天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第33期名人戦第2局/井山挑戦者が2連勝

2008-09-22 23:10:35 | プロ棋戦

第33期囲碁名人戦七番勝負の第2局は9月17日から大津市の比叡山延暦寺会館で打たれ、挑戦者の井山裕太八段が張栩名人に黒番半目勝ちし、2勝目を挙げた。第3局は9月24、25の両日、岐阜県高山市で。
 名人戦史上最年少の挑戦者となった井山挑戦者(大阪府東大阪市出身)が地元・関西での一局を勝利で飾った。1日目に築いた左辺の厚みを生かし、2日目は右辺の白を攻めながら中央に巨大な黒地をつくり、左辺や上辺で足早に地を稼いだ名人を突き放した。初の名人戦登場とは思えない、冷静で堂々とした打ち回しは、検討室の棋士たちを驚嘆させた。
 解説の結城聡九段は「序盤から井山挑戦者の充実ぶりが目立った一局だった。張名人も半目勝負に持ち込んだ粘りが素晴らしく、第3局が楽しみです」と話した。

<張名人の話>
 白48のアテで遅れてしまい、苦しい場面が多かった。逆転のチャンスはなかったと思います。

<井山挑戦者の話>
 黒119でやや優勢を意識したが、ヨセでひどい損をして、ダメかと思った。運が良かった。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

井山八段が張名人の先行逃切りパターンに焦ることなく厚みで反攻、最後は時間に追われてまぎれてきましたが10代挑戦者の堂々たる戦いぶりに周囲は驚いているようでした。

敗れた張名人は本局の前に王座戦の挑戦者決定戦(9/8、対井山八段)、天元戦の挑戦者決定戦(9/11、対黄翊祖七段)を2連勝し、これで碁聖戦、名人戦、王座戦、天元戦と4連続のタイトル戦登場となります。対局過多でこの名人戦シリーズに影響が出なければよいのですが。

井山八段が2連勝と以外と思える展開となっていますが、このままスンナリいくとは思えません。明後日(9/24)からの第3局が楽しみです。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は滋賀県大津市の比叡山延暦寺会館。寺社での対局は珍しいですが、これまでもしばしば開催されています。
多くは有名なホテル・旅館で行われますが寺社での対局も厳かな雰囲気があると思います。

比叡山というと織田信長の「延暦寺焼討ち」を思い起こします。既存の権威や勢力(朝廷・仏教など)を武力で破壊する政策には
賛否分かれるところですが、時代は異端の権力者を求めていたのかもしれません。

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