東京散歩シリーズ、御茶ノ水駅周辺の第1回。今まで東京駅や池袋西口を書いたけど、今回のお茶の水も僕にはとても印象深い街だ。今書き分けたように、駅名は「御茶ノ水」で、地名は「お茶の水」だという。元は湯島の高台と駿河台は同じで、江戸時代に神田川を通して江戸城外濠とするとともに、日本橋に引く上水とした。だから隣の駅が水道橋。御茶ノ水駅周辺は、深い峡谷風の景観になってるけど、これがあの「神田川」の一部なのである。ここら辺には、いろいろなものが集中している。大学や予備校、病院、書店、古書店、楽器店、スポーツ用品店、カレーショップ…東京でもとても個性的な街と言える。
そんな中でも、御茶ノ水駅の真上を通る「聖橋」(ひじりはし)の由来となった、2つの聖堂はもっとも見所が多い場所だと思う。特にニコライ堂。僕と御茶ノ水の関わりは次回に書くが、小学生時代から御茶ノ水周辺に来てた。学生運動を弾圧した催涙弾の匂いに満ちていた、そんな時代にも、時代を超越したニコライ堂の雄姿に感激したものである。単に御茶ノ水だけでなく、東京を代表する宗教建築物だと思う。
僕が御茶ノ水によく来たのは、東京メトロ千代田線が出来て、自分の家から行きやすかったからである。その新御茶ノ水駅からJR(国鉄)に出るエレベーターは、子供にとっては信じられないほど深く長いもので、最初は怖かった。その出口のところが最近少し変わった。聖橋際の日立本社跡に開発された「お茶の水ソラシティ」が4月に開業、地下鉄駅と直結した。エレベーターで昇って外へ出ると、ニコライ堂の偉容が目に入る。前庭にちょっと高くなっている部分があり、名前はないが「ニコライ堂展望台」という感じ。
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近づいて行くと、ビザンチン様式の美しい建物が様々に見えてくる。ここは公開していることは知ってたけど、時間が合わなくて今まで入ったことはなかった。1時から4時(10月~3月は3時半)に300円を払えば、見学できる。ただし、写真は撮れないので、ここに載せることはできない。案内とローソクをくれて、灯をともして静かに瞑想していれば、ここは東京でもとても心落ち着く空間だと言える。
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さっきから「ニコライ堂」と通称を書いているけど、本当の名前は「東京復活大聖堂」で、ニコライは幕末から明治時代に、日本に正教会を伝え、この聖堂を建てたロシアの司祭。重要文化財指定で、日本にある最も美しい宗教建築のひとつだろう。1891年に建造、関東大震災でドームが崩壊したが、6年の歳月をかけ復興したという。正教会に全世界を統括するローマ教皇にあたる人はいなくて、ここが「日本正教会」の本山となっている。だから教会に上にある聖画にも日本語が書かれている。
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とにかく写真映えするのでいっぱい撮ってしまったので、まあ載せておきたい。近くもいいけど、聖橋の向こう、湯島聖堂のあたりから駅越しに見るのもとてもいい。
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さて、もう一つの聖堂が、湯島聖堂。史跡に指定されている。日本史の教科書に必ず出ている、徳川綱吉将軍が建てた日本の儒学の総本山と言える場所。ただし、関東大震災で焼失し、現在の建物は1935年に再建され、戦後に補修されたものである。それにしても、江戸時代以来の湯島聖堂が今も生きて活動し、儒学を講じているというのにはビックリである。漢文検定も行い、学力向上の鉛筆なんかも売っている。近くの神田明神などと協力して「イジメを考える」という講演も8月3日にある。ここは今も生きて活動しているのである。でも、僕はそのことは最近まで知らなかった。入ったこともなかった。駅からすぐそばだから、歴史ファンは必ず行くべき場所だ。
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聖橋の上から右下に見えてくる緑の場所がそれで、橋を渡ると階段がある。そこから入ると「入徳門」があり、これは震災で焼けずに創建当時(1704年)のものだそうだ。門をくぐり、正面に大成殿がある。一番大きい建物で、お寺の本堂という感じ。少し行くと、孔子像がある。
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そこから回って正面に出ると、聖堂を管理する斯文会の建物。購買もある。でもコンクリの建物で、全体として建造物の文化財としての美しさはニコライ堂に及ばないのが残念である。
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さて、両者を結ぶ「聖橋」。それ自体が震災復興で1927年に作られたアーチ型の美しい橋だ。駅からも見えるけど、あまり普段は意識しない。でも都市景観として、非常に素晴らしいものではないか。また鉄道ファンにはよく知られていると思うが、聖橋から見ると、地下鉄丸ノ内線、JR中央線、JR総武線の線路が3層になっている。なかなか三つが上下で電車がそろう瞬間に会うのは難しいと思うけど。でも、この景観はとても面白く、飽きない。情報を調べて行こうとも思わないけど、時々見たくなる東京風景である。2回目はお茶の水橋から明大付近。
そんな中でも、御茶ノ水駅の真上を通る「聖橋」(ひじりはし)の由来となった、2つの聖堂はもっとも見所が多い場所だと思う。特にニコライ堂。僕と御茶ノ水の関わりは次回に書くが、小学生時代から御茶ノ水周辺に来てた。学生運動を弾圧した催涙弾の匂いに満ちていた、そんな時代にも、時代を超越したニコライ堂の雄姿に感激したものである。単に御茶ノ水だけでなく、東京を代表する宗教建築物だと思う。
僕が御茶ノ水によく来たのは、東京メトロ千代田線が出来て、自分の家から行きやすかったからである。その新御茶ノ水駅からJR(国鉄)に出るエレベーターは、子供にとっては信じられないほど深く長いもので、最初は怖かった。その出口のところが最近少し変わった。聖橋際の日立本社跡に開発された「お茶の水ソラシティ」が4月に開業、地下鉄駅と直結した。エレベーターで昇って外へ出ると、ニコライ堂の偉容が目に入る。前庭にちょっと高くなっている部分があり、名前はないが「ニコライ堂展望台」という感じ。
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近づいて行くと、ビザンチン様式の美しい建物が様々に見えてくる。ここは公開していることは知ってたけど、時間が合わなくて今まで入ったことはなかった。1時から4時(10月~3月は3時半)に300円を払えば、見学できる。ただし、写真は撮れないので、ここに載せることはできない。案内とローソクをくれて、灯をともして静かに瞑想していれば、ここは東京でもとても心落ち着く空間だと言える。
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さっきから「ニコライ堂」と通称を書いているけど、本当の名前は「東京復活大聖堂」で、ニコライは幕末から明治時代に、日本に正教会を伝え、この聖堂を建てたロシアの司祭。重要文化財指定で、日本にある最も美しい宗教建築のひとつだろう。1891年に建造、関東大震災でドームが崩壊したが、6年の歳月をかけ復興したという。正教会に全世界を統括するローマ教皇にあたる人はいなくて、ここが「日本正教会」の本山となっている。だから教会に上にある聖画にも日本語が書かれている。
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とにかく写真映えするのでいっぱい撮ってしまったので、まあ載せておきたい。近くもいいけど、聖橋の向こう、湯島聖堂のあたりから駅越しに見るのもとてもいい。
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さて、もう一つの聖堂が、湯島聖堂。史跡に指定されている。日本史の教科書に必ず出ている、徳川綱吉将軍が建てた日本の儒学の総本山と言える場所。ただし、関東大震災で焼失し、現在の建物は1935年に再建され、戦後に補修されたものである。それにしても、江戸時代以来の湯島聖堂が今も生きて活動し、儒学を講じているというのにはビックリである。漢文検定も行い、学力向上の鉛筆なんかも売っている。近くの神田明神などと協力して「イジメを考える」という講演も8月3日にある。ここは今も生きて活動しているのである。でも、僕はそのことは最近まで知らなかった。入ったこともなかった。駅からすぐそばだから、歴史ファンは必ず行くべき場所だ。
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聖橋の上から右下に見えてくる緑の場所がそれで、橋を渡ると階段がある。そこから入ると「入徳門」があり、これは震災で焼けずに創建当時(1704年)のものだそうだ。門をくぐり、正面に大成殿がある。一番大きい建物で、お寺の本堂という感じ。少し行くと、孔子像がある。
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そこから回って正面に出ると、聖堂を管理する斯文会の建物。購買もある。でもコンクリの建物で、全体として建造物の文化財としての美しさはニコライ堂に及ばないのが残念である。
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さて、両者を結ぶ「聖橋」。それ自体が震災復興で1927年に作られたアーチ型の美しい橋だ。駅からも見えるけど、あまり普段は意識しない。でも都市景観として、非常に素晴らしいものではないか。また鉄道ファンにはよく知られていると思うが、聖橋から見ると、地下鉄丸ノ内線、JR中央線、JR総武線の線路が3層になっている。なかなか三つが上下で電車がそろう瞬間に会うのは難しいと思うけど。でも、この景観はとても面白く、飽きない。情報を調べて行こうとも思わないけど、時々見たくなる東京風景である。2回目はお茶の水橋から明大付近。
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