きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報③ GAFA バブル化するIT大手

2018-10-07 07:31:14 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報③ GAFA バブル化するIT大手
米国の巨大IT(情報技術)企業に投資資金が集中し、バブルの様相を呈しています。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字をとって「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米IT大手4社は世界の市場を席巻。市場の独占や個人情報流出などが問題になっています。

【ポイント】
①アップル、アマゾンの株式時価総額1兆ドルを突破。資金が集中し株式バブル化
②欧州委員会がEU競争法違反でグーグルに最高額の制裁金。GAFAをけん制
③フェイスブックが約5000万人分の個人情報が流出したおそれがあると発表

他社買収で独占
8月にアップル、9月にアマゾンの株式時価総額が1兆ドルを突破しました。米企業で1兆ドルを超えたのは、同2社だけです。米国内の製造業が衰退する中、成長が見込めるとされるIT株に投資が集中しています。
売上高の急激な伸びを背景に株価が膨らむGAFAは、ゆがんだ手法でもうけを上げています。
派遣などの低賃金労働者の利用や安価で外部委託をすることで賃金を抑制しています。世界各地であげた巨額の利益は、タックスヘイブン(租税回避地)に移転させ、課税を逃れています。投資家がもたらす潤沢な資金を活用し、ライバル企業を買収。顧客を囲いこみ、市場を独占しています。



左上から時計回りに、グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックのアプリケーションアイコン



最高額の制裁金
市場を席巻するGAFAに対し、欧州は対抗姿勢を強め、けん制しています。
7月に欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、グーグルがEU竸争法(独占禁止法)に違反したとして過去最高額の43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金の支払いを命じました。携帯端末向けの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を利用して競合他社を排除することで、自社の検索ソフトの支配的な地位を強固にしたと指摘しました。
EUの欧州議会は9月に、インターネット上の音楽や映画、ニュース記事などの著作権保護を強化するため著作権に関するEU指令の改正案を可決しました。製作者側がネットでコンテンツを利用するグーグルやフェイスブックから対価を得られるようにするための措置です。欧州の通信社はグーグルなどが自社サイトで対価を払わずに「ただ乗り」でニュース記事を利用していると批判していました。

再び情報漏えい
フェイスブックは9月28日、セキュリティー上の欠陥により約5000万人分のアカウントが乗っ取られる危険にさらされていたことを発表しました。
同社は3月にも最大8700万人分の個人情報が流出。流出した情報が2016年の米大統領選でトランプ陣営に不正利用された疑いがあり、批判を浴びました。
GAFAは、自社のサービスを通じて購入履歴や閲覧履歴などの膨大な個人データを収集しています。グーグルやフェイスブックは、集めたデータを分析して導き出した個人の興味関心をもとに広告を表示する「ターゲティング広告」で広告費を稼いでいます。
今回の問題で個人情報を集めるビジネスの危険性が浮き彫りになりました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年10月4日付掲載


次々と競争企業を買収し、市場を広げ、もうけた利益はタックスヘイブンに隠す。世界のIT大手の無法さは目に余る。