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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

「暗転」・・・読書感想文です。

2023-08-19 | 本と雑誌
猛暑の日々が続く今年の夏は、外出を控えエアコンの効いた部屋で、かなりたくさんの本を読んでいます!
感想文は、なかなかUPできませんが・・・(苦笑)
スマホのアプリでは管理しています。
           

その一冊~、
好きな作家の一人「堂場 瞬一」氏の本で、いつものようにグイグイ引き付けられて~~一気読みしました!
     
         「暗転」  堂場 瞬一  著
        
            

 朝の通勤ラッシュの時に、満員の乗客を乗せた電車がカーブの所で脱線!
いつもは乗らないこの電車に偶然乗り合わせていた週刊誌の編集記者「辰巳」は、横倒しになった電車の中で、自分の下敷きになっていた女性を気にしていたが、偶然にも同じ入院先の病院で、その女性の死を目のあたりにする・・・。 

辰巳は、その女性の婚約者である男性から「編集者なら、事故の原因を突き止め書くべきだ」と言われる。
が・・・、辰巳は壮絶な事故を思い出すたびに身体が震えてくるのだった。

事故当時の恐怖におびえる自分自身と闘いながら、自分を叱咤激励しながら、亡くなった方たちの魂に報いるべく、真相を求めてペンを握るのです!
彼自身の日常を取り戻すためにも・・・』

物語の冒頭、2005年の福知山線での大きな事故を思い出しました・・・。
あの時は、運転手さんが「遅れを取り戻すために、スピードを上げていてカーブを曲がり切れなかった、ATSの不備、乗務員の勤務への劣悪な環境・・・ということでしたよね。

この物語では、同じように「遅れを取り戻すために、運転手がスピードを上げ過ぎた」のですが、会社側の会見でみえる「嘘」に憤る人々の姿が生々しい・・・。

主人公・「辰巳」はもちろんですが、
*電鉄会社の広報部にいる一人の男性・「御手洗」(彼の妹も、この事故に巻き込まれ足を骨折し、就活を断念します)。
*定年をまじかに控えた一人の警察官・「高石」(事故の捜査応援に駆り出されています)
*亡くなった女性の婚約者・「滝本」(彼女とは同棲中でしたが、彼女の家族とは認めてもらえない・・・)

↑この人たちが、苦悩する姿に「この先、どうなるんだろう・・・」と、本には書かれていないことを想い胸が痛くなりました。