雨がそぼ降る中、浅草橋駅から柳橋を越えて、両国橋方面へ。右に折れて日本橋方面に向かう大川(隅田川)沿いにある小さな唐辛子店「大木唐からし店」。歩道の上に唐辛子の形をした可愛らしい路上看板がある。江戸中期の創業だそう。
その昔、この近辺は「薬研堀(やげんぼり)」と呼ばれていた。両国橋の袂は火除け地として広くなっていて、だんだんそこに芝居小屋や商店が立ち並んで、江戸随一の繁華街だったとのこと。繁華街が浅草方面に移り、今でもその名を残す1625年創業の「やげん堀七味唐辛子本舗」は浅草で営業中。前回上京した時はそこで山椒多めに調合してもらった七味唐辛子を買ったので、今回は現在でも江戸の頃から同じ場所で営業しているこの大木唐からし店で「七色(なないろ)」を買ってみた。
店構えは新しく、まだ建て替えてそんなに経っていないようだ。サッシの引戸を開けて中に入ると、木枠のガラスケースや調度品、道具などは古いままのようで、どれも味わい深い。こうして古いままのものを使い続けるって修理やら何やらで大変だろうけど、いいなぁ。香辛料のいい香りが漂ってくる店頭の土間はとても小さく、2人位が立つのがやっと。ケースの中に飾ってある瓢箪型や茶筒型の入れ物の中から、一般的な缶入りと袋入りの「七色」を選び、辛さは中辛でお願いした。その場で調合してくれる七色唐からしは色鮮やかで、風味も抜群。帰ってから色々なものにかけて楽しんでいる。
今では自動車がひっきりなしに走り、ビルばかりとなって、ここが江戸一番の繁華街だったといっても想像し辛いが、この界隈の昔の華やかな姿を頭に思い描きながら、古くからある店を訪ねたり、ぶらぶら歩くのは本当に面白い。
↓ 写真は両国橋(うっすらと東京スカイツリーが見える)
東京都中央区東日本橋2-21-5
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