北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

褒めて人を伸ばす「陰褒め(かげほめ)」

2008-10-16 23:48:25 | Weblog
 今日は小学校の新米教師をしている娘のクラスで教育研修があったのだそうです。科目は社会科。同じ市内の先生方が教室の後ろで授業の進め方を見ながら参考にしたり、反面教師にするわけで、教壇に立つ娘もさぞ緊張をしたことでしょう。

 娘の小学校の近くの小学校には、私が親しくさせていただいているA先生がおられて、前日に「こままささん、明日私が行ってお嬢さんの授業を見てきますから」という連絡がありました。ありがたいやら心配やらでちょっと複雑な心境です。

 昼休みにそのA先生から電話がありました。

「こままささん、お嬢さんの授業を拝見してきました…」
「ど、どうでした…?(ゴクリ)」

「いやー、新任の先生としてはなかなか上手。合格ですよ」
「ええ?ひいき目に過ぎるのではありませんか」

「いえいえ、一緒に授業を見ていた他の先生たちからも『あの娘は新任なんだよね』という声が上がっていましたからね。そうそう、写真も送っておきますね」
「あ、ありがとうございます。なんだかほっとしました。それにしてもAさん…」

「なんでしょう?」
「直接本人におっしゃらずに間接的に評価を伝えるというのは、お上手ですねえ、陰褒めが」

「え?ふふ、お嬢さんによろしくお伝えください」

 A先生からは早速授業の風景の写真が送られてきました。ふむふむ、結構頑張っているようで、またそれを回りの先生たちが一生懸命支えてくださっている様子が目に浮かぶようです。ありがたいですねえ。

    ※    ※    ※    ※

 「陰褒め(かげほめ)」とは直接本人を褒めずに、それを間接的に人づてに伝えることで褒める手段です。

 直接本人を褒めてしまえば、それは二人だけの関係で閉じてしまいますが、第三者に「あの人はなかなか上手だったよ」と言うと、その情報は巡り巡っていつか本人に「あの人があなたのことを褒めていたよ」という第三者との関係を取り込みながら伝わります。

 一定の評価が第三者を経由して伝わることで、それを周りの人も知っていると思うと本人の喜びも倍になります。

 情報の主は、「あいつはよくやっている」と同じ事をたくさんの人に言うと、巡り巡ってたくさんの人から「頑張っているんだって?」と褒められます。これが褒めて人を伸ばす究極の技、陰褒めの極意です。

 これが逆に「あいつはダメだ」という批判が伝わるとこれは陰口。聞こえてくると気分が悪くなりますね。

    ※    ※    ※    ※

 人のほめ方にもいろいろあるのですが、さすがにA先生、そのあたりも心得ていらっしゃる。

 今日は気分良く娘に「おい、A先生が褒めてくれていたよ」と伝えることが出来ます。

 こんな高度な技を娘が使えるようになるのはいつの日かな。 
コメント
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