P.30 ポリアモリー実践者は「パートナーになること」と
「所有すること」は異なることと考える。さらには、
パートナーを所有しようとする行為には、
互いの成長を邪魔する危険があるという。
たとえば、
「二人の子供がいる親が、一人の子供を持つ親より
愛情を注いでいないとはいえないだろう。
愛は人数によって分解されるものでも、有限なものでもない。」
つまり、愛は無限だからこそ、排他性に拘る必要はなく、
互いを束縛する意味もないのである。
P.31 ポリアモリーは一夫一妻制のアメリカで誕生した性愛スタイル。
ポリアモリー実践者は<1対1>の性愛を自明とする社会において
あえて複数愛を生きている。
つまり、ポリアモリーには、「社会規範に囚われない愛」
「自らの意思と選択に基づく愛」という側面がある。
(中略)
彼らの強調点は、
「社会規範や婚姻制度を漫然と受け入れるのではなく、
自分の意思で付き合う相手の人数を決めることが大切だ」
ということである。
アメリカ生まれ、、、などと聞くと、
「知らんわけだ!」と思いますが、P.31には日本の有名人の例が。
紹介されているのは、岡本太郎の父母である岡本一平と岡本かの子。
へぇ~~~っと思いますが、古今東西、芸術家や有名人の間では、
「あったり前」のことらしいです。
岡本一平の妻・かの子に対する考え方が面白いです。
P.32で妻の不倫相手から「奥さんをください」と言われたとき、一平は
「かの子をぼくから奪わないでくれ。(中略)ぼくにとって
かの子は生活の支柱だ。いのちだ。(中略)世間の道徳や
世間の批判など問題じゃない。きみたちがどんなことをしてもいい。
ただ、かの子をぼくの生活から奪い去ることだけは許してくれ」
P.33 一平は自分以外の者を愛するかの子をかけがえのない
存在としており、他方、かの子も茂雄や亀三が現れても、
夫である一平との関係を絶つことはなかった。
岡本太郎氏は、そんな両親の生き方を誇りに思っているそうです。