ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

一力 @名古屋市熱田区・西高蔵 (※閉店)

2015年09月06日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

仕事で熱田区の名古屋国際会議場に用事があり、その前の腹ごしらえとして寄ったのが麺類食堂「一力」。地下鉄名城線の西高蔵駅を出て、伏見通を南へ歩くと、路地を曲がった正面にこじんまりとしたこの店の姿が見える。それがなんともいい感じ。控えめなのに存在感はあり、綺麗な白い夏暖簾が目を引く。創業は昭和17年(1942)だとか。「夜寒町(よさむちょう)」って何だか風流な名前の土地だね。引戸を開けて中に入ると、土間にテーブル席、その奥が厨房になっている。先客は男ひとり客ばかり3名。外は湿度が高くてかなり暑かったが、笑顔が素敵な女将さんが冷たい水を置いてくれた。紙に書いた品書きがずらりと壁にあり、その中から「天南丼」を小うどんとのセットで注文。麺は「きしめん」で。冷たいのも出来ますよと言われたので、冷たいのをお願いした。少しだけ茹で場が見える席だったが、木の蓋の乗った大釜で茹でられている。七輪もあるし、ご飯も釜で炊いているみたい。後ろ姿しか見る事は出来なかったが、調理はご主人のよう。

しばらくして、丼ぶりときしめんが一緒に盆の上にのって運ばれた。さっきは冷水だったが、今度はちゃんと熱いお茶も。気が利いている。たぶん初めて食べる天南丼。天ぷらと南蛮(=なんば=葱)、それに花麩とかまぼこが入っている。さすがに海老は小さいが、衣と葱と花麩にたっぷりつゆが浸みて、それがご飯を侵食し、旨い。これはいいなァ。葱が多いのもいい。きしめんはセットの小さいもの。麺の幅も厚さも標準的。締めたこともあって、しっかりとした食感で、熱い喉に冷たいつゆがたまらない。つゆの甘さは控えめな感じ。あんな大釜を使ったらさぞかし燃料費も…なんて思うが、どの品もほとんどがワンコイン以下ばかりという安い値付け。このセットでさえ…。よくやっていけるなと感心する。水やお茶が減るとすぐに足してくれる女将さん。何から何まで素晴しい。勘定は¥480)

※残念ながら閉店されたようです(平成28年1月現在)

一力 (いちりき)

愛知県名古屋市熱田区夜寒町7-18

( 熱田 西高蔵 日比野 一力うどん店 よさむちょう 手打麺類食堂 手打ち麺類食堂 大衆食堂 手打ちうどん )

 

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