
買ったばかりのオンボロ単気筒「カワサキ・エストレア」の調子を上げるべく郡上八幡まで単独ツーリング。中古格安で買ったはいいが、結局すぐにスターターアイドルギアの交換とタペット調整が必要になり、乗り出しに追加3枚かかってしまった(苦笑)。まだいくつか調整が必要なところはあるが、何とか無事に乗れるようになり、単気筒独特のドコドコと鳴くエンジン音を楽しみながら郡上八幡へ。
風情ある郡上八幡の街中を歩くのは、まだ子供が小さかった頃以来で久しぶりだが、昔とは違って建物にも興味が出ているので、以前よりずっと楽しい。観光客が多く訪れる食品サンプル工房などを尻目に古い街並みと建物をじっくり観察して歩いた。いくつか古い大衆食堂や蕎麦屋が残っているのでどこで昼食を摂ろうかと悩んだ挙句、伺ったのは賑わう界隈から少し離れた場所にある「泉屋」。窓に格子が付いた建物の佇まいが素晴らしい蕎麦屋。創業は昭和5年(1930)で、年季の入った建物は昭和3年に建てられたものだとか。暖簾をくぐって中に入るとタイル貼りの土間があり、奥には小上がりが。その脇には現役の箱階段(階段箪笥)がある。階段の空洞部分が抽斗になっていて物が収納出来るようになっている。渋いなァ。こちらは見上げると渡り廊下みたいになっている吹き抜け部分があったりととても興味深い建物だ。調理場とは別に麺打ち場があり、手打ちしているようす。外の幟とは裏腹に品書きはうどん中心のようにも見えたが、名物と言う「あまごそば」を注文した。
しばらくして運ばれた「あまごそば」は簡単に言うとにしんそばの"あまご"ヴァージョン。甘辛く煮付けられたあまごが丸っとそのまま蕎麦にのっている。あまご特有の赤い斑点もはっきり。まずそのあまごだけかぶりついてみる。よくあるにしんそばよりは甘さが控えめで旨い。もちろん頭からいけるくらい柔らかく煮られている。そばのつゆは東海地方だと濃いめのものが多いが、こちらは色も味も薄めの味付けですっきりとしている。上から降られたゴマとのせられた貝割れ大根は好みではないが(常々、貝割れ大根や水菜って安いけど難しい食材じゃないかと思っています)、つゆまで飲み干して、ごちそうさま。(勘定は¥1,150)

↑ 現在は観光拠点となっている「郡上八幡旧庁舎記念館」(昭和11年・1936・建造 ※)。(※は国登録有形文化財)

↑ 左:庁舎のすぐ横を流れる清流・吉田川。庁舎の脇がこの景色ってすごい。右:新橋から下流の素晴らしい眺め。

↑ 左:「袖壁」のある「直井家住宅土蔵」(明治元年・1868・建造 ※)。右:「郡上八幡博覧館(旧・税務署)」(大正9年・1920・建造)。なぜ歴史的建造物の入口横を喫煙所にするかな…(怒)。

↑ 「旧堀谷医院」(大正9年・1920・建造 ※)。入口のアーチ型の屋根と手造りの欄干の意匠がかっこいい。近代建築に松っていうのが何とも言えずイイね。

↑ 左:「郡上八幡樂藝館(旧・林療院本館)」(明治37年・1904・建造 ※)。右隣りにはレントゲン棟も。右:左隣に建つ「旧・林療院看護婦棟」(江戸末期建造 ※)。

↑ 左:街中の古い建物の軒下には「屋根神様」が。しっかりとした囲い付きで、支えているつっかえ棒の意匠も凝っている。右:「庄村家住宅主屋」(明治初期建造 ※)

↑ 街のそこかしこには名も無き近代建築が散見できる。まだまだ色んな建物がありそう。

そば処 泉屋
岐阜県郡上市八幡町島谷1083
( 郡上 郡上八幡 ぐじょう ぐじょうはちまん いずみや 泉家 郡上おどり 郡上踊り 徹夜おどり 袖壁 屋根神様 有形文化財 )