自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

「大往生…」  その③

2012-06-02 05:54:42 | 推薦図書
P.53 介護の ”拷問”を受けないと、死なせてもらえない

死に際の苦しみには医療による”虐待”ばかりではありません。
介護による"拷問”もあるのです。それも、いい看取りを行っていると
自負のある介護施設で起こりがちなのです。

それは、医療者ができることはすべてやるのが使命と考えていることと
根は一つであるような気がします。(中略)

例えば死が迫ってくると、当然、食欲は落ちてきます。すると、
家族はカロリーの高いものを食べさせようと努力します。(中略)
少量で高カロリーのものは油っこく、健康人でも、食欲がないときには
なかなか口にできないように思われます。それを無理矢理死にかけの
病人の口の中に押し込むのは、どうなのでしょう。

(中略)

P.55 死に際には、飲み込む力も弱ってきます。しかし、心優しい
介護職員は一口でも一匙でもと使命感に燃えて涙ぐましい努力をします。
その結果、喉元にものが溜まってゴロゴロと音がして苦しみます。

そうすると、鼻から管を入れて、それを吸い取る「吸引」という荒業を
施さなくてはいけません。これは、死にゆく人間を二重に苦しめることに
なっているのですが、介護職員にはあまりその感覚はないようです。

P.56 無理やり飲ませたり食べさせたりせず、穏やかな”自然死”
コースにのせてやるのが本当に思いやりのある、いい”看取り”の筈です。
時には介護においても、できることであっても控える方がよいことも
あると考えなくてはいけません。
コメント
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