ふらふらと大須を散歩していて百老亭の看板(正確に言うと公園側勝手口の看板)が目に入る。某有名作家が著書に何度も載せている老舗だ。「あぁ、ここか」と表に回ってそのまま店内へ。改装したばかりなのか店のしつらえは新しく、いわゆる老舗の雰囲気はない。創業は昭和28年(1953)だとか(昭和24年説も)。店内はカウンターだけの小さなお店だが休日だからか店員が5人と席数に比べてとても多い。基本的にメニューは餃子しかなく潔い。改装以前はもう少しメニューがあったそう。「焼き餃子」と「炊(水)餃子」を10個(これが注文最小単位)づつとビールを注文。
まず焼き餃子が到着。小さめの餃子は油を使わず焼いているようでこれ以上ない位さっぱり。油の無いぶん焦げの風味が残ってしまっている。餡もその中の肉も少なめ。もちっとはしているが乾いた皮のひだが口に残るので食感はいまいちかな。数は軽くいけてしまうが旨味は乏しいのでビールのつまみにはいいけれどこれだけ目当てだと拍子抜けするかも。続いて炊餃子。これも焼きと同じ皮だろうか。椀に盛られてきた炊餃子の食感は焼きの時とは違ってこちらの方が好み。餡はスープがたっぷりというタイプではないし、皮もいわゆる水餃子のように厚めでもっちりというタイプではないので焼き餃子と同じく軽い。
旨味たっぷり脂たっぷりの今風ではないので若い人には向かないかもしれないが、創業当時からこういう餃子を提供し続けているんだろうと想像出来る。こういう店はこのままずっと続いて欲しいよね。出来れば改装とかせず(笑)。さっと入ってビールでどちらか10個食べてさっと出る、くらいの使い方が向いているんじゃないかな。
百老亭 大須店
愛知県名古屋市中区大須2-13-13
※平成30年9月末を以って閉店されました
( 大須 ひゃくろうてい ひゃくろうていおおす 閉店 廃業 )