著者・田中氏(建築家)の義父の方は約6年半の
老人ホーム生活後にホスピスで最期を迎えられたそうです。
費用的には大変そうですが、理想の逝き方を考える上では
とても参考になります。
p.32 ホスピスの一般的な入居条件は、
末期ガンなどで余命宣告をされていること
義父さんのホスピス暮らしは人生最期のたった2週間だったそうですが、
身内とのゆったりとした時間を過ごし、<意識が薄れるなか、>
ベッドに寝かせたまま敷地内の庭園の散歩や、ピアノ演奏を聴いたり、
愛犬との十分な触れ合いなどを楽しまれたそうな。
「いいわねぇ~~、お金のある人は・・・・・」と羨むだけではいけません。
これに近い介護を自宅で安価に受けられるのが最高なのですから、
こういった本を読んで勉強する必要があるわけです。
p.35 ホスピス先進の欧米では治療のための機能性が要求される
病院と違って、ホスピスでは快適な環境が患者の苦痛の
緩和に大きな影響を与えるとして、室内の装飾、照明、食事、
娯楽、介護にあたる人達との人間関係などにきめ細かく留意
しているそうだ。
ホスピス内は温かい家庭的な雰囲気が溢れており、どこも
緑の木々や草花に囲まれてゆったりとした庭園での散歩が
毎日できるようになっている。
これら欧米のホスピスの理念は
よりよく生きるために行う援助のすべてを指し、
決して単なる「死に場所」ではない
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p.36 まだ日本ではホスピスは絶対量が少なく、質より量も必要な
段階なので、それが悪いと言うつもりはないが、
一刻も早く欧米レベルの居住空間を実現するホスピスが
増えることを望む。
つまり、本当に快適な(幸せに満ちた)最期について、
お役所や病院関係者はもちろん、一人一人の国民が真剣に考える・
準備することが必要だということのようです。