北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

孫に釣りを教えるのは爺さんの役目

2024-10-07 22:30:30 | Weblog

 

 この週末に知り合いの米農家さんが「今年も無事収穫完了で収穫祭をやるから来ないか」という誘いがありました。

「家の近くでヤマベも釣れるぞ、入れ食いだ」というので、孫に釣りをやらせたくて婿さんと孫たちを誘って参加してきました。

 収穫祭と言っても、大きな倉庫を開放して、餅つきはあるわ、料理が得意な人がホテル並みのオードブルを持ってくるわ、鹿撃ちがシカ肉料理を持ってくるわ、挙句には近在のホテルの和食料理長なる方がシカ肉で寿司を握ってくれるという豪華料理の山。

 また友達の多い農家さんなので、我々のような札幌はもちろん、遠方から車中泊でやってくる人数が多くて大賑わいの一日でした。

 もちろんお酒も飲み放題でしたが、運転手の私はぐっとこらえて忍耐。

 まあ下手に飲んでいたらどこまで飲まされたことやら(笑)。


    ◆


 で、孫たちのヤマベ釣り。

 もともと餌釣りの経験などないので、釣り道具はイカ釣りの竿とリールとラインを持参して、そこにヤマベ釣り用の針と浮きと錘をつけた即興のヤマベ釣りシステムです。

 餌は一応瓶詰のイクラを持参して孫二人にやらせてみたのですが、下の孫がウグイを一匹釣っただけで全くヤマベは釣れません。

 前日は雨で少し川も濁っていたこともあって「魚なんているのかねえ」と下手さを棚に上げて魚がいるかどうかを疑問に思うようになっていました。

 子供が釣りをしていると、収穫祭に参加していた人が珍しがってわらわらと集まってきて、最後には主催者の農家さんも登場。

「餌は何をつけてんだ?」
「え?買ってきたイクラですけど」

 そう言うと、「素人はこれだからだめだ!そんなもの釣れるわけがないべ!」と一蹴。

「ちょっと待ってろ」と近くの斜面の藪にガサガサと入っていきました。

 待つこと数分、にやにや笑いながらやってくると「これだ、これを使えば百発百中、これでなきゃ釣れねえんだ」と持ってきたのは体長3センチ、太さ3ミリほどの白い芋虫。

 掌の上でウネウネと動いています。

 女性人は「キャー、気持ち悪い」と叫びますが、「これが一番なんだ、どら、竿を貸してみろ」と針の先に芋虫をひょいとつけました。

 孫に竿を戻して、「流れの強い水の落ち口にポトンと落としてみな」

 すると…なんと数秒で体調10センチのヤマベがかかりました。

「かかった!竿を上げて!」「おー」「すごーい」 周りは大歓声です。

 魚を外してまた溜まりに投げると、流れていったのを2~3回ほどピックアップして上流に戻すとまた釣れました。

 この餌なら孫でも簡単に入れ食い状態です。

「あの餌の虫はなんですか?」と訊くと、「この時期、もう遅いかな、イタドリに入っているイタドリムシさ。渓流釣りの最強餌だよ」


 せっかくなので、イタドリの生えているところまで行って探し方を教わりました。

「イタドリは茎が中空になるけど、そこに穴が開いているものがあって、そこに虫が入っている。遅いとさなぎになったり成長して出ていくけど、たまに白いのが見つかる。これが見つかればもう魚はイチコロだ」

 ところが確かに穴の開いたイタドリは見つかりますが、それを割ってもなかなか虫が見つかりません。

「ああ、この辺のイタドリは俺と孫が先週探して取りまくったからな。そうそういないかもよ(笑)」

 それでも下の孫のためになんとか一匹と思って探し続けると、「いた!」

 ようやく一匹を見つけることができました。

「取れたよー」と勇んで戻ってきて、もう一人の孫の針につけてやりましたが、なんと一投目に草に引っ掛けてロスト。

 ちょうど「お餅がつけたよー」と声がかかって釣りは終了。

 釣果はヤマベ4匹でしたが、次回からイタドリムシを採取して臨めば爆釣は間違いないことでしょう。

 なおこのイタドリムシなるものは、正式和名は「アズキノメイガ」という蛾の幼虫で、野菜も食い荒らすので農家さんからは嫌われているとのこと。

 嫌われ者が役に立つとはねえ。

 孫に釣りを教えるのは爺さんと相場が決まっています。

 来年の孫との釣りが今から楽しみです。

 

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