都内の病院で講演を依頼され1時間ほど話をさせていただいた。
内容はとてつもなく緊張した昨年6月に行った某臨床系学会で話したことを、どこで聞きつけたのかそこの病院の部長の先生が話して欲しい、とのことで、同じ話をするにしても、足りないことが多いということを反省していたので、少し肉付けしたが、まだまだわからないことが多い。
話しているうちに、あれはわかっていないの?それとも自分が(勉強不足で)知らないだけ?などと考えはじめて、しどろもどろになってしまったり、お聞きいただいた先生方のお役に立てたかは、はなはだ不安・・・。もっと勉強しないと。
遺伝性疾患に伴う病変、というのがテーマだったのだが、遺伝性疾患というと全身すべての細胞に遺伝情報が配られているので、すべての臓器に病変が起こりうる。さらに、臓器固有の役割があるので、同じ程度に異常が組み込まれていても、臓器症状は異なり、全身症状も異なってくる。まったく、こんがらがってしまう。
しかし、そこは病理医、私の尊敬する病理の大先輩の先生のお言葉
「病理医が病理医たるゆえんは、病理総論を理解しているからだ」
そう、病理総論的に考えることが私たち病理医の腕の見せ所だ。
臓器別医療は大切だが、どうしてもその臓器が代表する機能にばかり目がいってしまい、機能異常の原因を臓器そのものに求めてしまうことがままある。だが、総論的に考えれば、循環障害性の変化であるのか、炎症性の変化であるのか、はたまた腫瘍性変化であるのか、等々を理解し、病態に迫ることができる。
診断に際して、以前よりも、「”2次性”の病変」の存在を強く意識するようになったが、考えてみれば当たり前で、個体とは有機的に連結した一つのシステムなのだから、2次性どころか、高次的に、すなわち空間的に理解しないといけない。これにさらに経時的な変化も加味しないといけない。
「この病変はいつ頃からあったと考えられますか?」としばしば尋ねられるが、病理医はタイムマシーンに乗って、病変の由来を明らかにすることを要求されている。
こういったことの技術を磨いていくことが病理診断をやっていく上での楽しみでもあり、苦しみでもある。
内容はとてつもなく緊張した昨年6月に行った某臨床系学会で話したことを、どこで聞きつけたのかそこの病院の部長の先生が話して欲しい、とのことで、同じ話をするにしても、足りないことが多いということを反省していたので、少し肉付けしたが、まだまだわからないことが多い。
話しているうちに、あれはわかっていないの?それとも自分が(勉強不足で)知らないだけ?などと考えはじめて、しどろもどろになってしまったり、お聞きいただいた先生方のお役に立てたかは、はなはだ不安・・・。もっと勉強しないと。
遺伝性疾患に伴う病変、というのがテーマだったのだが、遺伝性疾患というと全身すべての細胞に遺伝情報が配られているので、すべての臓器に病変が起こりうる。さらに、臓器固有の役割があるので、同じ程度に異常が組み込まれていても、臓器症状は異なり、全身症状も異なってくる。まったく、こんがらがってしまう。
しかし、そこは病理医、私の尊敬する病理の大先輩の先生のお言葉
「病理医が病理医たるゆえんは、病理総論を理解しているからだ」
そう、病理総論的に考えることが私たち病理医の腕の見せ所だ。
臓器別医療は大切だが、どうしてもその臓器が代表する機能にばかり目がいってしまい、機能異常の原因を臓器そのものに求めてしまうことがままある。だが、総論的に考えれば、循環障害性の変化であるのか、炎症性の変化であるのか、はたまた腫瘍性変化であるのか、等々を理解し、病態に迫ることができる。
診断に際して、以前よりも、「”2次性”の病変」の存在を強く意識するようになったが、考えてみれば当たり前で、個体とは有機的に連結した一つのシステムなのだから、2次性どころか、高次的に、すなわち空間的に理解しないといけない。これにさらに経時的な変化も加味しないといけない。
「この病変はいつ頃からあったと考えられますか?」としばしば尋ねられるが、病理医はタイムマシーンに乗って、病変の由来を明らかにすることを要求されている。
こういったことの技術を磨いていくことが病理診断をやっていく上での楽しみでもあり、苦しみでもある。