第33期囲碁名人戦七番勝負の第1局は9月4日から青森市で打たれ、挑戦者の井山裕太八段(19)が張栩名人(28)に白番5目半勝ちした。第2局は9月17、18の両日、大津市で。
シリーズ開幕戦を、名人戦史上最年少で登場した井山挑戦者が制した。各所で見応えのある接近戦が繰り広げられ、時に鋭い反発を見せながら堂々と打ち進め、ヨセでも崩れなかった。
解説の小松英樹九段は「挑戦者が(奇抜な手ではなく)本手で押し通した一局。白84と堅実に囲った一手に、自信を感じました」と話した。
<井山挑戦者の話>
1日目が終わった段階ではいい勝負と思っていた。ヨセが難しくて大ヨセでは自信がなかった。(普段の対局と比べて)すべてが全然違うが、普段通りに打てた。
<張名人の話>
どこでまずくしたかわからないが、打ちにくいと思っていた。ヨセはずっとまずかった。中央で手をかけすぎた。
(朝日新聞より抜粋)
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今回の名人戦七番勝負は最年少の井山八段の登場ということで、大きな話題となっています。
注目の第1局は十代とは思えない落ち着いた打ちぶりで、張名人の強手を真正面で受けとめて寄り切りました。
この大舞台でこの冷静さ、これから日本囲碁界の牽引車になってくれることでしょう。
敗れた張名人は8月後半の世界王座戦でベスト4に進むなど、ハードスケジュールの中での本局でした。
早めの仕掛けは国際棋戦の影響を感じますが、二日制の長丁場ではもう少し腰を落として構えてもよかったと思います。
まだ第1局が終わったばかりですが、今後の展開が楽しみです。
井山挑戦者の師匠は関西総本部の石井邦生九段。この師弟ほど緊密な関係は他にないと思います。
先日のBS-2で放送された「囲碁・将棋ジャーナル」に石井九段が解説で登場していましたが、「第1局は井山の名局でしょう」と満面の笑みでした。
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今回の対局地は青森市の「ホテル青森」。
青森県は独身時代に弘前城の桜を見に行ったことがあります。桜吹雪が見事で大変な賑わいでした。
あと思い起こすのは「津軽海峡・冬景色」でしょうか。
「♪上野発の夜行列車 おりた時から~、青森駅は雪の中~」
演歌への関心は薄いのですが、1年ほど前に亡くなった阿久悠・作詞、旅情演歌の名曲だと思います。