10月7日に「柳亭小痴楽真打昇進披露興行」を書いた。面白かったので、もう一回国立演芸場の11月中席の披露興行に行ってきた。東京の真打披露興行は(落語芸術協会の場合)、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場と回って、国立演芸場で終わる。(上野鈴本演芸場は芸協が出演できない。)国立演芸場は他と違って指定席制である。(鈴本なども正月、5月上旬、お盆期間などは指定席だが。)他より時間が短いが、その分安いし(2100円)、都の旧職員向け割引もある。
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今回は夫婦で見に行った。口上に会長の春風亭昇太に加え、三遊亭小遊三、滝川鯉昇と芸協を代表するビッグネームが揃うから、中席一日目に行くことにした。ネットでは割引が効かないので、わざわざチケットを買いに行った。ちなみに一番人気は神田松之丞で、19日(火)はあっという間に売り切れていた。今日は披露の口上が、後で小痴楽が言ってたけど「大喜利状態」で小遊三なんか「高校三年生」を歌って終わり。小痴楽は先代痴楽の子どもで、昇太は小痴楽の幼い頃を暴露して笑えた。
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弟弟子の柳亭明楽の「転失気」(てんしき)はなかなか味はあるけど、もう少し頑張ってという感じ。二つ目の「成金」グループは11人いるので、先頭を切って昇進した小痴楽の披露興行に一日一人ずつ出ている。今日は春風亭柳若で、滝川鯉昇の前座時代の名を名乗る弟子。「猫の皿」という街道を歩いていて、古い茶屋で猫の小皿に名品を見つける話。威勢がよくて面白かった。江戸屋まねき猫の動物物真似を挟んで、小遊三「鮑のし」と昇太「猿後家」で中入り。
昇太は結婚ネタでしばらくマクラを持たせるんだろう。自由に生きてきて、急に元タカラジェンヌと「ご成婚」じゃ、言いたいネタは山のようにある。「家の温度」だけで爆笑させるんだから、確かにうまい。でも段々発想が平板になってきたかも。まあ寄席とホール落語じゃ少し違うのかもしれない。会長になったのを機会に、もっと寄席でやって欲しいなと思う。「猿後家」はマクラがいつの間にか噺に入ってて、羽織を脱がずに一席が終わるのを初めて見た気がする。うまいし、そのことを観客も判っていて、期待に応えるんだからすごい。でも以前の爆発的面白さは変わってきたのかもしれない。
口上の後は、滝川鯉昇の「粗忽釘」で相変わらず非常にうまい。省エネ主義みたいな芸風がうまく効かない時もあるけど、今日はなんだか一番おかしかったかも。展開が判っているのに笑わせるのが落語だから、中味より語り口の妙が技になる。この人ほど「独自の面白さ」を維持している人も珍しい。小痴楽の師匠、柳亭楽輔「代わり目」は、よく演じられる噺で時間を考えたかエッセンスだけだったか。
東京ボーイズをはさんで、最後に小痴楽「干物箱」。これが大熱演で、やはり小痴楽は華がある。道楽息子と小言親父。よくあるパターンに息子の声色が得意なもうひとりを出してきて、演じ分ける。判っているけど、おかしい。熱演もあるし、芸もあるだろうが、どうも雰囲気そのものが道楽息子風で落語の世界っぽいのである。でもうちの奥さんの言うには、先代のように病気が心配の感じだと。自愛を望むと同時に、「やまいだれ」が名前を覆うのもどうなんだろうと思ったりもする。
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国立演芸場は最近売店が閉店してしまった。一回の奥の展示場では紙切りの特集をやっていた。どうもダラダラした感想だけですいませんの記事ですね。たまに夫婦で落語を聞きに行くのもいいかと記憶にインプットする。国立演芸場は、やはりお国が芸能も守ります感がしてしまうけど、案外の穴場。
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今回は夫婦で見に行った。口上に会長の春風亭昇太に加え、三遊亭小遊三、滝川鯉昇と芸協を代表するビッグネームが揃うから、中席一日目に行くことにした。ネットでは割引が効かないので、わざわざチケットを買いに行った。ちなみに一番人気は神田松之丞で、19日(火)はあっという間に売り切れていた。今日は披露の口上が、後で小痴楽が言ってたけど「大喜利状態」で小遊三なんか「高校三年生」を歌って終わり。小痴楽は先代痴楽の子どもで、昇太は小痴楽の幼い頃を暴露して笑えた。
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弟弟子の柳亭明楽の「転失気」(てんしき)はなかなか味はあるけど、もう少し頑張ってという感じ。二つ目の「成金」グループは11人いるので、先頭を切って昇進した小痴楽の披露興行に一日一人ずつ出ている。今日は春風亭柳若で、滝川鯉昇の前座時代の名を名乗る弟子。「猫の皿」という街道を歩いていて、古い茶屋で猫の小皿に名品を見つける話。威勢がよくて面白かった。江戸屋まねき猫の動物物真似を挟んで、小遊三「鮑のし」と昇太「猿後家」で中入り。
昇太は結婚ネタでしばらくマクラを持たせるんだろう。自由に生きてきて、急に元タカラジェンヌと「ご成婚」じゃ、言いたいネタは山のようにある。「家の温度」だけで爆笑させるんだから、確かにうまい。でも段々発想が平板になってきたかも。まあ寄席とホール落語じゃ少し違うのかもしれない。会長になったのを機会に、もっと寄席でやって欲しいなと思う。「猿後家」はマクラがいつの間にか噺に入ってて、羽織を脱がずに一席が終わるのを初めて見た気がする。うまいし、そのことを観客も判っていて、期待に応えるんだからすごい。でも以前の爆発的面白さは変わってきたのかもしれない。
口上の後は、滝川鯉昇の「粗忽釘」で相変わらず非常にうまい。省エネ主義みたいな芸風がうまく効かない時もあるけど、今日はなんだか一番おかしかったかも。展開が判っているのに笑わせるのが落語だから、中味より語り口の妙が技になる。この人ほど「独自の面白さ」を維持している人も珍しい。小痴楽の師匠、柳亭楽輔「代わり目」は、よく演じられる噺で時間を考えたかエッセンスだけだったか。
東京ボーイズをはさんで、最後に小痴楽「干物箱」。これが大熱演で、やはり小痴楽は華がある。道楽息子と小言親父。よくあるパターンに息子の声色が得意なもうひとりを出してきて、演じ分ける。判っているけど、おかしい。熱演もあるし、芸もあるだろうが、どうも雰囲気そのものが道楽息子風で落語の世界っぽいのである。でもうちの奥さんの言うには、先代のように病気が心配の感じだと。自愛を望むと同時に、「やまいだれ」が名前を覆うのもどうなんだろうと思ったりもする。
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国立演芸場は最近売店が閉店してしまった。一回の奥の展示場では紙切りの特集をやっていた。どうもダラダラした感想だけですいませんの記事ですね。たまに夫婦で落語を聞きに行くのもいいかと記憶にインプットする。国立演芸場は、やはりお国が芸能も守ります感がしてしまうけど、案外の穴場。