韓国のピョンチャン(平昌)で行われていた冬季オリンピックが終わった。日本選手団は冬季五輪史上最多のメダルを獲得した。まあ昔の五輪にはなかった競技のメダルが多いけど。今回の五輪に関しては、政治とスポーツ、ドーピング、あるいは冬季五輪のあり方など考えるべき問題が多い。また緊迫の度を高める朝鮮半島情勢を無視してピョンチャン五輪を語れない。だけど、それは後に回して、さらにスケートなどの話題も後に回して、まず「カーリング」(curling)について。
今回、日本の女子チーム(LS北見)は、カーリング発祥の地イギリスを破って銅メダルを獲得した。僕も最後の頃はすっかりカーリングにはまっていた。「そだねー」はもう今年の流行語大賞確実。今回は男子も出てたから、毎日夜には男女どちらかの試合が放映されていた。試合時間が長いから、全部身を入れて見てたわけじゃない。でも見てるうちに競技内容がだんだん理解できてくる。戦術のねらいや狂いも判るようになると、この競技の深さを感じてきた。そして、やっぱり日本チームの「笑顔」、特にスキップ藤澤五月選手に魅せられてしまった。

準決勝の韓国戦、明らかに韓国が優勢に試合を進めていた。前半戦は6対3で負けていたから、もう負けが濃厚だった。第6エンドで日本は1点を入れて、2点差。第7エンドの韓国は後攻だが、無得点として第8エンドも後攻を選ぶ。続く第8エンドで後攻の韓国は1点しか入れられなかった。第9エンドで後攻の日本は、ここで2点を入れる。かくして、7対6で韓国が一点勝って、第10エンドは後攻。さて、これで事実上日本の敗退は決まったわけである。
この競技は後攻が圧倒的に有利。第1エンドに先攻か後攻かは、試合直前にストーンを投げて決める。以後、勝った方が次のエンドの先攻になる。先攻で始まったチームは、相手チームに最小の1点を取らせて、次は後攻に回りたい。後攻の時に2点以上取れれば逆転できる。後攻チームは2点以上取りたいけれど、それが無理そうな場合、あえて自分のストーンもはじき出して無得点にすることもある。そうすれば次のエンドの後攻は変わらないから。この「あえて1点を取らせる」とか「あえて無得点にする」とかいう作戦が面白いのである。
だから韓国との準決勝で、1点負けていて最終の第10エンド、相手が後攻というのは普通は勝てない。オリンピックに出るほどの選手なんだから、できるだけ中心にストーンを置いて1点取る程度のことは楽勝だ。そして最後のストーン、韓国チームはみな勝利を確信してブラシを突き上げて歓喜していた。でもここで「眼鏡先輩(アンギョンソンベ)」ことキム・ウンジョンの投げたストーンが微妙に狂い、日本のストーンに当たり、クルクルと回転して日本のストーンが中心近くに滑る。
この時の日本チーム皆の、何これ、ウソ、こんなことあるんだ、日本が1点だよ、という破顔一笑が素晴らしかった。どっちが勝つとか負けるとかを超越した「氷の神さまのいたずら」を楽しんでいた。もちろん、延長の第11エンドになったとしても、7対7の同点で日本が先攻なんだから、韓国は1点を入れればよく勝利目前。それは判っているんだけど、何が起こるか判らない面白さだ。
それは3位決定戦の最後で再現された。今度は日本は1点勝って、第10エンドでイギリスは後攻である。つまり、1点入れれば同点になって延長だけど、その場合はイギリスが先攻になってしまう。それは圧倒的に不利だから、第10エンドに2点以上入れたい。そして入りそうなストーンの状態だった。だから2点取ろうというストーンが若干狂って、日本のストーンを中心に押し出してしまった。なんという偶然と言えるけど、そこまでの緊迫した展開で相手チームにはプレッシャーがあった。最後の最後まで精神的な戦いが繰り広げられていた。
知的なゲームであるとともに、カーリングは「バランス系」のスポーツだと思う。もちろんあらゆるスポーツ、いや人間の活動すべてに、体の力をバランスよく筋肉から「道具」に伝えるという技がある。でも陸上競技やレスリングなど、体の力そのものを使って競うのが多くのスポーツだろう。一方、バランスよく力を伝えるタイプの競技もある。馬術が典型。体力そのものが衰えても、うまくバランスを取る力を発揮できれば活躍できるから、馬術やカーリングは高齢でも活躍する選手が多い。
よく「氷上のチェス」と言われるけど、相手のストーンを利用したり、反発したりするところが違う。ストーンはチェスや将棋や囲碁のような「コマ」ではない。だから、氷上のビリヤードとか氷上のボーリングと言う方が近い感じがする。それでも、途中で氷をスウィープ(掃く)することで摩擦力をコントロールできるという違いがある。フィールド状態を選手がある程度変えられるなんて競技は他にはないと思う。その点でも、とても面白い。
「おやつタイム」で食べていた「赤いサイロ」も大人気。北海道の「どさんこプラザ」はよく行くけど、これは食べたことないなあ。多分しばらくは買えるチャンスはなさそうだ。オホーツク沿岸の常呂(ところ)町の名前から、LS(ロコ・ソラーレ)の名前を付けた。(常呂っ子の意味。)今は内陸の北見市と合併してるけど、ここのホタテは絶品だ。「しんや」というメーカーの「ホタテ燻油づけ」はものすごく美味しい。貝柱を燻製して油に浸したもの。以前現地を旅行していて本社の売店で買って、うまさに驚いた。「赤いサイロ」はなくても、こっちはアンテナショップにおいてあると思う。
今回、日本の女子チーム(LS北見)は、カーリング発祥の地イギリスを破って銅メダルを獲得した。僕も最後の頃はすっかりカーリングにはまっていた。「そだねー」はもう今年の流行語大賞確実。今回は男子も出てたから、毎日夜には男女どちらかの試合が放映されていた。試合時間が長いから、全部身を入れて見てたわけじゃない。でも見てるうちに競技内容がだんだん理解できてくる。戦術のねらいや狂いも判るようになると、この競技の深さを感じてきた。そして、やっぱり日本チームの「笑顔」、特にスキップ藤澤五月選手に魅せられてしまった。

準決勝の韓国戦、明らかに韓国が優勢に試合を進めていた。前半戦は6対3で負けていたから、もう負けが濃厚だった。第6エンドで日本は1点を入れて、2点差。第7エンドの韓国は後攻だが、無得点として第8エンドも後攻を選ぶ。続く第8エンドで後攻の韓国は1点しか入れられなかった。第9エンドで後攻の日本は、ここで2点を入れる。かくして、7対6で韓国が一点勝って、第10エンドは後攻。さて、これで事実上日本の敗退は決まったわけである。
この競技は後攻が圧倒的に有利。第1エンドに先攻か後攻かは、試合直前にストーンを投げて決める。以後、勝った方が次のエンドの先攻になる。先攻で始まったチームは、相手チームに最小の1点を取らせて、次は後攻に回りたい。後攻の時に2点以上取れれば逆転できる。後攻チームは2点以上取りたいけれど、それが無理そうな場合、あえて自分のストーンもはじき出して無得点にすることもある。そうすれば次のエンドの後攻は変わらないから。この「あえて1点を取らせる」とか「あえて無得点にする」とかいう作戦が面白いのである。
だから韓国との準決勝で、1点負けていて最終の第10エンド、相手が後攻というのは普通は勝てない。オリンピックに出るほどの選手なんだから、できるだけ中心にストーンを置いて1点取る程度のことは楽勝だ。そして最後のストーン、韓国チームはみな勝利を確信してブラシを突き上げて歓喜していた。でもここで「眼鏡先輩(アンギョンソンベ)」ことキム・ウンジョンの投げたストーンが微妙に狂い、日本のストーンに当たり、クルクルと回転して日本のストーンが中心近くに滑る。
この時の日本チーム皆の、何これ、ウソ、こんなことあるんだ、日本が1点だよ、という破顔一笑が素晴らしかった。どっちが勝つとか負けるとかを超越した「氷の神さまのいたずら」を楽しんでいた。もちろん、延長の第11エンドになったとしても、7対7の同点で日本が先攻なんだから、韓国は1点を入れればよく勝利目前。それは判っているんだけど、何が起こるか判らない面白さだ。
それは3位決定戦の最後で再現された。今度は日本は1点勝って、第10エンドでイギリスは後攻である。つまり、1点入れれば同点になって延長だけど、その場合はイギリスが先攻になってしまう。それは圧倒的に不利だから、第10エンドに2点以上入れたい。そして入りそうなストーンの状態だった。だから2点取ろうというストーンが若干狂って、日本のストーンを中心に押し出してしまった。なんという偶然と言えるけど、そこまでの緊迫した展開で相手チームにはプレッシャーがあった。最後の最後まで精神的な戦いが繰り広げられていた。
知的なゲームであるとともに、カーリングは「バランス系」のスポーツだと思う。もちろんあらゆるスポーツ、いや人間の活動すべてに、体の力をバランスよく筋肉から「道具」に伝えるという技がある。でも陸上競技やレスリングなど、体の力そのものを使って競うのが多くのスポーツだろう。一方、バランスよく力を伝えるタイプの競技もある。馬術が典型。体力そのものが衰えても、うまくバランスを取る力を発揮できれば活躍できるから、馬術やカーリングは高齢でも活躍する選手が多い。
よく「氷上のチェス」と言われるけど、相手のストーンを利用したり、反発したりするところが違う。ストーンはチェスや将棋や囲碁のような「コマ」ではない。だから、氷上のビリヤードとか氷上のボーリングと言う方が近い感じがする。それでも、途中で氷をスウィープ(掃く)することで摩擦力をコントロールできるという違いがある。フィールド状態を選手がある程度変えられるなんて競技は他にはないと思う。その点でも、とても面白い。
「おやつタイム」で食べていた「赤いサイロ」も大人気。北海道の「どさんこプラザ」はよく行くけど、これは食べたことないなあ。多分しばらくは買えるチャンスはなさそうだ。オホーツク沿岸の常呂(ところ)町の名前から、LS(ロコ・ソラーレ)の名前を付けた。(常呂っ子の意味。)今は内陸の北見市と合併してるけど、ここのホタテは絶品だ。「しんや」というメーカーの「ホタテ燻油づけ」はものすごく美味しい。貝柱を燻製して油に浸したもの。以前現地を旅行していて本社の売店で買って、うまさに驚いた。「赤いサイロ」はなくても、こっちはアンテナショップにおいてあると思う。