「ミュンヘン」・・・・観てきました。
史実に基づいてつくられた映画ですが・・・「重い」映画でした。
1972年、西ドイツのミュンヘンで開かれたいたオリンピックの選手村に、テロリストグループ「黒い九月」のメンバーが浸入、イスラエル選手11人を惨殺するという事件が起きました。
この悲劇に対しての、報復を命じられた一人の兵士の視点からみた歴史として描かれています。
一つの事件がおきる→→それに対する報復をする→→また、それに向かう復讐→→・・・こうして繰り返される、終ることのない悲劇・・・
パレスチナ人テロリストを暗殺するチームのリーダー・アフナー(エリック・バナ)は、家族も祖国もないと思って任務を果たせねばならない宿命なのです。
任務遂行中に「ベビー」が生まれるが、その成長を妻とともに楽しめないつらさに苦悩することもしばしば。電話で、子どもの声を聞き、涙する彼の姿・・・
将来「温かい、静かな家庭」を持つことができるのでしょうか。
イタリア、パリ、キプロス、オランダ、ギリシャ・・・で、次々と標的を射止めていくのですが、その過程で、関係のない人々を巻き添えにしてしまったことを、心に重く感じるようになっていくのです。
しかし、ロンドンで、仲間の一人が、女性の刺客に殺されるという事件がおき、「標的を追っている自分が、追われているのでは・・・」という恐怖と不安にかられていきます。
そんな日々の中で「殺しあうことの、終わりはあるのだろうか」と思い始めてしまう自分の弱さを奮いたたせるために「ミュンヘンのテロ事件での犠牲者達」を思い浮かべながら、復讐への道を進むのです。
この暗殺チームの中の一人「爆弾つくり」のプロの「腕」に笑わされます~~。
おもちゃ職人としての腕は一流ですが、爆弾は本当に造れるの?(笑)
火薬の量を間違えたり、「造る」より「解体」が専門だと言い訳したり・・・
そして、リーダーのアフナー・・・
料理が得意の設定で、おいしそうな数々の料理を作ってみせるシーンが何度もあります。
ショーウインドーのキッチン用品や、シンクシステムなどに見入る姿は「平和」を感じさせてくれます。
「料理」という「人間の生命を繋ぐ」ものと、「暗殺」という「人間の生命を絶つ」ものとの対比・・・と考えるべきでしょうか。
「こんなことをしても平和はこない」・・・と、あるシーンの中で、語る彼の言葉・・・その通りだと思いました。
争いのない世界・・・一日も早く、実現して欲しいですね!