜市元浜町18-21

 

魚三 (魚三北国街道本店)

滋賀県長浜市元浜町12-7

 

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吉野 @滋賀県長浜市

2018年10月30日 | 滋賀県(老舗)

嫁と滋賀県の長浜までドライブ。若かりし頃は嫁も連れて朝(夜中?)早くから毎週のように琵琶湖でルアー・フィッシングに勤しんだものだが、一緒に訪れるのは本当に久しぶり。長浜に着くと駐車場にもなかなか入れないほどの人出。自分は既に経験していたが、この辺りが閑散としていた時代を知っている嫁は浦島太郎状態。「親子丼」を食べようと思ったが恐ろしい行列に断念し、人混みを掻き分け掻き分け、店を探す。

どんなものを食べたいか嫁の様子を伺いながら選んだのは創業明治9年(1876)というこのあたりでは最も古いうどん屋だという「吉野」。昔は普通の麺類食堂だったらしいが、今は御覧の通り洒落た造りのモダンな店に。店に入ってもかなり混雑していて、何だか不思議なバーカウンターみたいな席に案内された。こちら長浜名物の「のっぺいうどん」の発祥の店と言われている。でも「のっぺいうどん」は前回で懲りたので、食べようと思ったのはもうひとつの長浜名物「鯖そうめん」。店頭にも看板が出ていたので入ったのだが、品書きを見ても見当たらず、こちらでは全然推していない感じ…。バイトらしき若い女性に訊くと”売り切れ”なのだとか。困った。結局選んだのは「とろろそば」と「焼鯖寿司」。嫁は「近江牛うどん」を。何も出されないので給仕の女性にお手拭きを所望すると「何もお出ししていません。」のだとか。紙のお手拭きさえも?。手で寿司を喰う奴はいないのかな。

しばらくして運ばれた「とろろそば」は”冷たいの”をお願いしていた。とろろには黄身が落とされている。蕎麦は細切り。すっきりとしたつゆで、とろろと一緒にズルズルッとすする。うん、悪くない。添えられていた申し訳程度の量の山葵はもう少しあっても良かったかな。あっという間に手繰り終わり「焼鯖寿司」(2切れ)を嫁と分ける。押し寿司には酢飯に胡麻がかませてあり旨い。嫁のうどんのつゆを少し味見させてもらった。牛肉の出汁がしっかりと滲みている(でも嫁によると品書きの写真と全然違って肉の量が少ないとのこと)。何だかしっくりこないのは若干高めの観光地価格というだけではなく、歴史がある店なのに全く風情が感じられないのと、頼んでも紙のお手拭きひとつ出さないという割り切り…。ま、それもひとつの店の在りよう。(勘定は¥3,000程)

うどん・そば 吉野

滋賀県長浜市元浜町6-16

 

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初雪食堂 @滋賀県近江八幡市

2018年06月28日 | 滋賀県(老舗)

近代建築の宝庫、滋賀県近江八幡市を歩いて散策。歩き疲れて午後の遅い時間に寄ったのは日牟禮八幡宮からもほど近い「初雪食堂」。創業は昭和20年(1945)だとか。中休みを取らない店は有難い。店に入ると外れた時間ということもあって先客は1人のみ。ご夫婦で切り盛りしていらっしゃる。土間に沢山並ぶテーブルのひとつに腰掛けて品書きを眺める。本当はビールでも、と中に入ったのだがちょっとお腹が減っていて、帰りの電車の乗車時間も短くないので腹ごしらえに変更。好物の「オムライス」にはカッコ書きで”牛肉”と書いてあったのでそれにしてみた。調理は女将さんが担当。テレビを見ながら待っていると紙ナプキンを巻いたスプーンが置かれ「オムライス」が運ばれた。

平皿に盛られた「オムライス」は大きく平たい薄焼き玉子のっけタイプ。なので若干ケチャップライスがはみ出ている。早速スプーンを入れていく。ライスは思ったより味付けが濃くなく、たらされたケチャップをスプーン先に付けてちょうど酸味が良くなる感じで旨い。特筆すべきは牛肉。中にこれでもかとたっぷり入っていて思わず値段を見返してしまったほど。味噌汁が付いているのも嬉しい。一緒に置かれたウスターソースをかけたりもして楽しんだ。(勘定は¥750)

駅前で自転車が借りられなかったり、暑いくらいの日差しだったのに急に嵐になったりと色々大変だったが、楽しい近江八幡の散策だった。まだ見逃した建物や入ってみたい店が沢山あるので暇を見つけて来てみたいナ。

 


 

 ↓「旧・八幡郵便局」(大正10年・1921・建造)。もちろんこれもヴォーリズ建築。1960年まで局舎として使われていたのだとか。現在1階部分は店や案内所が入っていて、裏から2階にも上がって見学出来るようになっている。

    

 

 

 

↓ かつては幼稚園舎として使われていたという「ハイド記念館」(昭和6年・1931・建造)。門構えもいかにもヴォーリズ。登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 「ハイド記念館」に隣接する「教育会館」側からは昭和6年(1931)建造の晩年のヴォーリズ夫妻の本宅(「ヴォーリズ記念館)が見えた。

↓「滋賀県立八幡商業高等学校」(昭和13年・1938・建造)。ヴォーリズはここに英語教師として赴任した。北側の路地から歩いていくとドーンと正面に建物が見えるのがいい。こちらも登録有形文化財に指定されている。

 

 


 

 

初雪食堂

滋賀県近江八幡市仲屋町元7

 

( 滋賀 しが 近江八幡 おうみはちまん はつゆき食堂 大衆食堂 麺類食堂 老舗 W.M.ヴォーリズ William Merrell Vories ヴォーリズ学園 国登録有形文化財 )

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たねや日牟禮乃舍  @滋賀県近江八幡市

2018年06月24日 | 滋賀県(老舗)

今では「CLUB HARIE(クラブハリエ)」という名前が有名になっている「たねや」。グループ会社として手広くやっているのでここが古い店なのか新しい店なのかも知らなかったが、調べてみると創業は明治5年(1872)にまで遡るのだとか。ヴォーリズ建築を中心に訪ね歩いた近江八幡市で「日牟禮八幡宮」近くまで差し掛かった時に、小休憩で「たねや日牟禮乃舎」に入ってみた。店には人が溢れていて、買って帰る人、中で食べていく人が大勢。「つぶら餅」という小さな焼き饅頭があったので食べてみようと焼き場の前の列に並んでみた。焼き場の中には若い衆が何人も専従でたこ焼きのような丸い饅頭を焼いているのが見える。列といっても会計を待っているだけなのでどんどん回っていてすぐに購入し、それを持って奥のスペースへ。空いている席に腰掛けると店員がお茶を持ってきてくれる。

「つぶら餅」は外はカリッと、中はもちっとした丸い饅頭。皮はもち米、中には粒あんが入っている。作りたてなので熱々なのかなと思ったが、数を焼いていてそれを渡されるので温かい程度だった(熱々で食べてみたいナ)。これのぜんざいやかき氷もあり、自分が腰掛けた席は簡易の席だったが別に食事メニューもあるのだとか。ごくシンプルな饅頭なのでパクッといってお茶を飲み、次の客に席を譲った。(勘定は¥80/個)

 

 


 

↓ 「クラブハリエ日牟禮館(旧・忠田兵蔵邸)」(昭和11年・1936・建造、のち改修)。何と、和菓子屋の「たねや」に洋菓子の製造を勧めたのもヴォーリズなのだとか。

↓ 「シキボウ株式会社(敷島紡績)八幡工場事務所」(明治40年・1907・建造)。とても綺麗に整備されているが建築年代は古い。

 

↓ 「日牟禮八幡宮」の参道沿いに建つ「近江八幡市慰霊殿」(建築詳細不明)。古い建物なのかどうかは分からなかったがどうだろう?

 

 

↓ 多賀町の「旧・吉田邸」(建築詳細不明)。市に寄贈され昨年改修工事が終わったという築100年以上の町屋の建物だが何の案内も無くひっそりとしていた。

↓ 「八幡堀」の風情ある景色。雨の後で水が濁っている。今でこそ綺麗に整備されているが、昭和30年代頃は市民に見向きもされず公害の元凶になっていたのだとか。

 

 


 

 

たねや 日牟禮乃舎

滋賀県近江八幡市宮内町日牟禮ヴィレッジ

 

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