尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

西日本の最高峰、石鎚山ー日本の山⑧

2019年08月27日 22時19分26秒 |  〃 (日本の山・日本の温泉)
 毎月の終わり頃に書いている「山シリーズ」。今まで東日本の山ばかりだったので、これから少し西日本の山を書いていきたい。近畿地方以西の最高峰を見てみると、近畿は大峰山(1915m)、中国は大山(1709m)、九州は屋久島の宮之浦岳(1936m)だから、四国・愛媛県の石鎚山1982m)が一番高い。四国から百名山にもう一つ選ばれている徳島県の剣山(1955m)が西日本の第2位になる。
(石鎚山=いしづちやま))
 僕は人生で四国に行ったのはたった2回だけ。何日もまとめて休みを取れるのは夏休みだけだったから、暑い西日本は避けて北海道や東北に行きたいのである。でも、それでは九州や四国の山に登れない。温泉にも入れない。というか、日本史を考えるときに九州や四国にも行ってないとマズイかなあと思って、21世紀の初め頃に九州や四国にも行ったわけである。で、もうものすごく暑かった。もう夏に行くのは勘弁という感じだった。(四国に行ったもう一回は、若い頃に徳島ラジオ商殺人事件の再審開始決定の日に立ち会いたいと思って徳島まで行ったことがある。)  
(石鎚山テレカ)
 四国へは自家用車で行った。ひたすら西へ向かうわけだから、午後になると西日を浴びて走る。そこまで考えてなかったな。一日じゃいけないから、初日は有馬温泉、二日目は琴平に泊まった。有馬はそんなに観光してないけど、瀬戸大橋を通って四国へ入ると屋島のあたりで讃岐うどん。その後、栗林公園とかと予定を立てていたけど、いや暑いからやめよう。金刀比羅宮(こんぴらさん)は延々と階段を上ったけど、正直もう熱中症みたいな感じだった。3日目に愛媛県に入り、まずは国民宿舎石鎚へ。
(国民宿舎石鎚)
 登山前日にどこに泊まるか。石鎚山にはロープウェイもあるけど、ロープウェイの山頂駅は1280m。国民宿舎石鎚1492mだから登り口が200mも違う。それに車で行くなら、止めておいて自由な時間に出発して帰ってこられる。この地域はよく知らないから、絶対楽な方がいいと思って、国民宿舎を予約したわけだ。宿はまあ普通だと思うけど、これは正解だった。登山コースが楽なのである。石鎚山には4方向からの登山ルートがあるが、今はロープウェイからの成就社コース、国民宿舎からの土小屋コースが多いようだ。他にも面河渓(おもごけい)コースなどもある。

 土小屋コースの細かいことは、もう全然覚えてない。それはつまりはほぼコースタイム通りに登れたということだ。尾根筋を歩くコースで、割合楽と書いてあるが、多分そんなことだったんだろう。コースタイム2時間ほどで二ノ鎖小屋につくことになっている。まあ、そんな感じで登ったと思う。そして、石鎚で有名な「鎖場」(くさりば)になる。石鎚は修験の山で、今でも信仰で登っている人が多い。そういう人は成就コースで登っている。「一の鎖」はそっちにしかない。しかし、土小屋コースでは「二の鎖」から、どのコースでも「三の鎖」が立ちふさがる。これが難所であり、修行なのである。
(三の鎖)
 「二の鎖」は65メートル、「三の鎖」は67メートルもある。これじゃスポーツクライミングかという感じ。鎖場というのは、時々山にあって「三点支持」で登ってゆく。決してぶら下がって登るものじゃない。出来ないことはないと思うけど、石鎚山の鎖場は長すぎて怖い。どうしたらいいかと言うと、実は「巻き道」(迂回路)が付いてるのである。何だという感じ。別に修行じゃないんだし、四国旅行も始まったばかりでケガするのは嫌だから、まあ巻き道を行くかという感じで登頂したのだった。写真の鎖はやはり怖いよね。

 山頂は見晴らし抜群と書いてあるが、確か曇っていた。周囲の山々は見えていたが。大江健三郎の小説を読むと、四国の森の奥深さを印象的に書いている。この後、道後温泉に二泊し、続いて大江の生まれた内子のあたりを通り、徳島へ向かった。愛媛県や徳島県の山道を通っていると、その山深さに驚いた。国道なのにすれ違いが出来ない箇所があるんだからビックリ。道後温泉は素晴らしかったが、本当に暑くて松山城を飛ばした。高知県もちゃんと行ってない。まだまだ四国は行きたいところがいっぱいある。そのうちまた行きたいものだ。
コメント
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