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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

待合室で読んだ本~~(苦笑)

2025-02-12 | 本と雑誌
今日(12日)は、姑の命日です。
夫の検診予約日が今日でしたから、お墓参りは一昨日済ませました。
     

姑が亡くなってもう30年以上経ちますが、その日はこちらではめずらしい大雪で、電車もバスも運休や遅延で、連絡を受けてから病院へ行くまでの大変だったこと・・・思い出しました。

「私たち家族が、元気で仲良く日々を送れるように見守って下さいね」と、お花とお線香を手向け、手を合わせてきました。

夫の今日の検診結果は・・・後日UPします(苦笑)

夫の通院の日は、受付から診察室に呼ばれるまでの時間が長いのを承知していますので、「本」を持って行きます(笑)

今日の本はこちら~~、
         
         「笑う森」 萩原 浩  著

好きな作家のひとりです。この本も文句なしに引き込まれました!

『 神森(樹海と呼ばれています)で、行方不明になった発達障害(ASD)の5歳児と、その森に迷い込んだ4人の男女がどう関わっていったか・・・。』

かなりの分量がある小説ですが、一気に読んでしまいました。(数日前から読みだしていましたので、病院の待ち時間に読了)
ミステリー小説ともいえるのですが、最初に行方不明になった子ども(真人)が生還することが明かされているので、ちょっと安心して読めました(苦笑)
最悪の事態にはならないという保証がされたことで、読んでいてどっきりする瞬間は何度かあるのですが、決してこの作家なら読者の信頼を裏切るような真似はしないという安心感を感じます(笑)。

読後感の良い一冊でした~~♪

パレートの誤算~~(読書感想文です)

2025-01-08 | 本と雑誌
昨年3月まで、人権擁護委員として活動をしていた私は、たくさんの人たちからの様々な相談を受けていました。
その中には「生活に困窮している・・・」という相談も多くありました。

それぞれの事情により、「生活保護受給」に頼らざるをえないケースもありました。
そんな活動の日々の中で見つけた一冊の本~、
        「パレートの誤算」 柚木 裕子 著
       
読もう読もうと思いつつ・・・「生活保護受給」が題材として取り上げてあったので、暗い話なんだろうな・・・」と、なかなか手に取れず・・・何か月か過ぎました。
ようやく読み終わったのが昨年の暮れ、感想文としてUPもしていませんでした(苦笑)

タイトルの「パレートの誤算」という言葉が気になりました。
(イタリアの経済学者である「パレート」氏が提唱した法則「80:20の法則」ともいわれるもの=「経済活動における数値の8割は全体を構成する要素の2割が生産している」というものです)に関係するのかな・・・と。

裏表紙にあるあらすじです。↓
「ベテランケースワーカーの山川が殺された。
新人職員の牧野聡美は、彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことになった。
仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見された。
聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係も持っていた可能性に気づくが・・・。」

生活保護の闇に迫る社会派ミステリーです。
(以前、暴力団が生活困窮者を囲い、彼らが受け取ったお金を巻き上げるというニュースも何度かありましたね)

タイトルについて納得したのは、物語の最後の方に出てくる、ある福祉関係所が発行した冊子に、生活保護受給世帯で育った学生が投稿した文章が載っていて、その部分を読んだ時です。

『 アリの集団であれば、ある一定数(2割)のアリはよく働き、ある一定数(8割)のアリはまったく働かないという「働きアリの法則」があります。
働かないアリを除外して、働くアリだけを集めたとしても、そのなかから、やはり働かずに怠けるアリが発生する。

ということで、2割以外のものはいなくてもいい存在だと考える人がいるかもしれない。つまり、弱者は切り捨てられるという風潮になるかもしれない。
でもその2割の人たちもそれぞれの事情を抱えながら、社会の助けを借りながら一生懸命自立に向かって頑張っています。

働かないアリにも、パレートの法則の2割以外の部分にも存在意義はあるのです。パーレートも自分が唱えた法則で、それらが無価値だとは述べていない。もしそのように解釈している人がいたら、それはパレードにとって誤算といえるだろう。
「人間社会は数式や法則では成り立たない」 』

なるほど・・・でした。

昨年から今年と、日本はかなりの物価高になっています!
それに見合う賃金のUPは追い付いていない状態、生活が苦しくなっている人も多く、生活保護受給のための申請も多くなっていると、たまたま今日TVで放映していました。

そんな人たちに真摯に向き合ってくれている役所の福祉関係の方々、ケースワーカーの人たち(この本の主人公もそうです)のご苦労を思いながら、この感想を書いています。

「明日の食卓」~~読書感想文です。

2024-11-22 | 本と雑誌
こんなにも衝撃的で、胸が苦しくなる物語・・・、日常的にあるとは思えませんが・・・リアルにも起こっているのは事実です。

     「明日の食卓」  椰月 美智子  著
         

『 静岡在住の専業主婦「石橋 あすみ」。
神奈川在住のフリーライター「石橋 留美子」。
大阪在住のシングルマザー「石橋 加奈」。

三人とも「石橋 ユウ」という小学3年生の息子を育てていますが、お互いの接点はまったくありません。
それぞれの母親たちは、それなりに頑張って子育てをし、幸せな家庭を築いていたのですが・・・、些細なことがきっかけでその生活が崩れ始めます。

そんなある日、「イシバシ ユウ」という小学3年生の男の子が、母親によって虐待死をしたというニュースが報道されます。』

この物語に登場する、三人の「石橋 ユウ」君は、同性同名だが「字」が違います。 「優 悠宇 勇」です。(虐待死のユウ君は「裕」です)

彼らは9歳・小学3年生です。
この年齢は、高学年になる前のまだ子どこらしさが残る時期でもありますが、時には大人がビックリするような行動や思考力を発揮します。
成長の端境期と言ってもいいと思います。

子育てをしていると、可愛いのに憎い・・・という場面にぶつかることもあるでしょう。可愛さ余って支配したくなる時もあるでしょう。

そういった「母親の屈折した心」が生み出した虐待死事件なのだと思いますが・・・、
物語の中の家庭では、母親といっしょに「子育て」をしようという父親が出てきません!
とっても、だらしのない「父親像」が描かれています(苦笑)

「虐待死」のニュースを知った三人の母親は、「ユウ」を殺したのは・・・「私だったかもしれない」・・・と、考えます。
そして、夫との心のつながりがないままの生活より、「一人で息子を育てよう」と決意をします。

なんだか、つらい物語・・・。
長年、人権擁護委員として「子どもの生きる権利」を守ることにも取り組んできた私・・、あってはならないお話にぞ~っとしました。

小田原駅東口図書館~~♪

2024-11-21 | 本と雑誌
コロナ禍の4年前、小田原駅に隣接してオープンした「ミナカ」という名前の商業施設があります。
食を楽しむお店や、ホテル、銀行、市の施設などが入るビルです。
    

その6階に「小田原駅東口図書館」があります。
    
たくさんの蔵書がある広いスペース、ゆったりした読書スペース、小田原城や行き交う電車も見えるテラス~~等々、とってもステキな図書館です~~♪
    
↑左上に見えるのが、小田原城天守閣です。
        
コロナ禍の間は、ほとんど行っていませんでしたが、今年の10月でもう4周年とか~!
それを記念してでしょうか、7月より「”図書館を舞台にしたショートストーリー募集”」というのがありました。

この企画には、愚息もちょこっと関わらせていただいたようですので、内緒で展示室を見てきました(苦笑)
    

決められた「物語の始めの言葉」から、思い思いの物語を綴っていくのですが、始まりの文章は「二つ」あり、どちらを選んでもOKみたいでした。
    

20数名の応募があったとか!
応募作品をまとめた本とか、ワークショップでのポストイットとか~~様々な工夫をされた一画が作られていました~~♪
    

そして~~、愚息の著書もまとめて紹介して下さっていました~~♪
       

    

この企画の代表は、小田原出身の児童文庫作家・遠山彼方さんですので、氏のご本も何冊もご紹介されています。
    

応募作品をまとめた冊子~~、
図書館でも読めますが、頂いてくることもできます。
         
愚息は、二編応募していました。

読了できそうもない・・・(( ;∀;))

2024-10-21 | 本と雑誌
こんな理解できない物語・・・このまま読み続ける気力がない・・・、止めようかなぁ・・・と、悩んでいる本に出合ってしまいました(苦笑)

時系列が前後しまくりで、??と思い何度も読み返したりします。
登場する人たちの思考に???と理解できない部分が多いし、ある出来事のことを正直に描いているのかと思うと、主人公の小説家が想像を膨らませて物語を作っているのか・・・、
とにかく、私の能力では読解できない(( ;∀;))

主人公は、 かつての売れっ子作家ですが、
いまは地方都市でコンパニオンの送迎ドライバーとして生計を立てています。
街で古書店を営んでいた老人が亡くなり、なぜか形見の鞄を彼が受け取ることになりました。そこに、偽札が大量に入っていた。
その偽札をめぐって、裏社会の人物も登場する・・・。

      「鳩の撃退法」  佐藤 正午 著  
         
これ「上下」ある長編小説ですが、何とか上の後半まで読みましたが・・・、もう挫折するかも・・・下にはいかれそうもありません(苦笑) 

「北斗 ある殺人者の回心」・・・読書感想文です。

2024-09-29 | 本と雑誌
物語がすごく重くて・・・、最初は読了できるかと心配しましたが・・・読後感は大満足~♪

    「北斗 ある殺人者の回心」  石田 衣良 著
         

両親から激しい虐待を受けて育った少年・北斗。
(この虐待場面の描写が、「えぇっ・・・、まさか・・・、ひどい!」と物語であっても絶句・・・途中で読むのを止めようと思うほどです)

誰にも愛されず、抱きしめてもらったこともない、誰かを愛することも知らない彼。
高校生の時に父親が亡くなったことをきっかけに、母親からの要求におびえるのです。(母親も夫から暴力を受けていて、自分を守るために息子の北斗に虐待を与えていたのですが、その暴力がないと生きられない日々になっていました。夫の亡きあとは、その暴力を北斗から受けたいと、画策するのです)

北斗は、そんな母親から逃げたいと、自ら児童養護施設に助けを求めます。
そこで、里親の綾子を紹介され引き取られます。
綾子は、北斗を慈しみたくさんの愛を持って育ててくれていました。
(人間不信の北斗は、綾子の愛を確かめるために、わざと悪ぶったり困らせたりするのですが、そんな方法が可愛い~苦笑)

人世で初めての安らぎの中で日々を送る北斗は、難しい大学入学試験も合格し、明るい未来に向けての日々がスタ一トした時、綾子に癌が見つかります。
その綾子を何としても助けたいと、「癌に効く水」というインチキな品を売りつける詐欺にあいます。

綾子の死後、心の支えを失った北斗は、その詐欺の首謀者を殺すべく暴走を始めます・・・。
が、北斗が殺したのは首謀者でなく、たまたま居合わせた従業員二人でした。

彼は裁判員裁判にかけられます。
5日間の裁判の中で、北斗の心の動き、被害者家族の想い、母親の証人弁論、国選弁護士の熱い気持ち、綾子の元で同じ里子になっていた女性の愛情・・・、北斗の閉ざされた心を開けるのは誰か・・・。

「回心」という文字の意味が、最後に理解できました。
判決を言い渡される日、裁判長が「被告人、言っておきたいことがあればいいなさい。特別に許可をします」という言葉・・・、北斗への愛を感じました。
言い渡された判決・・、ほっとしました。

石田氏の本、もっと読みたくなりました。
読書に疲れた今日の「おやつ」は~、
        
「バナナクレ一プ ブルーベリーソースかけ」~♪
ダイエットは忘れています~きゃはははは

「三面記事小説」~読書感想文です

2024-09-03 | 本と雑誌
今朝方、かなりの大雨!
予報では、一日中降ったり止んだり・・・憂鬱です(( ;∀;))
でも、お日様が出ず、北の方からの風があるので、気温は低くなって嬉しい~♪     霧のような雨で、伊豆半島はまったく見えず・・・。
    

「雨の日」は読書~。
ここ1~2か月、読書をしていませんでした。
なぜかというと、メガネのせいです(苦笑)

「遠近両用メガネ」を作ったのですが、なぜか手元が見えにくい!
以前は「中近両用」で、読書などもまったく苦にせずにできたのに・・・。
「作り直し」をして頂こうと、メガネ屋さんに行ったのですが「慣れるまで時間がかかる」「本を読む時は、手元専門のメガネをかけるように」。。らしいのです。(( ;∀;))

私は、網膜剥離の手術をしたり、眼内レンズ脱臼の手術で水晶体が無い、という「えぇっ・・・」というとんでもない目なんです(苦笑)
左右の視力も大幅に違うので、レンズの度合わせのバランスが難しく、ピタッといかないので、「慣れ」を待つしかないかも・・・。

雨のために外出もしないし、涼しいし~の今日は、久々に読書です~♪
以前、途中まで読んであった本。
       「三面記事小説」 角田 光代  著
       
これは何本かの短編集ですので、目が疲れたらそこで止めればいいので、今の私にはちょうどいいんです。

「愛の巣」「ゆうべの花火」「彼方の城」「永遠の花園」「赤い筆箱」「光の川」の6編です。
どれも、実際に新聞の三面記事を掲載された事件を題材にしています。

たった数行の記事でも、その中には、様々な「家族や兄弟姉妹や友達や会社や恋愛」等との関係が絡み合っている・・・ということを仮定し想像した物語です。

読んでいて・・・辛くなります。
特に、最後の「認知症になった母を介護する息子」のお話・「光の川」・・・胸が痛くなりました・・・。




十二単衣を着た悪魔~♪ 読書感想文です

2024-06-03 | 本と雑誌
世界最古の長編小説としてあまりにも有名で、日本人なら名前だけは絶対に知っている「源氏物語」~♪
その「源氏物語」への想いを変えてしまうような「もう一つの源氏物語」というべき本を読みました!

最高に面白い!  
「十二単衣を着た悪魔  源氏物語異聞」 内館牧子  著          
         

就職試験を五十八社続けて落ち、彼女にも振られた二流大学出身の雷。
そんな時、弟の水が京大医学部に現役合格したとの知らせが入る。水は容姿端麗、頭脳明晰、しかもいい奴と、非の打ち所がない。

フリーターとなった雷は、アルバイトで「源氏物語」イベントの設営を終わり帰宅する途中、突然火の玉に襲われ打たれて意識を失う。
気が付いた場所は平安時代・・・タイムスリップしてしまったのです。

そこはあの源氏物語の世界だった。優秀な弟へのコンプレックスを持つ自分を一宮に重ねつつ、光源氏の神的人たらしに魅せられ、己の生き方を模索してゆく雷の日々・・・。
雷は、アルバイト先で配られた『源氏物語』のあらすじ本を持っていたため、次々と未来を予測し、比類なき陰陽師として、その世界で自分の存在価値を見出す事に成功します。
雷は自分と同じような立場の一宮に肩入れするようになり、その母親・弘徽殿女御(こきでんのにょうご)と接するうちに、彼女の心の強さと野心に感服するようになります。
(実際の源氏物語では悪役のイメージ強かった弘徽殿女御ですが、この本では生き方、考え方が、とっても現代的で個性の強い女性に描かれています)。

そして・・・ある日、現実の世界に戻った雷は、「源氏物語」の奥深い内容を追求すべく、自分の進むべき道を見つけるのです。

内館牧子さん~とても個性的な方ですから(大相撲の横綱審議委員も務めていらっしゃいましたね)、そんな感じが強く出ているこの物語は、読んでいて、涙も笑も怒りもたくさんあって、本当に面白い!

「あなたが誰かを殺した」・・・読書感想文です。

2024-04-22 | 本と雑誌
朝から雨・・・気温も4月下旬とは思えない寒い日・・・、こんな今日ですので、読書で過ごしました。
久々に「刑事・加賀恭一郎」が登場する、大好きな「東野 圭吾」氏の本です。

    「あなたが誰かを殺した」  東野 圭吾  著     

8月の別荘地で起きた「殺人事件」を解き明かすミステリーなのですが、最後まで想像がつかなかった展開で、グングン引き付けられてページをめくる手が止まらない!  さすが東野氏!

      
夏を過ごすために、この別荘地にやってくる何組かの家族。

登場人物は、
↑ 一番左の家は「櫻木家」。総合病院を経営する夫妻と、わがままな一人娘、その婚約者。

次の家は、「山之内家」
別荘地に移り住んだ未亡人と、その姪夫婦。

「飯倉家」は、今は空き家になっています(山之内家の未亡人が管理をまかされています)

飯倉家のお隣は「高塚家」、
大企業の会長とやり手の妻、その部下家族。

右上は「栗原家」、
経営者の妻と公認会計士の夫のパワーカップルと、中学生の娘。

彼らは毎年、夏の一日を「優雅なバーベキュー・パーティ」をして過ごします。今年もその日がやってきました。
いつも通りに開催されたそのバーベキューが、思いがけない悲劇の幕開けとなったのです。

事件に巻き込まれた家族たちは、自分たちの手で真相を解き明かそうとします。そこに現れたのは、「彼には嘘は通用しない」と言われている「刑事・加賀恭一郎」でした。

それぞれの家族の元に届いたのは、「あなたが誰かを殺した」と書かれた一通の手紙だった。
事件の後、一人の若者が自首をしてきました。
が、彼は詳細については一切語らず黙秘をします。
彼一人ではできない犯罪であることを推測した加賀刑事は、共犯者もいるはずと、調査を始めます。

加賀刑事によって、次々と明かされる展開にビックリ!
そして、最後の最後に共犯者の存在が・・・。

お金持ちの人たちの表裏のある言葉や態度、不倫、パワハラ・・・、とっても気分が悪くなる部分もありますが、小説なので「あり」かと~(苦笑)

最初から最後まで一気に読んだ本でした。

「てのひらのメモ」~~読書感想文です。

2024-02-25 | 本と雑誌
またも、朝から冷たい雨が一日中降り続いている日・・・。
3月下旬から4月上旬の菜の花が咲く頃に降り続く雨、「菜種梅雨」だという人もいるほど最近は雨の日が多い!

おまけに気温もひくく寒い!
箱根の山が白くなっているのが見えます。
なので、今日も一日読書三昧~♪
 
    「てのひらのメモ」  夏樹 静子  著
         

夏樹氏の作品は好きです。
ミステリーとか、女性弁護士や女性刑事が主人公の作品も多く、どれもがとても丁寧に書かれていると感じます。

今回の本は「裁判員制度」を扱った内容です。
裁判員に選ばれた一人の女性(主婦)からみた物語になっていますが・・・、人を裁くことの難しさ、葛藤・・・、私ならどうなんだろう・・・と、思わず彼女といっしょに考えてしまいました(苦笑)。

『 広告代理店で働くシングルマザーの「種本千晶」は、社内でも将来を有望視されているディレクターだった。
彼女には喘息持ちの保育園児がいます。
ある日、喘息の発作が出て苦しむ息子を保育園からの連絡で連れ帰り、主治医と連絡を取りながら様子をみていた。
息子が落ち着いて眠ったことを確認して、大切な会議に出席するために、子どもを家において出社します。
帰宅した彼女が見たのは「息の無い息子」でした・・・。
息子の身体に傷や打ち身の跡などもあったことから、「保護責任者遺棄致死罪」で起訴されます。

裁判の中で、明かされる様々な事柄を、多方面から見て考えて・・・。
裁判員の方たちと裁判官での評議の結果は・・・。』

なるほど・・・とか、それは違うかも・・・とか、立場が違うから・・・とか、一つのことに対しても皆が同じ見方、考え方でないことを改めて思わされました。

裁判員・・・もし選ばれてしまったら、お引き受けしたい気持ちもありますが(年齢的には無い=苦笑)「人の運命を決める」という重要な部分であることを考えると躊躇しそうです。

寒い雨の日は読書~~♪

2024-02-22 | 本と雑誌
昨日から降り続いている冷たい雨が、今日も一日中降っています・・・。
こんな日は何もせず、ひたすら「読書」~~(苦笑)

    「ラブカは静かに弓を持つ」 安壇 美緒  著
         

読んでいて、心に音を感じられる雰囲気がある物語です。
途中、ちょっと苦しくなる部分もありますが、読後感は良かったです。

以前、音楽教室とJASRACが著作権使用料のことで裁判になったことがありますが、それをモデルに書かれた物語みたいです。

『 中学1年生の時、チェロ教室の帰りに「誘拐事件未遂」に出会ってしまった主人公の「橘 樹」は、それ以来10年も悪夢に悩まされ、睡眠薬の手放せない日々を送っています。
薄暗い深海の中で、息が出来ず苦しくてしかたのない夢・・・。

大学を出た「樹」が勤めているのは音楽の著作権を扱う会社なのです。
ある日、上司から「音楽教室にチェロを習いに行け」と命令されます。
その音楽教室で教材として使われるものが、著作権使用料を払わねばならないものであるかどうか確認する「潜入調査」・・・、つまりスパイとしてレッスンを受けるということなのです。

「樹」は、チェロのレッスンを受ける日々の中で、先生や仲間たちとの絆が深まるうちに、心の闇が明るくなっていくのを感じます。
が・・、会社内部のいろいろで、「樹」は自分の使命を周囲に暴露することになります・・・』

先生と生徒の間には、絆があり、信頼があり、固定された関係があって、それらは決して代替えのきくものではない、という言葉~~、嬉しいですね。

物語の主役・チェロ~、
これも強い思い入れ があり、その音色が聴こえるような気がしました。
大学時代から趣味でチェロを弾いている姪、もう30年近くなりますがH市の市民オケストラのメンバーでもあります。

何度もコンサートに足を運び、楽しませて頂いています。
チェロは弦楽器の中でも、音域が広く、人間の声に一番近い音なんだそうです!
「樹」の弾くチェロが語る物語・・・、
先生や仲間との絆で、明るい未来の光を奏でていました~♪

「ファーストラヴ」~~読書感想文です。

2024-02-12 | 本と雑誌
以前から気になっていた本、ようやく読みました。(すでに映画にはなっています)

    「ファーストラヴ」 島本 理生 著
        

「臨床心理士」が主人公の物語なので、発売時より「いつかは読みたい」と思ってはいたのです。

実は・・・もう何十年も前になりますが、某大学で「心理学」を学んだことがあります。「深層心理」です。
教授は「ユング派」・・・、めっちゃくちゃ難しくて・・・単位は落としました(( ;∀;))。
なので「心理学」に抵抗感があり(抹消してしまいたい過去です=笑)、読んでも分からないかも・・・と、敬遠していたのです。
が~、以外にもグングン引かれて一気読みをしてしまいました!

『父親を刺殺した容疑で逮捕された女子大生・聖山環菜の挑発的な台詞(警察に対して「動機はそちらで見つけて下さい」)が、世間をにぎわせていた。
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねていくが・・・。

苦しみも悲しみも拒絶も、自分の意思も、口にしてはいけないと思っていた環菜は、自傷することでそれらを発散させていたのです。
臨床心理士の由紀によって、環菜の幼い頃の積み重なった体験が今度の事件を引き起こしたことが解明されていきます。

「どんな人間にも意思と権利があって、それは声に出していいものだと、裁判を通じて初めて体験できた」という環菜。

家族という関係の複雑な感情、繋がりの難しさに、驚きますが、結末は、ほっとできました。


今、子どもの虐待事案が増えているそうですが、その内容は様々・・・。
幼少期の児童虐待、性虐待を引きずり成長していくことで、社会のルールから外れたり、自らを傷つけたり・・・と、人格形成に大きな影響が出ている大人が増えることが懸念されます。

事件が起きた時に、そういった深い部分の事柄が関係していることを解明していく臨床心理士って、とても重要な立場なんですね。

昔~~~、もっとしっかり勉強していれば、人権擁護委員としての役割も、もっともっときちんと果たせたかもしれないと猛省!(苦笑)

そうそう、物語に出てくる主人公・由紀のご主人・我聞(がもん)さんと、その弟・迦葉(かしょう)さんの名前は仏教の経典に出てくるらしい・・・。
内容が殺人に関することなので、そのからみ?と、思ってしまった私です(苦笑)。
その我聞さんの優しさ、人柄の良さには感服、こんな人、本当にいるのかなぁ・・・(笑)

本を読み終わって、外の空気を吸うためにお散歩に~~~♪
明るい太陽と暖かい空気に、春を感じました~~~♪
    





多分~~あそこだと思います~(笑)

2024-01-15 | 本と雑誌
今月二冊目の読書感想文です。
次男から「このモデルになった場所、知っています?」と、聞かれたのがキッカケで彼から借りて読みました。

     「純喫茶 パオーン」 椰月 美智子 著
          
ほんわか~心が温かくなる、とっても優しい本~~♪

創業以来50年近くになる「純喫茶 パオーン」=(決してcafeではないところが最高=笑)
そこの店主の孫である「ぼく」が、小学校五年生、中学一年生、大学一年生の時に遭遇した不思議な事件とか、人生の日々の中での真実とかを、大きな優しい心を持った祖母や祖父といっしょにほどき紡いでいくのが、なんとも微笑ましく味のある物語になっています。

そして、保育園からず~っと仲良しの友達二人との関係や、人を愛する気持ちに揺れたりする「ぼく」が本当に可愛い~♪

祖父のつくる「特製ミルクセーキ」や、祖母のつくる「魔法のナポリタン」~~絶品なんだと思います!

帯で、「好きなだけおかわりして欲しい。噛みしめるほどじんわりとした滋味があふれでるはずだ」と、物語について書かれていますが、なるほど~です。
          

次男に借りたこの本、「サイン本」なんです(苦笑)
        
神奈川県・小田原市出身の著者であることから(今も在住のようです)、同じ道を歩く彼は親近感を持っているようで、サイン会とかに行って頂いたみたいです(苦笑)

物語のモデルとなった喫茶店、多分、駅西口近くにあるなつかしい「あそこ」だと思います(笑)。
今も営業しているんでしょうか・・・機会を見つけて行ってみたいです!

そうそう、お店の名前の「パオーン」というのは「象の鳴き声」だそうですよ! そういえば~、小田原城址公園には、以前「象のウメ子さん」がいて、長いこと市民を癒してくれていましたものね~~。


このブログでUPする「読書感想文」は、今年二冊目ですが、UPしていない「読み終わった本」は、他にもたくさんあります。
         
↑これは、昨年後半に読んだ本~。
読み終わった本は、スマホのアプリで管理しています(苦笑)。

能登半島地震の被災者に心を寄せながら・・・。

2024-01-06 | 本と雑誌
古い日づけの新聞で読みたいものがあったので、久々に図書館へ~。
     

新年は昨日(5日)からオープンだったようですが、空いていました。
     
     ↑この書棚の奥のスペースが「新聞」のある場所です。

新聞を読み終わってから、「本を借りて帰ろうかしら・・」と、小説が並ぶ書棚の方へ。
    
作家名が「あいうえお」順に並んでいます。
特に「これを!」と決めた本もなかったので、「私はharusanだから、は行の作家の本にしよう」~などと、ふざけた理由で「は行」の棚へ~(笑)

目についたのは「原田マハ」さんの本。
原田氏の本は、読みやすいし、物語の中の風景や情景が、しっかり頭の中に描けるような文体が好きです。
氏がキュレーターという仕事も持ちながら小説を書いていることからでしょうか・・・。

以前にも何冊か読んでいるのですが、今日手にとったのは「翔ぶ少女」~~。
         
1995年1月にあった「阪神淡路大震災」が題材となった物語です。

震災で深く傷つきながらも、復興のために懸命に尽くす人々の様子や、両親を失い自らも足に障害を負った少女が、生きる日々の中で「飛び立ちたい!」と強く願う気持ちを描いた物語です。

『 神戸市長田区で、パン屋を経営する両親と暮らしていた三人の兄妹。
1995年、震災で両親を失います。その時、三人を助けてくれたのが、心療内科医院のゼロ先生でした。
先生も震災で妻を失い(瓦礫の下に埋もれた妻を自分一人の力では助け出せなかったのです)、それを許せない息子は、父と絶縁する。
復興が進む町で、先生は三人の兄妹を養子として縁組し、4人で家庭を作っていきます。
が・・・、突然思いがけない出来事が・・・』

結末は「あぁ~~良かった!」となるのでほっとしましたが、読んでいる途中では何度かウルウル・・・。

「誰でも、翔びたいと思えば飛べるんだ!」「心を強く持って挑戦しよう!」
ということなんだろう・・、という本でした。

元日に起きた「能登半島地震」の様々な映像のや、時間の経過とともにどんどん増える犠牲者の数を知ると、もしかしたら、この物語のようなこともあるかもしれない・・・と、
被災者の皆さんの気持ちを想い、胸を痛くしながら読みました。

「償い」~~読書感想文です。

2023-10-23 | 本と雑誌
秋晴れ~~♪
夫は、愛妻弁当を持って菜園へ~~(笑)
        
昨日の夕食の「すきやき」を少し取り置いておきました。それと大好物の「たまご焼き」です~~♪

私は、午前中に「ワクチンの申し込み」のために役所の窓口へ行き、その帰りにお買い物をして帰宅。

午後は、遠方の友人と何か月ぶりかで電話でのおしゃべり~。
それ以外に時間は読書で過ごしました。

読んだ本は、   「償い」 矢口 敦子 著
          
数ページ読んでから「あぁっ~~読んだことある!」と、思い出しました(苦笑)
再読でもグングン引き込まれる内容ですので、飽きずに一気読み!

『 36歳の医師・日高は、子どもの病死と妻の自殺、勤務する大学での権力や派閥争いに負けたことで、人生に絶望しホームレスになった。
流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起きる。
日高はある刑事の依頼で、探偵まがいのことを始める。

やがて、日高は、かつて自分が命を救った少年が「犯人」ではないかと疑い始める・・・。
絶望を抱えて生きる二人・・・。』

「人の肉体を殺したら罰せられるのに、
 人の心を殺しても罰せられないのは不公平…」


という重いテーマには、考えさせられます。
 読み応えのある物語でした。