Give Out But Don't Give Up (The Original Memphis Recordings) / Primal Scream (2018)
「Screamadelica」で一躍メイン・ストリームにも足跡を残したプライマル・スクリーム(Primal Scream)が1994年に発売したアルバム「Give Out But Don't Give Up」(ジャケ写真下)は、ギターがかっこよくて個人的には大好きなアルバムだった。
ジャケットの如くアメリカ南部を意識して60年代後半から70年代の泥臭い雰囲気を持った音が印象的。この辺りから彼らはアルバム毎にガラっと印象を変えて様々なスタイルに挑戦していく。
そんなアルバムは、そもそもあの名伯楽、トム・ダウド(Tom Dowd)がプロデュースを担当していたのだそう。メンフィスのかの有名なレコーディング・スタジオ「Ardent Studios」で、The Muscle Shoals Rhythm Sectionと録音したのだが、当時所属のクリエイション・レコーズの総帥アラン・マッギー(Alan McGee)がOKを出さなかったので録り直しになったのだそう(この辺りの経緯、あまり自分の記憶にない)。
そのオリジナル・テープが発見されて、改めて発売されたのがこの盤。さっそく聴いてみると…、あれ?そんなに印象変わらない(苦笑)。ヒットした「Jailbird」「Rocks」もこちらの方が地味と言えば地味だが、曲の構成はほとんど変わらないので純粋に音作り(テクスチャ)の問題だったのか。これら2曲は先行シングルだったはずだからあまりいじられていないのかも。アラン・マッギーは前作「Screamadelica」のアシッド・ハウスから余りに変化が大き過ぎると考えたのかもしれない。メンバーは当時サザン・ソウルをよく聴いていたらしいので、メロウな曲をあのリズム・セクションでやってみたいと考えたのかな。ボビー(Bobby Gillespie)は決して歌が上手いシンガーではないので、後半に多いそういったスローな曲では粗いところも見えてしまっているが、このバンドではそれも味のうちのひとつ。このメンフィス録音でのThe Muscle Shoals Rhythm Sectionの演奏がどの程度の割合だったのか知りたい(ライナーのどっかに書いてあるのかな←しっかり読んでない)。
オークションにて購入(¥1,298)
- Label : SONY
- ASIN : B07GL1G37S
- Disc : 2
>ジョージ・クリントン
そうそう御大との共演もありましたね。サザンソウルに、ファンクにと貪欲です。
そういういい意味での貪欲さが後の千変万化スタイルに繋がっていったんでしょうね。