北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

介護職員初任者研修の受講 ~ 職務の理解

2023-02-06 22:04:08 | 介護の世界

 

 いろいろあったこの週末、土曜日は介護職員初任者研修が始まり、第一回目の講義を受講しました。

 平日は仕事があるため私の受けるコースは、毎週土曜日を丸々一日使って15日間のスクーリング(対面授業)を受けるもので、2月4日から始まって最終講義は6月3日の土曜日で、その日の午後に修了試験を受けることになります。

 受講会場は札幌駅前近くのビルの9階で自宅からはバスで通うことになります。

 この日は講義初日と言うことで、まずは事前に送られてきた受講証と写真など必要な書類を持参して受付をします。

 教室は4部屋あってこの日は第一教室に案内されました。

 それほど大きくはない教室ですが、一番奥の壁前にはマジックで書き込めるような白板があって、それに向かって机が三つと椅子が三つ、それぞれの机にはテキストなどが置かれていました。

 なるほど、今回のコースを受講するのは3名と言うわけですね。

 テキストは分厚いものが3冊あって、これからこれで勉強を重ねるのです。

 
      ◆


 はじめに30分ほどのオリエンテーションがあって、出席の取り方、受講終了の確認、休んだ場合は補講もできますが、他のコースの同じ科目がある日まで待たねばならぬこと、一科目でも履修しなければ修了試験は受けられないことなどが説明されてゆきます。

 大体朝9時30分から16時30分までの講義で、1時間につき10分ずつの休憩が入ります。

 今回の受講生は3人と言うことで初めにそれぞれ自己紹介がありました。

 私は64歳で今後のことを考えて介護を勉強してまずは初任者研修資格を取りたいという受講動機。

 二人目は49歳の男性で、昨年12月から介護関係の施設で働いており、「無資格でもできることはありますが、やはりちゃんと勉強して資格を取る方が良いと思ってきました」とのこと。

 三人目はなんと65歳の男性で、やはり介護施設の小規模多機能居宅介護事業所で働いている方で、こちらも今後のために資格取得をめざしているとのことでした。

 介護と言うと女性が8割の職場なのですが、今回はおじさん3人で勉強を進めます。

 
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 今日の初日の講義は「職務の理解」という科目で6時間の授業。

 親子三世代での暮らしから核家族化が進み、介護を家族の役割から解放して社会の問題としてとらえざるを得なくなった1997年、介護保険法が誕生し2000年に施行されました。

 この法律によって、介護保険制度が作られそれに基づいて各種の介護事業が行なわれ、その内容も時代とともに充実してきました。

 介護保険法第一条に「目的」として、その精神が謳われています。

 曰く「この法律は、【加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病】等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、【機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者】等について、これらの者が【尊厳を保持し】、その有する【能力に応じ】【自立した日常生活を営むこと】ができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする」とあります。
 
 「介護」と言うと、昨日の衰えた高齢者を世話する、ということばかりが頭に浮かびますが、そこには、要介護者の【尊厳を保持し】【能力に応じ】【自立した生活】に繋がるようなサービス給付をするのだ、と言います。

 相手がやれることまで代わりにやってあげるのではありません。

 しかも相手には「尊厳がある」ということを忘れてはならないのだ、と言います。

 テキストと一緒に柔らかいものが入ったビニール袋が置いてありました。

 中身を見ると紙おむつでした。

 講義が進む中で受講者は、紙おむつを装着しておしっこをしながら一晩寝るという体験がプログラムされています。

 紙おむつで排泄をすることでどんな気持ちがするものかを自ら体験しなくては、それを勧めなくてはならない者にはなれないということです。

 女性の講師に質問をしました。

「先生もおむつで排泄体験をされたのですか?」
「しました。本当に気持ちの良いものではありません。皆さんも体験すると良くわかると思います」


 介護の道は遠くて長いぞ。

 

コメント
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