Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

決勝進出国の横顔2(スペイン代表)

2010-07-11 10:48:55 | ワールドサッカー
楽しかった南アフリカW杯も、今夜未明の決勝戦で終わりです。昨日はオランダのことを書いたので、今日はスペインのことを書きます。スペイン代表は、いつも「W杯予選だけは本当に強い」とありがたくない言われ方をされてきたチームです。

確かに、予選落ちはほとんどありませんが、本大会ではいつもベスト8の壁を越えられず、4強進出も1950年ブラジル大会以来という久々のことです。決勝進出は初めてで、勝っても負けても史上最高成績になることは確定しています。

しかし、今回のスペイン代表の評価は高かったです。理由は欧州選手権で中盤のパスワークを主体にした攻撃サッカーで豪快に優勝したことと、W杯予選の10戦全勝突破です。今回こそ、「予選だけは強い」チームから脱出できるのではと期待を集めていました。ここまでの決勝トーナメントのスコアが、全て1-0だったのはスペインらしくないですが、中盤でボールが持てるスペインの良さは十分発揮されています。

また、スペイン代表は、これまではスペイン国内で意外と人気がありませんでした。Rマドリードやバルセロナという強豪チームを持つ国内リーグの方が人気があり、自分の応援するチームの選手が入っていないと代表チームといえども応援しないという雰囲気がありました。

これまで、スペイン代表は「無敵艦隊」と呼ばれていましたが、それは大航海時代のスペイン海軍の強さから呼ばれていただけで、代表チームが本当に「無敵艦隊」になったのは最近のことです。しかし、こういうテクニック主体のチームが世界を制すれば、世界のサッカーも技術重視になって良い変化だろうと、評論家たちは言います。

今のスペイン代表は、現時点で欧州No.1と言われるバルセロナの選手が多くを占めています。バルセロナも華麗なパスサッカーが売り物ですから、うまくバルセロナの黄金時代がスペイン代表に還元された格好です。華麗な国内リーグが、ようやく代表に波及したかと、遅かった変化ですが、楽しみにはしています。
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決勝進出国の横顔(オランダ代表)

2010-07-10 16:30:14 | ワールドサッカー
今回、オランダとスペインのどちらが勝っても初優勝という決勝戦になりましたが、過去の実績ではオランダが上回っています。オランダ代表のかつての英雄、ヨハン・クライフを擁した1974年、続く1978年と2度の決勝進出があります。

最近でも、ヒディンク監督が率いた1998年にベスト4があります。しかし、オランダ代表はクライフ時代こそ革新的な戦術だった「トータルフットボール」で世界中を驚かせましたが、それ以降は強いけれども脆いチームという、ありがたくない評価をされていました。

理由は人種間の対立でした。オランダはかつて世界中に植民地を持っていた強国ですから、旧植民地からオランダ本土に人が流れ込んできます。そのため、代表チームも多民族になりました。この人種間の対立のため、1988年欧州選手権で優勝し、ACミランの黄金時代を作ったファンバステン、フリット、ライカールトを擁して優勝候補に挙げられていた90年、94年のW杯をそれぞれベスト16、ベスト8で終えることになります。

オランダ協会も動きました。2000年の地元開催の欧州選手権では、監督を史上初の黒人監督になるライカールトにします。毎回人種問題でもめてきたチームは、少しずつですが結束を固めていきます。それでも、2002年の日韓W杯はまさかの予選落ちに終わりましたが、出てくればシード国入りは堅いという国になりました。

また、オランダといえば3トップのウイングサッカーという伝統も、長年受け継がれています。1994年の欧州CLでオランダのアヤックスを率いて優勝に導いたファンハール監督も、戦術は3-4-3でやはり3トップです。それが可能になるのは、オランダがスピードもテクニックも高さも常にバランス良く持っているからともいえます。

ウイングの華はやはりスピードですし、真ん中にはターゲットになる高さのある選手も要りますし、テクニックがなければクロスが上げられません。そういう総合力の高さは、高く評価されていましたが、今回はチャンスです。

W杯の戦術は世界中で流行るという「見本市」でもありますから、もしオランダが制すれば世界中がウイングサッカーブームになるかもしれません。Jリーグの俊足選手はそれを秘かに期待しているかもしれません。
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W杯決勝プレビュー

2010-07-10 12:09:03 | ワールドサッカー
W杯決勝は日本時間では月曜未明と、社会人には最悪の時間なので、私は録画観戦の予定ですが、一番見たいカードになったという喜びもあります。皆さんご存知の通り、オランダ対スペインですが、両チームとも華麗な攻撃サッカーで、しかもタイプが全く異なるところに魅力を感じます。

オランダは3トップのウイングサッカーですが、今のチームの得点源はトップ下のスナイデルです。オランダのいいところは、左右からクロスを入れることさえできれば、逆サイドのウイングやスナイデルがヘディングでゴールを狙えるところです。

まだ、今のところトップのファンペルシーのボールコントロールのうまさは見られていませんが、オランダのもう一つの長所としてベンチにいい選手が控えている点もあります。攻撃的なポジションならどこでもできるファンデルファールトや、高い身体能力を持つウイングのエリア、イタリアの名門ACミラン所属のFWフンテラールがいます。

オランダがクロスで勝つチームなら、スペインはボール支配率の高さで勝つチームです。結果的には決勝トーナメントの全試合が1-0なので、その中盤のテクニックがゴールに直接結びついている場面はあまり多くありませんが、バイタルエリアでドリブルが出るようだと、ゴールの可能性は高まります。

大会得点王を狙うFWのビジャはポジショニングのうまさで勝負するタイプで、言い換えると「おいしいところを持っていく」FWです。しかし、うまいだけでは点が取れないのがサッカーですから、こういうタイプは一人は必要です。

スペインは今回のチームは真の意味で「無敵艦隊」と言えます。スペインのように国内リーグがお金持ちのチームの場合、イングランドのように代表選手が国内のトップチームでプレーできなくなるという課題があります。

しかし、今回のスペイン代表はRマドリードやバルセロナの選手を多く含みます。スペイン代表選手が自ら力をつけ、国内リーグに集まってくる外国人選手に勝ってポジションを取ったことを意味します。特にバルセロナの選手が多く並ぶ中盤はバルセロナと同じ連携を見せています。

オランダがこの連携を止められるか、それともスペインが試合を支配して勝つか、楽しみな試合です。
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スペイン版中澤佑二(プジョル)

2010-07-09 19:15:50 | ワールドサッカー
W杯の準決勝、スペイン代表のヒーローになったのは決勝点のゴールをヘディングで決めたCBのカルロス・プジョル選手でした。代表89試合で3ゴールと、得点で評価される選手ではありませんが、練習でやっていた形だったようです。

プジョルはスペインの名門バルセロナで長年CBを務めるベテランですが、そのデビュー時が日本代表DFの中澤佑二選手に似ています。以前、中澤のことを「チームで一番下手だが、チームで一番努力する」と書いたことがありますが、プジョルも若い頃はそういう選手だったという話を聞いたことがあります。

しかも、バルセロナのCBと言えば毎年のように補強ポイントに挙げられ、チュラム(元フランス代表)やマルケス(メキシコ代表)らを実際に補強されています。そういうメンバーに勝って、バルセロナのCBを守り続けているのは並大抵の努力ではないでしょう。

今は30歳も過ぎて、頼れるベテランという位置にいるでしょうが、この膠着した試合のヒーローにプジョルがなるのは誰もが予想していなかったでしょう。W杯準決勝、DFのヒーローと言えば、昔似たような状況がありました。

それは1998年フランスW杯準決勝のフランス対クロアチア戦、先ほど名前が出た当時若手だったチュラム選手です。チュラムは当時セリエAのパルマに所属していましたが、同僚のクロアチア代表のスタニッチがチームメイトに話していたのは「守備は堅いが攻撃力はないに等しい」ということでした。

しかし、この試合、代表140試合で2点というチュラムは、その2点をすべてクロアチア戦で挙げる活躍でチームを決勝に導きます。当時、CBもできる守備力があったチュラムは、代表にデサイー、ブランというCBがいたため右SBとして起用されており、ドリブラーに絶対の自信があったチュラムは相手の左サイドにドリブルさえされなければいいという起用でした。

チュラムにしても、プジョルにしても、これだけ長いキャリアを誇っていれば、DFといえども「人生最高の日」はあるものだということです。プジョルにとって、人生最高の日になったこのドイツ戦のことは、生涯忘れないことでしょう。
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ロッベン対策(7/6オランダ対ウルグアイ)

2010-07-08 21:27:30 | ワールドサッカー
ウルグアイは4強に残ったチームの中で、唯一堅い守備からのカウンターを得意にするチームカラーです。これまでに決勝トーナメントで対戦した韓国もガーナもウルグアイ戦は結構ボールを回せていました。

私を含め、多くの方がオランダの攻撃力の前にはウルグアイの苦戦は必至と思われたことでしょう。しかし、ウルグアイはこのオランダ戦でも持ち味の守備力を見せてくれました。一番それを感じたのはロッベンに対する守備です。

決勝トーナメント1回戦で対戦したスロバキアが、ロッベンの最も得意な左足シュートで失点しているので、準々決勝以降の相手は明確にロッベン対策を立ててきました。ブラジルはロッベンを敢えて得意な内側にドリブルさせ、ダブルボランチでブロックを作って奪いました。

ウルグアイはロッベンが比較的右足のシュートを苦手にしているため、ブラジルのように人数は掛けませんでしたが、縦へなら行かれてもいいという守備をしてきました。これでロッベンはほとんどシュートを打てず、ボール支配率はオランダの方が上でも、やりたいサッカーをやっているのはウルグアイという前半でした。

しかも、ウルグアイの方はフォルランのスーパーゴールで追いついて前半を折り返したのですから、気分的にはウルグアイ有利と言ってもおかしくない展開です。それをひっくり返したのは、オランダ監督ファンマルバイクの采配だったと思っています。

ボランチのデゼーウを下げて、トップ下タイプのファンデルファールトを入れる交代でしたが、確かにウルグアイが守備的に来た以上、一枚は守りの駒を減らしても良い状況で、しかもファンデルファールトは走力もありますから、積極的にトップ下のスナイデルを追い越してゴール前に侵入してきました。

攻めの駒が、3トップとスナイデルの4人だけなら守り切れるという計算を、ウルグアイのベンチはしていたでしょうが、この「刺客」への対応は遅れ、オランダ得意のウイングサッカーを出させてしまいます。高さもあるオランダにとっては、サイドからクロスを供給できるだけでチャンスになります。

その結果、ロッベンに予想外のヘディングシュートが生まれ、スコア的には3-2ながらオランダが底力を見せた試合だったと思います。決勝戦のプレビュー記事は後日書きますが、スペインの中盤サッカーとオランダのウイングサッカーという異質の攻撃サッカーの対戦は今から非常に楽しみにしています。
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真夏の雪

2010-07-07 18:47:35 | 雑記
昨日のオランダ対ウルグアイは見ていないので、今日は穴埋めネタで失礼します。だんだん暑さが厳しくなり、真夏の到来も間近という季節になると、真夏に涼をもたらす「真夏の雪」にありがたさを感じた経験があります。

今では冷凍技術も発達したので、武蔵浦和のショッピングセンターが客寄せに真夏の雪を持って来られるようになりましたが、私は少年時代、大自然の中で真夏の雪を経験したことがあります。

当時小学五年生だった私は、ちょうど鉄道に興味を持ち始めた頃で、立山黒部アルペンルートの次々と違うタイプの乗り物でたどれる旅は楽しみにしていました。しかし、その旅は誤算からスタートした旅で、中央本線が台風の影響で不通になりバスの旅になり、時間の都合で松本城などは飛ばされてしまいました。

ホテルに着いたのも暗くなってからで、せっかくの「ホテル黒四」が食事しただけですぐ寝てしまって、宿の雰囲気も味わえませんでした。このまま終わったら悪い旅という印象が残ってしまったでしょう。

しかし、翌日のアルペンルートの旅がその苦しさを消してくれました。トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェーなど、いろんな乗り物が出てくるのは楽しかったですが、今でも家族で話題になるのは室堂高原の雪遊びです。

室堂高原はアルペンルート最高地点なので、軽く散歩のつもりでレストハウスの周りを歩き回ったのですが、ある程度まとまった残雪があり、しかもおあつらえ向きの段ボールまでありました。

これは雪遊びしかないと、子供心に思った私は、3つ下の弟と二人で思う存分雪遊びしました。全く予想していなかった遊びですが、アルペンルートの乗り物の印象が吹っ飛ぶほど楽しかった時間でした。

この旅は、生まれて初めてビジネスホテルの一人部屋を経験した旅でもあります。ユニットバスは正直、今でも好きではありませんが、何か一つ大人への関門をくぐったような気持ちになったのが当時の記憶です。
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祖父の命日

2010-07-06 21:30:31 | 雑記
祖父の命日が今月9日に近づいてきました。祖父が亡くなったのは2002年W杯の年で、W杯期間中は涼しい日もあった気候が、決勝戦の行われた6/30以降、急激に暑くなりました。それ以前から一切の食物を受け付けなくなっていた祖父は、24時間点滴につながれて最後の寿命を全うしようとしていましたが、90代の祖父にはこの暑さは相当堪えたらしく、自宅で朝起きてこられない死でした。

祖父が孫である私に与えた影響は計り知れません。祖父は相撲と野球が好きなスポーツ愛好家で、相撲に関しては見事遺伝?です。最初の頃はまわしの色で、何色頑張れとやっていた少年時代でしたが、北の湖、初代貴ノ花、輪島らヒーローの名前を覚えると、特に初代貴ノ花には小さいからだで頑張る闘志を感じていました。

また、祖父の思い出といえば、指せなかった最後の対局という思い出があります。当時病気で自宅療養中だった私を心配した祖父が、kobby(私の名)将棋指さないかと言ってきました。将棋を指さなくなって何年も経っていた頃なので、盤と駒が見つからず指せなかったのですが、もし指していたら対局内容とか何年も覚えていただろうなと、無念の思いで振り返ります。

祖父の残したものも我が家には結構残っていて、庭の菊の花は祖父の時代から育っているものです。祖父は植木が好きで、元気だった頃は大輪の菊の花を咲かせることもできたのですが、そこまでの愛好家は我が家にはおらず、一部母が水をやったりして庭の手入れを受け継いでいます。

そんな祖父も、来年は生誕100年になります。有名人なら生誕100年は派手に祝うのでしょうが、我が家は「そういえばこの日だね」と言及する程度にとどまるでしょう。祖父が生まれた時代はまだ時代は明治、荒川の土手が決壊して舟で避難する道中で生まれたと父から聞きました。戦争中の米軍の機銃掃射も辛うじて逃れたという激動の時代を生きた祖父でした。

祖父が今生きていたら聞きたいことはたくさんありますが、関東大震災当時14歳だったので覚えているはずです。あの当時、どこで何をしていたか、そんなことを聞き損ねてしまったのは悔いが残っています。
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そろそろ浦和ネタ

2010-07-05 18:49:01 | 浦和レッズ
W杯も準々決勝を過ぎて、試合の間隔が空いてくると思わず浦和レッズのことを考えてしまいます。今日、スポーツ紙のサイトを見たら「浦和4-1-4-1採用か」という記事がありました。岡田ジャパンと同様に阿部勇樹をアンカーに置くのではという推測記事です。

浦和が大原の練習で4-1-4-1を試したのは事実のようなので、昨年の夏場の失速を反省して新たな挑戦に出るのは悪いことではありません。メンバー的に推測すると、「1」のアンカーは記事通り阿部勇樹が有力です。「1」のトップはエジミウソンで間違いありません。

問題は中盤の4人にどういうタイプを置くかです。ポンテは均等に守備を分担する4-1-4-1が得意なMFではありませんが、フィンケ監督の信頼の高さを考えるとスタメンに入ると思います。

ポンテをウイングに置くかインサイドハーフに置くかはフィンケ監督の考え次第で、ウイングなら3トップ気味の位置に入るでしょうし、インサイドハーフならボランチ気味にロングパスを供給する役割になるでしょう。

ただ、ポンテがインサイドハーフなら守備力の不足に手当てをする必要がありそうで、細貝を逆サイドのインサイドハーフで使う必要があるでしょう。ポンテがウイングの方が戦術的自由度は高そうで、インサイドハーフに柏木と山田直輝を置く強気の策もありそうです。

梅崎に出番があるとすればこの場合だけで、戻らないポンテの分守備もしながら逆サイドのウイングで突破を狙う得意なプレーが出せる可能性があります。ただ、この場合左ウイングのポジションを争うのはエスクデロ、原口、山田直輝らがいるので、梅崎にスタメンは保証されていませんが。

また、このシステムになるとサヌをどこで使うつもりなのかという疑問もあります。インサイドハーフはできなそうですし、ウイングにしてもポンテらの壁があります。左ウイングが最有力ですが、サヌがスタメンになれないようだと、開幕前の補強は何だったということになります。
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パスも回せる(7/3ドイツ対アルゼンチン)

2010-07-04 20:50:07 | ワールドサッカー
ドイツ対アルゼンチンの準々決勝は、前半3分という早い時間でドイツに先制点が入ったことは一つの試合を動かす要因になりましたが、それだけがドイツの勝因ではありません。正直、ドイツは1次リーグでセルビアに敗れていますし、しかも決勝トーナメントの組み合わせがイングランド、アルゼンチンとなったときはおそらくここは突破できないだろうと思っていました。

過去のドイツ代表は現実主義者の面白くないサッカーの象徴とされ、ワールドサッカーのファンにドイツファンは意外と少ないです。今回もそんなチームなのかなと思い、これまでの試合は見ていませんでした。

しかし、このアルゼンチン戦を見ると、ドイツの華麗なサッカーに魅了されるという予想外の展開が待っていました。ボランチの位置が堅いアルゼンチンに、あれだけ敵陣でキープしてパスを回し、ボランチのケディラ、シュバインシュタイガーが入れ替わりながら攻撃参加してくるチームは、なかなかボールが持てず苛立って下がってくるアルゼンチンのメッシを上回るインパクトがありました。

ドイツは勝ち方もいいです。焦って前がかる相手をカウンターで仕留める術も熟知していて、後半クローゼは2得点を上げ、ついに母国の英雄、ゲルト・ミュラーの14得点に並びました。クローゼは所属のバイエルンでスタメンを外され、今回の代表ではあまり期待されていませんでしたが、肉体改造で過去2度のW杯時の好調を思い出したようです。

また、面白い選手はFWのエジルです。今はドイツのブレーメン所属で、ビッグクラブには所属していない無名の存在ですが、キープ力とパスセンスはかなりのものを持っており、このW杯の活躍で世界中からオファーが来そうな活躍です。ドイツは中心選手のバラックが直前の負傷で出場できなくなりましたが、ベテランから若手までバランスの良い活躍で、レーブ監督の采配も評価されています。

次のスペイン戦も、これがW杯の準決勝だという熱い戦いが予想されており、2008年欧州選手権決勝戦の再戦になるこの一戦に、ドイツはリベンジを賭けているでしょう。当時のメンバーは半分程度しか残っていませんが、面白い試合を見せてもらいたいものです。
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崩れた計算(7/2オランダ対ブラジル)

2010-07-03 22:20:50 | ワールドサッカー
ブラジルは今回のW杯は組織力で戦っているという話はマスコミ経由では聞いていましたが、映像では出来の悪かったポルトガル戦しか見ていないので、事実上初観戦になりました。その組織力が表に出たのはオランダの右ウイング、ロッベンに対する守備でした。

どうやら、ロッベンは右足でのシュートはあまり得意ではないようで、ブラジルの守備陣が左足のシュートコースを消しに行くと、ロッベンは内側にドリブルで切れ込んでブラジルDFの網に掛かってしまいます。逆に行けばフリーになれるのですが、ロッベンの癖を見抜いたブラジルが徹底的に相手のいいところを消しにいくサッカーを選択しました。

そうしながら、驚異的な長いスルーパスで先制点を得たことで、ブラジルの慎重さは輪がかかります。日本相手に華麗なサッカーをしたオランダが、ブラジルには何もさせてもらえない、そんな印象が時間とともに強くなった試合でした。

そのため、この試合が2-1でオランダの勝利に終わった事実には驚いています。確かに時間とともにサイドの運動量が落ち、オランダ得意のウイングサッカーが徐々に発揮できるようにはなってきましたが、同点ゴールのオウンゴールでブラジルのメンタル面が落ちたのかもしれません。

徹底的に相手のいいところを消しに行く、今回のブラジルサッカーは1-0が理想だったでしょう。そのシナリオが崩れたことで、逆転ゴールを食らい退場者まで出してしまう自滅で、最初から地味なサッカーを展開した強豪ブラジルがまさかの敗北という結果になりました。

この結果を受け、ドゥンガ監督は辞任を表明します。一見、大物監督候補が誰もがやりたい地位であるようなブラジル代表監督が、実は人気がなく、今回も監督経験のなかったドゥンガに任せざるを得なかったことはブラジルサッカー協会では問題になっているでしょう。

しかし、出てくれば常に優勝候補のブラジルは、次回の大会が地元開催で予選免除なので、今度こそ優勝が至上命題になるでしょう。どうやってチームを立て直すか、今度見る機会は日本代表も出場する来年の南米選手権でしょう。
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