尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

円覚寺舎利殿を見にいく

2015年11月01日 21時19分34秒 | 東京関東散歩
 鎌倉の禅寺、円覚寺(えんがくじ)の舎利殿(しゃりでん)と言えば、歴史の教科書にも必ず出ている鎌倉文化の代表的な建築の一つである。(もっとも建築は南北朝時代に入った15世紀とされる。鎌倉文化の建築としては、まず東大寺南大門が挙がる。)中国(宋)の影響を受けた禅宗様の代表であり、国宝に指定されている。だけど、今まで直接見たことがなかった。というのも、普段は非公開で、正月3が日と11月当初の3日程度しか、公開されないのである。この時期は文化祭等の学校行事も多く、なかなか行けなかった。だから、つい忘れているのだが、今年は一昨日あたりに突然思い出して調べてみたら、1~3日が公開だった。秋晴れで気持ちのいい日に訪ねてみた。
   
 円覚寺というのは、北鎌倉駅降りてすぐにある。(というか、円覚寺の敷地を鉄道が通っているんだと思う。)もちろん初めてではないが、鎌倉は久しぶり。山に囲まれているので、さすがに東京と違う歴史と文化の町という気がする。寺へ入るのに300円。そこから奥の方にずっと進むと、「宝物風入」(ほうもつかぜいれ)をやっている。舎利殿特別拝観と合わせて、別に500円。(舎利殿だけなら200円)。入口近くは人が多かったが。だんだん少なくなっていく。まあ、ゼロではないけど、少し待ってると上の写真のように、人影のない時間もある。意外なことにそれほど混んでいない。確かに素晴らしい建築なんだけど、ここまで有名なだと、どうしても「デジャヴ」(既視感)に囚われてしまう。もともとは円覚寺のものではなく、尼寺の太平寺(廃寺)の仏殿を移築したものだという。
   
 上の3枚目の写真は、舎利殿に入る直前の地形。円覚寺を取り囲む山の地層がよく判る。4枚目の写真は、舎利殿に向かう途中にある「妙香池」。池の向こうにある岩を「虎頭岩」というよし。さまざまな塔頭(たっちゅう)が立ち並び、今も禅宗修行の地になっている。その一つ、「佛日庵」には開基の北条時宗を祀る廟所がある。また、「烟足軒」という茶室は、川端康成「千羽鶴」に出てくる茶室のモデルだという。小説は昔読んで忘れているけど、最近見た映画はすごく変な話だったので驚いた。茶室の前に苔庭があり、「林家木久蔵作」とあった。先代、今の木久翁だろう。下の4枚目。
   
 もう一つ国宝があった。「洪鐘」と書いて「おおがね」と呼ぶ。1301年製作の大きな鐘なんだけど、高いところに会って行くのがエライ大変。写真の石段を登り切ったところは、まだ半分ぐらいである。確かに大きいな。鋳物師物部国光作と作者名も判っている。さて、その前に「宝物風入」を見るが、これは絵や古文書の特別展示である。写真は撮れないから、ここではない。重要文化財がいくつかあるが、僕にはよく判らない。天皇家や武家、戦国大名の文書が貴重。
   
 まだ紅葉には早く、鎌倉散歩の人々も多いには違いないが、思ったほどでもなかった。境内の様子を何枚か載せて終わる。東慶寺など北鎌倉の他の場所も時間があれば行こうかなと思っていたが、案外疲れた。4時からフィルムセンターでオーソン・ウェルズを見たいと思っていたから、円覚寺だけ。
    
コメント
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