Hackney Diamonds / The Rolling Stones (2023)
2023年にローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の新譜が聴ける奇跡! とうとうストーンズのニュー・アルバム「Hackney Diamonds」が発売になった。先行してPVも発表されていたロックンロール「Angry」、次に発表されたゴスペル・ライクな「Sweet Sounds Of Heaven」はレディー・ガガ(Lady Gaga)とスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)をフィーチャー。なかなか強力な2曲で期待が高まっていた。
最近のレコード会社はもうフィジカルな売上は諦めてしまったのか、いわゆるシングル・カットという概念は消滅しそうだし、アルバム発売日ともなるとすぐに全曲ネットで視聴解禁してしまう。これって誰が得するんだろう? 今はネット音源を適法にせよ違法にせよダウンロードして聴くことは簡単だから如実にCDやデジタル音源の売上に影響すると思うんだけれどな。
アルバムは前述の「Angry」で始まる。いかにもバンドがアルバム先頭に選びそうなエネルギッシュな曲。ミック(Mick Jagger)のヴォーカルは相変わらず凄まじい。どうしても彼らの年齢を鑑みてしまうが、もう齢80。恐ろしや、この爺さん達のバイタリティー。加えて何とポール・マッカ(Paul McCartney)をよりによってパンキッシュな曲「Bite My Head Off」に参加させたり、故チャーリー(Charlie Watts)やビル・ワイマン(Bill Wyman)参加曲があったりと話題性も充分。
アルバム全体を俯瞰するとちょっと張り切り過ぎていて聴き疲れする部分もあるけれど、オリジナル・アルバムまでには長いブランクがあったので出来のいい曲を集めたらこういう内容になったんだろう。もちろん文句なんて無い。尺を昔のアルバムぐらいにしたのも小気味良い。「Messs It Up」のようなディスコっぽい曲なんてちょっと面白いし、お得意のカントリー・タッチの曲「Dreamy Skies」などバラエティに富んだ内容。それは「Tubling Dice」だろっていうリフで始まる「Driving Me Too Hard」はご愛敬(笑)。これでもうアルバム製作は終わりかという憶測を呼んでしまった最終曲、バンド名の由来ともなったマディ・ウォータース(Muddy Waters)のカヴァー「Rolling Stone Blues」なんてちょっとやり過ぎだぞっ(←ミックはその説を否定)。
70年代初めに「一番早く死にそうなアーティスト」でぶっちぎりのナンバー・ワンだったキース(Keith Richards)がここまで長生きしてギターを弾いているなんて誰が想像したろう。先頃シークレット・ギグも行われ、ツアーの話、そして次のアルバムの話も沸き上がっているというから嬉しい。
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- Label : Geffen Records
- ASIN : B0CH3PH7DB
- Disc : 1