岐阜市加納はかつての中山道加納宿にあたり、中山道六十九次のうち五十三番目の宿場町。意外にも当時の名残りは少なく、今歩いてみてもなかなか歴史的な建造物は見当たらない。その通りにはその昔、勅使、大名高家の飛脚使宿だったという料理店が残っている。創業が元和6年(1620!)という「二文字屋(にもんじや)」。当代をもって13代目というから、途方もない歴史のある店だ。開店時間直前に到着し、近くに車を停め店の前まで行くと、すでに数名が開店を待っていた。その後も続々と客がやってくる。店内は風情を残しつつも、新しく綺麗に改装してある。年季の入った水屋箪笥があったりと、古いものもしっかり残してあるようだ。順番に席に案内され、自分はその水屋箪笥の前の座敷に腰を下ろした。
品書きからうな丼の竹を注文。ちなみに価格の差は鰻の量だとのこと(竹は4切れ程)。クリックするとブログに飛ばされて読み辛いHPには「うな重は40分~60分程かけてじっくりと柔らかく仕上げます」と記述があったので、覚悟して文庫本を持参したのだが、思ったよりも早く20分程で丼ぶりが運ばれた。開店直後だったからか、「丼」と「重」で違うのかは分からない。花麩が入った吸い物と、香の物(たくあん)が付いている。鰻の焼きは強めで、たれも濃いめの味付け。外がカリッと中がフワッと焼けていて、さすがに旨い。テーブルに置いてあった山椒粉は、濃いたれに合わせてあるのか独特の強い風味が面白い。人気の鰻のみならず、他の川魚料理、様々な会席料理(HPでは「懐石」)を出すそうなので、試してみたいな。(勘定は¥1,860)
↓ 入口にある2匹の兎のレリーフ。上から水が流れてきて苔むしている。
↓ 近くの「旧加納町役場庁舎」(大正15年・1926・建造)。国指定登録有形文化財に指定されているにも関わらず、耐震修復されず立入禁止。完全に放置状態なのが悲しい。
岐阜県岐阜市加納本町2-17
( 岐阜 加納 かのう にもんじや 中山道 中仙道 加納宿 うなぎ 土用 鰻丼 )