かつてない猛暑が続いていて、とても出掛けたくないような日々なんだけど、葬儀後の雑用が絶えることなく何かある。ついでにちょっと遠出して『インディ・ジョーンズ』シリーズの新作を見てきた。電車に乗って駅直結の映画館に行けば、涼しいことこの上ない。TOHOシネマズの座席は心地よすぎて、快適な眠りに襲われることも…。まあ、それも良しとする映画体験である。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
僕は最近のハリウッド製アクション映画をほとんど見てない。若い頃はよく見てたが、それは名画座2本立てでいろいろ見られたのである。ロードショーは学生には高くて行けない。若いうちは鬱屈があって、「スカッと出来る映画」は魅力だった。当時は時間は永遠にあるように思っていたのである。高齢になっても「鬱屈」はあるが、別にスカッとする必要がない。人生の持ち時間が少なくなる一方なんだから、見たらすぐに忘れてしまうような映画に時間を使いたくない。
例えば『ミッション・インポッシブル』シリーズでは、本当に不可能なミッションなら帰還出来ないはずだが、それではシリーズ映画にならない。シリーズ映画になってる時点で結末は判るわけで、それで良いのだが見る意味はもう薄れてしまう。それにアメリカ製は内容的に引っ掛かることが多い。『ランボー』シリーズなんか、それこそ乱暴な設定が多かった。2022年に大ヒットした『トップガン マーヴェリック』はさすがに良く出来ていたが、そもそもの根本設定に異議がある。僕なら最初の段階で「それは国際法違反なんじゃないですか」と言いたい。そういう意見具申が出来る軍人が望ましい国家公務員だろう。
『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』
インディ・ジョーンズシリーズ第1作は『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』(1981)で、とても面白かった。原案・製作総指揮ジョージ・ルーカス、監督スティーヴン・スピルバーグの黄金コンビによる娯楽超大作で、スピルバーグなら何でも見に行った時代である。続けて、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)と作られた。これらはカップルで安心して見るのに適当で、僕も夫婦で見た3作目が一番面白かった記憶がある。4作目は時間が離れて『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)で、これは見逃したと思う。ここまではすべてスピルバーグ監督。
そして今度の5作目『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)では、ルーカス、スピルバーグは製作総指揮にまわり、監督はジェームズ・マンゴールドに代わった。誰だろうと思うと、『17歳のカルテ』『ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道』『3時10分、決断のとき』『フォードvsフェラーリ』なんかの監督だった。見てるのに名前が覚えられない年になってる。もちろんすべてハリソン・フォード(1942~)主演である。いや、何ともう80歳なのである。007と違って、主演男優を途中で交代させない。それは有名原作があるシリーズじゃなく、映画独自のキャラクターだからだろう。
あまり中身を書いても仕方ない映画だけど、例によってインディアナ・ジョーンズとナチス軍人(マッツ・ミケルセン)との対決である。戦時中に始まって、中心となる対決は1969年に設定されている。インディ・ジョーンズの私的な話も交えながら、アルキメデスの遺した「運命のダイヤル」をめぐってし烈な争奪戦が展開される。モロッコやシチリア島のロケが魅力で、特にモロッコのタンジェのシーンは面白かった。ただラスト近くのSF的な展開はどうなんだろうか。楽しめる娯楽アクションに出来上がってるけれど、アメリカでも期待ほどのヒットになってないと言われる。ちょっと無理がある発想になったか。
結局、ハリソン・フォードの衰えを知らぬようでいて、やはり年を重ねてきた身体こそ最大の見どころだろう。さすがにトム・クルーズとまでは言えないが、これで80歳とはとても思えぬ肉体を披露している。6月30日公開以後、『君たちはどう生きるか』『ミッション・インポッシブル』『キングダム』と毎週話題作が公開されて、インディ・ジョーンズの上映も金曜日から減ってしまう。だから他の作品をおいて見に行ったのだが、満足は満足なりに、こんなものかとも思う出来映えか。最近の大作は長すぎて途中でダレるし、涼しいは嬉しいが段々寒くなってトイレも近くなる。この映画は154分もあって、第1作、第2作は2時間以内だったのを思うと、長さと面白さは反比例しているのかなと思う。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
僕は最近のハリウッド製アクション映画をほとんど見てない。若い頃はよく見てたが、それは名画座2本立てでいろいろ見られたのである。ロードショーは学生には高くて行けない。若いうちは鬱屈があって、「スカッと出来る映画」は魅力だった。当時は時間は永遠にあるように思っていたのである。高齢になっても「鬱屈」はあるが、別にスカッとする必要がない。人生の持ち時間が少なくなる一方なんだから、見たらすぐに忘れてしまうような映画に時間を使いたくない。
例えば『ミッション・インポッシブル』シリーズでは、本当に不可能なミッションなら帰還出来ないはずだが、それではシリーズ映画にならない。シリーズ映画になってる時点で結末は判るわけで、それで良いのだが見る意味はもう薄れてしまう。それにアメリカ製は内容的に引っ掛かることが多い。『ランボー』シリーズなんか、それこそ乱暴な設定が多かった。2022年に大ヒットした『トップガン マーヴェリック』はさすがに良く出来ていたが、そもそもの根本設定に異議がある。僕なら最初の段階で「それは国際法違反なんじゃないですか」と言いたい。そういう意見具申が出来る軍人が望ましい国家公務員だろう。
『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』
インディ・ジョーンズシリーズ第1作は『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』(1981)で、とても面白かった。原案・製作総指揮ジョージ・ルーカス、監督スティーヴン・スピルバーグの黄金コンビによる娯楽超大作で、スピルバーグなら何でも見に行った時代である。続けて、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)と作られた。これらはカップルで安心して見るのに適当で、僕も夫婦で見た3作目が一番面白かった記憶がある。4作目は時間が離れて『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)で、これは見逃したと思う。ここまではすべてスピルバーグ監督。
そして今度の5作目『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)では、ルーカス、スピルバーグは製作総指揮にまわり、監督はジェームズ・マンゴールドに代わった。誰だろうと思うと、『17歳のカルテ』『ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道』『3時10分、決断のとき』『フォードvsフェラーリ』なんかの監督だった。見てるのに名前が覚えられない年になってる。もちろんすべてハリソン・フォード(1942~)主演である。いや、何ともう80歳なのである。007と違って、主演男優を途中で交代させない。それは有名原作があるシリーズじゃなく、映画独自のキャラクターだからだろう。
あまり中身を書いても仕方ない映画だけど、例によってインディアナ・ジョーンズとナチス軍人(マッツ・ミケルセン)との対決である。戦時中に始まって、中心となる対決は1969年に設定されている。インディ・ジョーンズの私的な話も交えながら、アルキメデスの遺した「運命のダイヤル」をめぐってし烈な争奪戦が展開される。モロッコやシチリア島のロケが魅力で、特にモロッコのタンジェのシーンは面白かった。ただラスト近くのSF的な展開はどうなんだろうか。楽しめる娯楽アクションに出来上がってるけれど、アメリカでも期待ほどのヒットになってないと言われる。ちょっと無理がある発想になったか。
結局、ハリソン・フォードの衰えを知らぬようでいて、やはり年を重ねてきた身体こそ最大の見どころだろう。さすがにトム・クルーズとまでは言えないが、これで80歳とはとても思えぬ肉体を披露している。6月30日公開以後、『君たちはどう生きるか』『ミッション・インポッシブル』『キングダム』と毎週話題作が公開されて、インディ・ジョーンズの上映も金曜日から減ってしまう。だから他の作品をおいて見に行ったのだが、満足は満足なりに、こんなものかとも思う出来映えか。最近の大作は長すぎて途中でダレるし、涼しいは嬉しいが段々寒くなってトイレも近くなる。この映画は154分もあって、第1作、第2作は2時間以内だったのを思うと、長さと面白さは反比例しているのかなと思う。